外貨預金、知っておくと便利な基礎知識

2013年7月16日

外貨預金とは

円ではなくて米ドルやユーロなど、外貨で預金することをいいます。円を外貨に、外貨を円に交換する際には手数料がかかりますが、円で預金するよりも金利が高かったり、為替レートが円高や円安に変動することを利用して利益(為替差益といいます)を狙うことができるなどのメリットがあります。式で表すと次のようになります。

これを順番にみてみましょう。

(1) 金利 〜 金利は高いほうが嬉しい。けれど、金利だけでは計れない外貨預金の収益性

長い間、経済が低迷を続けている日本では、企業がお金を借りて設備投資をしたり、個人がお金を借りて家を建てたりしやすいように、金利を低く維持するという政策を推し進めてきました。日本経済にとっては低金利でなくては困るということですが、お金を預けるということから考えると「預金してもほとんど利息がつかない」というあまり嬉しくない状況が続いています。

そこで、日本よりも金利の高い国の通貨で預金すれば、もっと多くの利息がもらえるというアイデアが生まれます。ちなみに、外貨預金も日本円の預貯金と同じように利息分には20%の税金がかかります。日本円で預金するより金利が高くても、円で預金した場合よりも受け取る金額が多いとは限りません。その理由は、次に説明する手数料と為替レートの変化の影響にあります。

東京スター銀行の外貨預金金利

(2) 為替手数料 〜 異なる通貨を交換するときにかかる手数料です

外貨預金をする際に適用される為替手数料は、「片道1円」といった表記がなされます。これは、現在の為替レートが1米ドル=100円だった場合に、手数料を1円上乗せして101円で1米ドルと交換し、外貨を円に戻すときは、1円の手数料を引いて、1米ドルを99円で交換しますよ、ということです。

外貨預金したお金は日本円に戻す人が多いでしょうから、円を外貨に換えて(行き)預金したら再び円に換える(帰り)ことになります。円を外貨に換える時 (行き)の手数料と、外貨を円に換える時(帰り)の手数料の、行き・帰りの往復の手数料が掛かります。この場合にかかる手数料は片道1円×2=「往復2 円」です。

外貨の運用では、為替レートがまったく変動しなかった場合でも、為替手数料の負担があります。この例では、為替レートが1ドル100円のまま変わらなくても、円を1ドルに換えてまた円に戻すと、101円で買った1ドルを99円で売ることになりますので、2円損します。当初101円の支払いに対して2円の損失ですから、率にすると2円÷101円=約2%です。もしも外貨預金で受け取る利息が手数料分よりも少ない場合には、いわゆる「手数料負け」した状態にありますので、そもそも投資すべきかどうか慎重に検討する必要があります。

東京スター銀行の取扱通貨と為替手数料(インターネットバンキング専用為替レート)

(3) 為替差損益 〜 外貨を安い時に買って、高いときに売れば儲かります

どんなモノでも、安く買って高く売れば儲かります。それは通貨も同じです。たとえば「米ドル」を、安いときに買って、高い時に売れば儲かります。あたかも春先のバーゲンで仕入れた定番の冬物コートを、真冬になってニーズが高まってからオークションで高く売るような話です。

為替レートが100円から102円の円安・ドル高になれば、2円利益が得られるように思えますが、ここでも為替の手数料を忘れてはなりません。1ドルにつき片道1円の手数料が掛かるのであれば、まず1ドルを買う時に手数料1円を加えて101円払わなくてはなりません。最後に1ドルを円に戻すときも1円の手数料を払うことになり、1ドルで101円しか戻ってきませんので、儲けは0円になります。 この場合、手数料が片道0.5円であれば、100.5円で買って、101.5円で売ることになり、為替差益は1円となります。

為替相場の未来は誰にもわかりませんが、過去と比べて高いか安いかを調べることはできます。それを一目でわかるようにしたものが為替チャートです。下のチャートは「米ドル/円」相場推移のイメージを示したものです。1米ドル=いくら(円)かをグラフにしたものですから、グラフが上に行くほど米ドル高(=円安)、下に行くほど米ドル安(=円高)となり、米ドルの価値が上がっているか下がっているのかを、相対的に評価することができます。

米ドル円チャート

為替差益を狙って外貨預金をする場合は、円高のときに外貨を購入して、円安のときにその外貨を売ると儲かるわけですから、以下2つをチャンスとして捉えることになります。

A 過去に比べて円高(外貨安)だと思えるところ
B 今後は円安に向かうだろうと思えるところ

最近はインターネット上に無料で見ることができるチャートシステムがたくさんありますので、それらを活用して過去の相場推移をチェックし、取引のタイミングを計るなどしてみてはいかがでしょうか。

(4) 外貨預金による収益

外貨預金をしたときに最終的にどれくらいの収益になるかは、(1)から(3)までの3つを足し上げたものになります。

金利が高ければ必ず利益を得られるというものでもありませんし、円高・ドル安になると必ず損をするというものでもありません。

例えば、最初に為替レートが1ドル100円で、為替の手数料が片道0.5円(往復1円)、1ドルの預金に税引き後で0.03ドル(3セント)の利子が付いたとしましょう。100.5円で1ドルを手に入れて預金をし、1.03ドルになりました。さて、このとき1ドル100円のままなら、手数料を入れて1ドルが99.5円になりますから、102円ちょっと受け取ることができます。しかし、1ドル95円の円高・ドル安になっていれば、97円少々しか受け取れませんので利益は出ません。逆に、1ドル100円から95円へという円高・ドル安が起こったとしても、米ドルで受け取る利子が税引き後で0.07ドル(7セント)だったら、日本円に戻したときに、101円少々になりますから、利益が出ます。

外貨預金で利益が出るかどうかは、(1)金利と(2)手数料、(3)為替損益の総合で決まるのです。

外貨預金の注意事項についてもご確認ください。