学資保険って、本当にお得なの?

2011年3月7日

「学資保険」とは、「子どもの教育費を保険で貯めながら、親に万が一のことがあった場合の保障も確保する」というものです。その教育費ですが、「私立大学に行かせる場合、○百万円かかる」などという記事を目にして、不安がふくらんでいる方もいるかもしれません。ですが、その「○百万円」のうち、仕送り代などは月々の収入から支払うことができるわけですから、その全額を入学時までに蓄えておかなければならないということにはなりません。しかし、受験のときや入学のときなどはまとまったお金が必要になりますから、そのお金をどうやって貯めましょうか、というのが、学資保険を考える上での前提になります。

さて、学資保険ですが、「払い込んだ保険料より多くのお金が戻ってくる」「保険だから、預金と違ってうっかり使ってしまうことがないのでしっかり貯められる」「親に万が一のことがあっても大丈夫」というイメージから、子どもが産まれたらまず学資保険、と考えられる方が多いようです。「中学や高校に入学するタイミングで祝い金が支払われる」などの商品もあって、まさにかゆいところに手が届くような感じもしますね。このように、学資保険にはいろいろお得と思われる点があります。しかし、必ず学資保険に入る必要があるか?と訊かれれば、一概にそうとも言えないようです。

学資保険、3つのポイント

まず、「払い込んだ保険料より多くのお金が戻ってくる」ですが、これは、定期預金の積み立てをしたとしても同じです。「戻り率」などという言葉で、「払い込んだ保険料に対して、いくら満期金が戻ってくるか」を示すことがありますが、たとえば戻り率が110%などと言われると、とても多いように思えます。しかし、20年近い年月をかけて実現されるということにはご留意いただきたいです。そのあいだに預金の金利が上昇するかもしれませんし、それだけの長期であれば投資信託などでじっくり運用するということも検討できます(元本割れのリスクはありますが)。また、それだけの長期間に途中で解約しないということが前提にもなっています。

次に、「保険だから、預金と違ってうっかり使ってしまうことがないのでしっかり貯められる」ですが、学資保険に限らず貯蓄性の保険にこういった理由で入っている人も多いのではないでしょうか。でも、お金を貯めるのは保険でなければならないのでしょうか? 確かに、いつも使っている銀行の口座に入れっぱなしでは、うっかり使ってしまうこともあるでしょう。でも、例えば別の銀行の口座に教育費分を分けて預けておくだけでも、「これは使っちゃいけないお金なんだ」という気持ちになれるものです。「うっかり使ってしまうことがない」というのは、「例えば世帯の収入減や急な出費があったとしても、そのお金を使うことができない」ことの裏返しです。また、「保険だから貯められる」というのは、保険会社にあなたのお金の管理と運用をお願いしているのと同じことです。管理・運用をするためには、費用が発生します。その費用は目に見えたり別に請求されたりするわけではありませんが、そういう費用がかかっているということは、心にとどめておく必要があります。

最後に、「親に万が一のことがあっても大丈夫」ですが、自分に万が一のことが起こった場合を想定しておくのは、親として必要なことです。万が一のことが起こった場合、学資保険に入っていれば、以降の保険料の払い込みは免除される、つまり保険料を払わなくても必要な学資が準備できるというケースが多いようです。これは安心ですよね。ですが、もしすでに十分な死亡保障のある生命保険に加入していて、万が一の場合にそこからの保険金でその後の教育費がカバーできるのであれば、学資保険にそのような保障機能を求める必要はないでしょう。また、住宅ローンを組まれている方であれば、団体信用生命保険(団信)に同時に入られている方が多いでしょうから、万が一の場合は以降のローンの支払いが免除されるので、その分を学資として積み立てることができます。

「学資保険に入っていると、なんとなく安心」と思われている方も多いようですが、その「なんとなく」の正体をひとつひとつ考えていくことで、本当に学資保険に入る必要はあるのかということが、しっかり判断できるようになるのではないでしょうか。お子さまの将来のためにも、納得できる選択をしたいですね。