2015年のマーケット展望2015年の景気動向、世界経済の見通しについて、運用会社(委託会社)5社にお伺いしました。

2015年1月15日

世界経済とマーケット展望

2015年の世界経済は、着実な拡大を予想

2014年10月の国際通貨基金(IMF)による世界経済見通しは、2014年の+3.3%から2015年は+3.8%へ成長加速が予想されています。とりわけ米国では、2014年+2.2%から2015年+3.1%と2008年に生じた金融危機からの立ち直りが鮮明です。日本やユーロ圏では、大規模な金融緩和策が景気を支え、緩やかな景気回復が続く見込みです。また、2014年末に生じた急速な原油価格の下落は、米国、欧州、日本、中国などの資源輸入国で景気押し上げ要因となるため、世界経済の成長率がIMFの見通しよりも上振れる可能性があると考えています。

2015年のマーケットは、カネ余りによる良好な投資環境の継続を予想

2015年のマーケットは、世界経済の拡大と日本・ユーロ圏の金融緩和策によるカネ余りによって、世界的にリスク性資産が選好される投資環境が続きそうです。また、2015年のドル円相場は、年央に予想される米国の利上げによるドル高と日本銀行の金融緩和による円安という双方の影響で、円安ドル高の継続が予想されます。過去、米国の利上げ局面では、2000年と2008年に国際金融市場でリスク性資産が急落しました。しかし、いずれも断続利上げの終盤で生じており、今回の利上げが少なくとも2年程度かかる可能性が高いことを考えると、2015年中に米国経済が急速に冷え込むリスクは低いと予想されます。

2015年のリスク要因として、新興国経済の動向が挙げられます。

  • 米国の利上げによる対外債務の多い新興国での通貨安や信用不安
  • 原油安による資源輸出国での景気や財政の悪化
  • 欧米の制裁によるロシア企業の外貨不足による債務不履行
  • 中国の不良債権問題の顕在化など

ただし、多くの新興国では、過去の金融危機の教訓で外貨準備の積み増し、対外債務の縮小、財政の健全化を進めており、国際的な金融危機に発展する可能性は低く、世界の金融市場への影響は一時的に留まるとみています。

国際投信投資顧問株式会社

世界経済およびマーケット展望

2015年の世界経済は概ね緩やかな回復基調を予想

2015年のグローバル景気は、日米が緩やかな回復基調、欧州・新興国は低成長で、全体として緩やかな回復を予想します。

<米国景気>

年率2%台後半の成長率になると考えています。企業収益の増益傾向は継続、資産効果の底支えや雇用の改善傾向も寄与して個人消費が底堅く推移すると共に、住宅投資も緩やかながら回復基調が継続すると予想します。

<欧州景気>

財政緊縮と銀行のバランスシート調整から内需は低迷するものの、外需の持ち直しでプラス成長を維持すると見ています。新興国経済は、全体として成長率の低下は下げ止まるものの、インフレの状況や金融政策の違いで各国の回復力に差が出ると思われます。

<国内景気>

グローバル景気の回復と円安効果により輸出が回復基調、企業収益の増益基調も継続すると見ています。また、雇用所得環境の改善が継続し、個人消費は底堅く推移すると思われますが、物価上昇が先行するためその伸びはやや抑制されると考えています。

緩やかな円安基調、国内株価は上昇基調、国内長期金利は低位安定推移を予想

2015年のグローバルマーケットは、為替市場では円安の動きが一巡し、概ね横ばいと予想します。株式市場は緩やかな上昇基調、長期金利は低位安定推移を予想します。

<為替市場>

日本の貿易赤字定着や日米金融政策の違いによる円安圧力は為替水準にほぼ織り込まれたと見ており、1ドル110円台半ばを中心とした推移を予想します。

<米国株価>

米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを急がない金融政策方針や企業業績改善を背景に、緩やかな上昇基調を持続すると予想します。

<国内株価>

日銀の金融政策、円安基調の持続、円安効果による企業収益の増益傾向を背景に緩やかな上昇基調を維持するものと予想します。

<米国長期金利>

今後も利上げ観測の浮上により多少の振幅はあるものの、利上げを急がないFRBの金融政策方針により、低位水準での安定した推移を予想します。

<国内長期金利>

12月に入って商品市況の急落や新興国景気の懸念などから一段と低下しました。来年も、このような各市場の動向や景気動向により一時的な変動も予想されますが、日銀による国債の買入が長期金利を引き続き低位に安定させると予想します。

ニッセイアセットマネジメント株式会社

オーストラリア経済とマーケット展望

2014年の経済は、消費の拡大により底堅く推移

消費拡大の背景としては、住宅価格の上昇や雇用の緩やかな改善が挙げられます。輸出は、全体として伸び悩んでいるものの中国向けの拡大など明るい兆しも見られます。
豪州準備銀行(RBA)は、物価上昇率の落ち着きなどから、15会合連続で政策金利を過去最低の2.5%で据え置いています。こうしたなか、相対的に高い金利差や日銀の強力な金融緩和を背景として、豪ドルは対円で上昇基調にあります。

2015年の経済は通年の成長率が+3%前後と予想

低金利や雇用環境の改善などによる消費の拡大に支えられて底堅く推移し、通年の成長率は+3%前後となりそうです。
消費者物価上昇率は、賃金上昇が緩やかなことや資源価格が当面軟調となることなどから安定した推移となり、RBAの目標+2〜3%の範囲で推移する見込みです。物価の安定から政策金利は過去最低水準で当面据え置かれ、景気を下支えすると見られます。ただし、資源価格の大幅な下落により景気が下振れた場合には、利下げ観測が強まりそうです。
豪ドルは、相対的に高い金利水準が維持されそうなことや日銀の強力な金融緩和も継続しそうなことから、対円で底堅い推移が見込まれます。

政策金利と豪ドル円レート

三井住友アセットマネジメント株式会社

グローバル公益債券市場の見通し

2015年のグローバル公益債券市場の見通しは良好と見込む

世界的な株価の乱高下などで、信用力が高めの公益債券市場には資金が流入しやすいと予想されるからです。また日本では、アベノミクスによるインフレ率上昇ですでに預貯金の実質的な目減りが始まっていると判断されることから、分散投資先として世界の公益債券市場への関心が高まる一年となりそうです。社債は一般にその信用力相応のクーポン(利率)が国債利回りに上乗せされ発行されるため、国債よりは利回りが高くなる仕組みを備えています。公益債券であれば、国債に次ぐ高めの信用力も魅力です。主な留意点は次の通りです。

  • (1)長期金利が急上昇する恐れはあるか?
    10年国債利回り(長期金利)の急上昇は、社債投資には不利です。

公益債券市場の規模が大きい米国では景気回復に伴い2015年半ば以降、政策金利の引き上げが見込まれます。「長期金利も上昇しやすい」との見方もありますが、経済構造の変化等による近年のディスインフレ(物価上昇率のゆるやかな低下)傾向に加え、次の理由から、ゆるやかな上昇にとどまると考えられます。

  • (a)安全資産としての米国国債への需要が2014年同様、長期金利の上昇を抑制する要因となりそうです。「米国の利上げで新興国市場から投資資金が流出する」との思惑で再び新興国市場が動揺すれば、世界的な株価の急落や急反発が2015年も繰り返される可能性があるからです。
  • (b)過去最低水準付近で低下しつつあるドイツや日本の長期金利が、利回りが比較的高い米国国債の魅力を高め、2014年同様、米国長期金利の低下を促す圧力になると見込まれます。長期金利の上昇がゆるやかであれば、利回り上昇により債券投資にはプラス要因ともなり得ます。
  • (2)公益企業の信用力の悪化は見込まれるか?
    企業の信用力の急速な悪化も、一般に社債投資には不利です。

しかし公益事業セクターは、電力・ガス・水道など公共性の高い事業を長期事業計画に沿って安定的に運営するため、(保険業と並び)社債の中では信用力が高いセクターとみられています。最近の原油安の影響としては、自社で原油産出も手掛ける一部企業にはマイナスですが、公益企業の大部分は電力会社など化石燃料を消費する側であり、原油安が長期間続けばむしろプラスに影響する可能性もあります。

長期化が見込まれる世界的な低金利環境下で利回りを求める投資家の旺盛な需要にも支えられ、公益債券市場の2015年の見通しは良好と考えられます。

ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社

グローバルREIT市場の見通し

2014年のグローバルREIT市場は米国における景気回復の継続などを背景にパフォーマンスは好調

振り返ると、グローバルREIT市場は9月から10月初旬にかけ、米国の量的緩和終了を控え投資家のリスク回避姿勢が強まり世界的な景気減速懸念が拡がったことなどから、大きく下落しました(下グラフA)。しかしながら、米経済指標が堅調であることを受け、投資家のリスク回避姿勢に和らぎがみられたことから、その後グローバルREITは反発し、代表的な指数であるUBSグローバル・リアル・エステート・インベスターズ・インデックス(米ドルベース、トータルリターン)は足元で史上最高値圏での推移となっています。

2015年以降の展望は2014年に引き続き、今後のグローバルREIT市場の成長に期待と予想

注目のポイントは各国の景気回復だと考えます。景気回復ペースは各国・地域によって異なり、金融政策の方向性もさまざまです。米国など景気回復が継続している国では利上げが視野に入りつつある一方、ユーロ圏や日本では、景気下支えに向けて緩和的な金融政策が継続される見込みです。
金利の上昇は、REITの資金調達コストの上昇や分配金利回りの相対的な魅力低下への懸念などを通じて、REIT価格の下押し要因となる傾向があります。ただし、景気回復局面での金利上昇の場合、不動産賃貸需要の増加への期待感がREITの収益拡大期待につながり、REIT価格の押上げ要因となる傾向があります。
また、現在、多くの市場でテナントの賃借需要が高まり、不動産ファンダメンタルズ(賃料や稼働率など)が改善したことを背景に、良好なパフォーマンスとなっています。
今後も、景気回復を背景とした不動産ファンダメンタルズの改善に伴うREITの収益性の高まりに加え、ラサール社では新規の物件供給が限定的であるとみており、インフレ率の緩やかな上昇などを受け、REITの保有不動産の価格が上昇すると見込んでいます。
このようななか、ラサール社ではグローバルREITは、今後起こり得る緩やかな金利上昇を織り込んだうえで、2015年からの4年間で年率6%超の利益成長率を達成するとみています。
(2014年11月21日時点)

グローバルREITの推移

グローバルREIT:UBSグローバル・リアル・エステート・インベスターズ・インデックス(米ドルベース・トータルリターン)
世界株式:MSCIワールド・インデックス(米ドルベース・トータルリターン)
信頼できると判断した情報を元に日興アセットマネジメントが作成

景気回復に伴うグローバルREITへの影響のイメージ

REIT価格・景気・不動産ファンダメンタルズの関係性のイメージ

日興アセットマネジメント株式会社

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