2014年のマーケット展望

2014年1月15日

2014年の世界経済とマーケット展望

国際投信投資顧問株式会社

世界経済は、2008年金融危機・欧州債務問題・米国財政の崖への危機対応を終え、景気回復にあわせ財政金融政策の正常化へ舵を切ろうとしています。 ただ、米国財政・中国債務問題を抱え、性急な正常化は出来ず、2015年にかけて世界の"カネ余り"環境は続く見通しです。米国では、財政赤字削減と金融緩和縮小を同時に行うと景気失速の恐れが高まるため、バランスの取れた政策が求められています。財政問題が深刻化するほど、金融政策は緩和長期化の可能性が高まり、最終的には"カネ余り"が良好な投資環境の要因になると考えられます。日本経済はアベノミクスが緒に就いたばかりですが、「企業→家計→政府」という本来の成長軌道にのせられるかが試されます。2014年4月と2015年10月の消費税引き上げを乗り越え、持続的な成長が期待されます。

日本の貿易赤字拡大にもかかわらず、2013年央以降ドル円相場が円安へ進みにくい背景には、日米双方が大量の資金供給を行っていることがあげられます。2014年に米国が量的緩和縮小を始めれば、あるいは日銀が追加緩和を実施すれば、ドル円相場もドル高へ向かうと考えられます。他方、欧州では民間銀行から欧州中央銀行へ長期資金供給の返済が続き、資金供給量の減少がユーロ高を支えるでしょう。2013年夏場にかけ急落した新興国通貨は、大規模介入や通貨防衛の利上げなどの政策対応と米国金融緩和の長期化をうけ、戻りを試す展開が予想されます。

金融危機後の2009年春以降は、株式・リート・外債・ヘッジ付き外債など、総じてどの資産も円建ての投資成果は良好でした。その背景には"カネ余り"と"緩やかな景気拡大"が並存しており、今後も同様の環境が維持されるならば、2014年も良好な投資成果が期待できるでしょう。投資対象地域としては、景気の底堅い米国をはさむ北米3ヵ国(米国・カナダ・メキシコ)、最悪期を脱した欧州、追加金融緩和が期待される日本が注目されます。新興国投資については、米国の利上げが2016年まで先送りされると見込まれるため、資金逃避は収まり選別投資が始まると考えられます。

国際投信投資顧問株式会社

2014年のオーストラリア経済とマーケット展望

三井住友アセットマネジメント株式会社

2013年前半のオーストラリア経済では、景気のけん引役であった資源部門の投資が一服に向かうなか、失業率の上昇も見られはじめました。また、新興国景気の減速への警戒も強まり、豪ドルが下落したほか、資源価格や輸出動向も振るいませんでした。こうしたなか、オーストラリア準備銀行(中銀、以下、RBA)は2011年後半からの一連の利下げを継続し、2013年にも5月と8月の2回、利下げを実施しました。過去最低となった政策金利の影響もあり、年半ばには住宅市場の持ち直しが明確となりました。

また、年後半には中国景気が持ち直し、豪州からの鉄鉱石・石炭輸出も回復しました。加えて、9月の選挙で産業界に近い保守連合へと政権交代が実現(アボット政権、炭素税の見直しなどに期待)したことも景況感の改善につながり、個人消費が持ち直してきました。 こうして2013年は年後半から景気が持ち直しましたが、通年の成長率はRBAが判断の目安とする過去10年平均(約+3%前後)を下回り、2%台半ばとなりそうです。2014年は住宅市場の回復が継続すると見られること、中国景気の回復で資源輸出が安定してきたことなどから緩やかな景気回復が続きそうです。一方、資源部門の投資の減速などは引き続き重石となり、年+3%はやや下回りそうです。

RBAは当面、緩和的な金融政策を変更せず、様子見姿勢となりそうです。豪州の株式市場は、世界的な景気回復に加えて、資源輸出と住宅市場の回復の追い風を受けて、緩やかな上昇も期待されます。債券市場では、景気が緩やかな持ち直し局面にあることで、債券価格の上値は抑えられています。ただし、相対的に高い金利水準や信用力などが豪州債券の需要を下支えし、債券価格は今後も一進一退となりそうです。為替市場では、豪州のやや低調な成長見通しが多くの市場参加者やRBAが想定していた以上に長引くなか、豪ドル独自の買い材料は少なく、目先の豪ドル円相場は一定のレンジ内で推移しそうです。より中長期では、高めの金利水準、豪ドル建て債券の高い信用力、良好な人口動態、着実な資源需要の拡大傾向などが下支え材料となり、豪ドルの底堅さは維持されそうです。

政策金利と為替レート

三井住友アセットマネジメント株式会社

2013年のグローバルREIT市場動向と2014年以降の展望

日興アセットマネジメント株式会社

2013年のグローバルREIT市場は堅調に推移しました。5月までは、世界的な景気回復や日本におけるアベノミクス効果などもあり、世界株式と同様に良好なパフォーマンスとなりました。しかし、米国で量的緩和の縮小懸念が浮上した5月下旬以降は、世界株式を下回る推移となりました。これは、量的緩和の縮小観測の高まりを背景に、米国の長期金利が上昇傾向となる中、REITの資金調達コスト上昇に伴なう業績への悪影響が懸念されたことや、債券利回りに対する相対的な分配金利回りの魅力が低下したことが主因です。ただし、量的緩和の縮小観測の高まりやそれに伴なう金利の上昇は、米国の本格的な景気回復を反映したものとみられます。景気回復は企業業績や消費者心理を押し上げ、雇用を創出し、新たな不動産の賃借需要につながることから、REITの収益成長を後押ししていくと考えています。

なお、2013年の各国・地域別のREIT市場を見ると、日本においては政府による資産買入プログラムやアベノミクス効果により経済見通しが好転したことを受けて、J-REIT市場が大幅に上昇しました。また、英国、大陸欧州、豪州など、世界の主要国においても景気は上向いてきており、REIT市場はおおむね堅調なパフォーマンスとなりました。

2014年以降のグローバルREIT市場は、世界的な不動産市場の回復を反映したパフォーマンスとなることが期待されます。景気回復の中で優良不動産に対する賃借需要が高まり始めた一方で、金融危機前から続く不動産開発に対する銀行の貸出抑制を主因として、優良不動産が世界的に供給不足であり、今後は不動産の稼働率の改善や、それに伴なう賃料上昇が見込まれます。更に、高い財務健全性を有するREITは良好な条件で借入や増資による資金調達が可能であり、新規物件取得や保有物件の改修・増築による収益向上が見込まれます。米国では量的緩和縮小のタイミングとそれに伴なう金利上昇が引き続き懸念材料ですが、量的緩和の縮小に対する不透明感が払拭されれば、米国REIT市場は再び堅調な動きになるものと考えます。世界経済の緩やかな回復、それに伴なう賃借需要の高まりと賃料上昇、REITによる新規物件取得や保有物件の改修・増築により、グローバルREITは今後数年間、年率6%〜7%の収益成長率を達成すると考えます。

日興アセットマネジメント株式会社

2014年世界経済およびマーケット展望

ニッセイアセットマネジメント株式会社

<2014年の世界経済は概ね緩やかな回復基調を予想>

2014年のグローバル景気は、緩やかな回復基調になると予想します。まず、米国景気は年率2%台後半の成長率になると見ています。家計のバランスシートの正常化、資産効果の底支えや雇用の改善傾向も寄与して個人消費が底堅く推移するとともに、住宅投資の回復基調も継続すると予想します。欧州は財政緊縮と銀行のバランスシート調整から内需は低迷するものの、外需の持ち直しで辛うじてプラス成長(年率1%程度)を維持すると見ています。中国経済は欧州・米国経済の回復に伴う輸出の改善傾向により政策目標である7%台の成長を維持できると見ていますが、投資偏重の成長モデルからの転換を図るなかで足踏みも想定されます。国内景気も、グローバル景気の持ち直しと為替市場における円安により輸出が回復傾向、企業収益の増益基調も継続、消費増税の悪影響を緩和する財政措置や雇用所得環境の改善による個人消費の底堅さから好調を持続するものと見ています。

<緩やかな円安基調、国内株価は上昇基調、国内長期金利は低位安定推移を予想>

2014年のグローバルマーケットは、為替市場で緩やかな円安基調、株式市場は上昇基調、長期金利は低位安定推移を予想します。まず、為替市場は、日本の貿易赤字の定着や日米の金融政策格差などが、緩やかな円安基調の要因になると見ています。欧米株価は、金融緩和長期化や企業業績改善を背景に、緩やかな上昇基調を持続すると予想します。

国内株価は、円安基調の持続、日銀の追加緩和、消費増税時の財政対応を背景に上昇基調を維持するものと予想します。米国長期金利は、多少の振幅はあるものの、基本的に横ばい圏で推移するものと考えています。米連邦準備制度理事会( FRB )が量的金融緩和の縮小を開始した場合でも、同時にゼロ金利の時間軸を強化すると思われることから横ばい圏での推移を予想します。最後に、国内長期金利は、日銀の本格的な追加金融緩和政策の継続により低位での安定推移を予想します。

ニッセイアセットマネジメント株式会社

投資適格債券市場の見通し

ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社

投資適格社債市場の2014年の見通しは、引き続き良好と考えています。社債価格を変化させる主な要因は、(1)長期金利(国債利回り)の変化や、(2)社債を発行する企業の信用力の変化、そして、(3)市場参加者の心理の変化などです。これらの要因それぞれにつき2014年を展望しますと、いずれも明るい材料が目立つためです。順を追って確認してみましょう。

【長期金利の変化】

長期金利の急上昇は、社債の弱点の一つです。この点では、「米国やユーロ圏の景気改善スピードはゆるやかにとどまるとみられること」はプラス材料です。昨年は、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的金融緩和第3弾(QE3)を縮小するとの観測から、米国の長期金利は一時3.0%まで急上昇しました。その後、市場では徐々に「QE3が縮小されても政策金利引き上げは数年先」との見方が浸透しつつあることから、昨年のように長期金利が急上昇する可能性は低いと考えています。

【企業の信用力の変化】

企業の信用力の急速な悪化も、社債の弱点です。この点では、「景気改善が続くことで企業の業績や財務体質の改善がさらに進むとみられること」はプラス材料です。財務改善を通じ手元資金が積み上がった企業の自社株買いや増配等の動きが増えてきています。

【市場心理の変化】

市場心理の急速な悪化も、社債の弱点です。この点では、欧州債務危機はすでに収束し、中国景気の先行きなどに対する懸念も和らぎつつあります。「市場心理の悪化要因は、過去数年と比べ、少ないとみられること」はプラス材料です。

一方、投資適格社債の最大の強みは、長期金利(国債利回り)に企業の信用力に相当する利率(クレジット・スプレッド)が上乗せされ、国債と比べ、高めのリターンが期待できることと言えます。たとえ長期金利の変動性が高まる局面があっても、この上乗せ分の収益がバッファー(緩衝材)となり得ます。より長い期間保有することによって上乗せ分が積み上がり、国債よりも高めのリターンが期待できるのです。

こうしたことから、長期化が見込まれる低金利環境下で利回りを求める投資家の旺盛な需要にも支えられ、投資適格社債市場の2014年の見通しは、引き続き良好と考えています。

ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社