借りる・返す

借り入れのスムーズな返済方法|複数ローンにも対応!FPが教える返済のコツ

  • #お金を返したい

掲載日:2021年11月30日
最終更新日:2024年4月1日

ローンを利用してお金を借りた場合、利息と元本を合わせて返済しなければなりません。利用しているローンによっては高い金利が適用されているケースもあるほか、借入先が複数あると返済の管理が大変です。そこでこの記事では、借り入れしているお金のスムーズな返済方法や、複数社から借り入れている場合の効率的な完済方法を紹介します。返済方法に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事は7分で読めます!

1. 借り入れをスムーズに返済する5つの方法

ここでは、借り入れをスムーズに返済する方法について解説します。以下で紹介する内容をしっかり把握しておきましょう。

1. 借り入れの状況を正確に把握する(借入先、残高、利率、返済額など)

借り入れをスムーズに返済するためには、現在の借り入れ状況を正確に把握することが大切です。借入先は何社あるのか、それぞれから、いくら借り入れているのか、そして現在どれだけの借入残高があるのかをまず一覧表にしてみましょう。合わせて、毎月の返済額や適用されている利率が、年率何%かも確認してみてください。

2. 収支状況を把握する(給与収入・家計の支出)

現在の借り入れの状況が正確に把握できたら、次は収支状況を確認しましょう。毎月どのくらいの収入があり、支出額はどのくらいなのか。また支出については、何にどのくらい使っているのか把握できれば、無駄な支出を確認でき、支出を減らすことにもつなげられます。

収入と支出のバランスが把握できたら、どれくらい余剰分があるか、どれくらい返済に充てられるかを確認しましょう。余剰があるからといって、そのすべてを返済に充てるのは危険です。なぜなら、今後いつ急な支出が発生するかわからないからです。

できれば、余剰分については、貯金分と返済分に分け、貯金については緊急予備資金として毎月の生活費の3ヶ月分程度を確保するように心がけてください。そのうえで、どのくらいの額を返済に充てるかを決めるとよいでしょう。

3. 借り入れの返済計画を立てる

毎月どのくらいの額を返済に回せるかを把握したら、返済計画を立てましょう。このときに気をつけたいのが、無理なく返済できるスケジュールを立てることです。預貯金に回す部分とのバランスを考えながら、余裕を持って返済できる額に抑えることが大切です。借入先が複数社あるなら、適用されている金利が高い借入先から優先的に返済すると、最終的な利息負担を抑えられます。

4. 手元に大きな金額が入ったときは繰上返済・一括返済を活用する

ボーナスなど、一時的にまとまった収入があったときには、繰上返済もしくは一括返済を検討してみましょう。繰上返済とは、約定返済日以外にまとまった金額を返済することです。返済金額をすべて元本の返済に充てられるため、利息削減効果が期待できます。

一方、一括返済とは残りの借入残高をすべて返済することで、一括返済を行えば完済となります。ただし、一括返済を行う際には事前に借入先に連絡を入れる必要があります。残りの利息額を計算してもらい、最終的に返済する額を事前に確認することを忘れないようにしましょう。

繰上返済および一括返済を行う際には事前に借入先に連絡する必要があるほか、返済方法によっては手数料が発生する可能性がある点にご注意ください。

5. なるべく利息が少なくなる返済方法や「おまとめローン」を利用する

借入先が複数社ある場合は、「おまとめローン」を利用する方法もおすすめです。おまとめローンを利用することで、返済先をひとつにまとめることができ、返済管理が楽になるほか、適用される金利が今までよりも低くなる可能性があります。

2. 借入返済のための7つのコツ

借入返済をスムーズに終わらせるためにも、以下で紹介する7つのコツを意識しましょう。

1. 借り入れの状況を把握し、返済計画を立てる

現在、どの会社からいくら借り入れているのか、また適用されている金利はどのくらいかを把握し、今後返済していくにあたり、完済までにどのくらいの時間がかかるのかを知っておくことが大切です。そのうえで、どの借入先から優先的に返済するかなどについて、借入残高や適用金利などから返済計画を立てるようにしましょう。ただし、無理のないペースで行えるよう計画を立ててください。

2. 支出を減らす(家計の見直しなど)

借入返済をスムーズに終わらせるためには、家計の見直しが必須です。毎月どのくらいの収入があるのか、そしてどのくらいの支出があるのか、支出についてはその内容まで把握しておきましょう。そして、支出の内容を把握する際には、無駄な支出がないかも合わせてチェックすることが大切です。特に固定費のうち通信費については、見直すことによって削減が期待できると言われています。今までに一度も見直したことがない方は、ぜひ見直してみてください。支出を減らすことができれば、返済に回せるお金が増え、完済時期を早めること、そして利息負担を抑えることにつながります。

3. 収入を増やす(副業など)

支出の内容を見直しても、削減できるところが見つからない場合は、収入を増やすことを考えましょう。最近では副業を認める企業も増えており、本業に支障のない範囲で副業をはじめれば、収入を増やすことができるかもしれません。収入が増えれば、その分返済に回せるお金が増え、返済のスピードを早められるでしょう。ただし、副業を行うにあたっては、会社に申請が必要なケースもありますので、勤務先の規定に従うことも忘れないようにしてください。

4. 複数ある場合、優先順位を決める

借入先が複数ある場合は、どの借入先から返済していくか、優先順位を決めることがポイントです。優先順位を決めるにあたっては、借入先ごとにシミュレーションで利息削減効果を確認してから決めてください。借入先の公式サイトにシミュレーターが用意されているケースも多いので、ぜひ利用してみましょう。

参照:金融広報中央委員会 「しっかりシミュレーション

5. 月々の返済額を無理なく増やす

もし、現在返済している額を増やせる余裕があるなら、無理のない金額まで増やしてみましょう。ただ、余裕があるからといって無理に増やすのは危険です。今後想定されるライフイベントにかかる費用などを考慮し、どのくらいまで増やすかを最終的に決めるようにしましょう。

6. 返済日を把握し遅延しないようにする

返済の際には必ず返済日を把握し、それまでに口座にお金を準備しておきましょう。借入先が複数ある場合は、それぞれで返済日が異なるケースがあります。借入先ごとに、返済日と返済額を把握しておくことが大切です。1度でも入金を忘れて引き落とせなかった場合は、滞納扱いになりますし、滞納を繰り返すと、信用事故情報として信用情報機関に登録されてしまいます。そうなると登録が消えるまで、新たなローンを組めなくなる可能性が高くなります。滞納だけは絶対に避けるようにしてください。

7. 繰上返済や一括返済を積極的に活用する

まとまった収入があったときには、繰上返済や一括返済を積極的に利用しましょう。借入先が複数社ある場合は、どこから先に繰上返済もしくは一括返済を行えばいいのか、シミュレーションを行って最終的に利息削減効果が高い借入先から返済することをおすすめします。

参照:金融広報中央委員会 「しっかりシミュレーション

3. 借入返済時にやってはいけない4つのこと

借入返済中には以下のことを行うのは控えましょう。特に闇金業者からの借り入れや、クレジットカードの現金化は絶対に行わないようにしてください。

1. 他社からのお借り入れ

返済中に新たな借り入れを行うと、また返済計画を見直さなければなりません。また、借入先が増えることによって返済管理が複雑になり、うっかり口座にお金を用意するのを忘れてしまったなど滞納を発生させる原因にもなります。新たに借り入れるなら、現在の借り入れを完済してからと心に決め、それを忠実に守る姿勢も大切です。

2. 元金の減らない返済額の設定

返済額が少ない場合、返済額の大部分が利息の返済に充てられてしまい、元本がなかなか減らないといった事態を招いてしまいます。特に適用されている金利が高い借り入れ分については、返済額に占める元本の割合ができるだけ多くなるような返済額を設定しましょう。

3. 闇金業者からの借り入れ

闇金業者とは、金融庁から貸金業者としての登録を受けていない業者のことで、審査なしでの融資や違法に高い金利での融資を行うといった特徴があります。1度闇金業者からお金を借りてしまうと、大きなトラブルに巻き込まれる可能性があります。

闇金業者からの借り入れは、法外に高い金利が適用される可能性もあるため、いくら返済を続けても一向に元本が減らないといった事態も招きかねません。審査なしで融資してくれる貸金業者や、信用情報に問題があっても大丈夫だと言ってくれる業者は闇金業者の可能性があります。不用意に利用しないように注意してください。疑わしい場合は貸金業登録番号を確認しましょう。

4. クレジットカードの現金化

クレジットカードの現金化とは、クレジットカードのショッピング枠を利用して商品を購入したあとに、その商品を売却して現金を受け取ることであり、クレジットカード会社はこれを禁止しています。

もし、クレジットカードの現金化を行ったことがクレジットカード会社に知られた場合、ショッピング枠で利用した額について一括返済を求められるほか、クレジットカードの強制解約といった措置を取られる可能性があります。絶対に行わないようにしましょう。

4. おまとめローンには3つの大きなメリットがある

おまとめローンとは、複数の会社からの借り入れを一本化する商品のことです。これまでとは別の金融機関から新たに借り入れて、そのお金で複数の会社の借り入れを完済するイメージです。借り入れ先をひとつにすることで得られるメリットは3つあります。

1. 現状よりも金利負担が抑えられる場合がある

現在の借入金利よりも低い金利のおまとめローンで一本化することができれば、利息負担が減り、返済総額が軽減される可能性があります。

2. 月々の返済額を抑え、負担なく返済できる

おまとめローンでは借入先がひとつになるため、毎月の返済負担額が軽減される可能性があります。毎月の返済額を負担に感じている人にとっては大きなメリットです。

3. 返済が月に1度で済むので管理しやすい

複数の金融機関から借り入れをしていると、それぞれの返済日や返済額を管理することが負担に感じられることもあります。その点、借入先をおまとめローンで一本化すれば返済先が1カ所になるので管理する手間が減り、計画的に返済を行えるのがメリットです。

借り入れの一本化について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

5. おまとめローンのデメリットも知っておこう

おまとめローンを利用する前には、メリットだけでなくデメリットも理解しておくことが大切です。

1. 完済までの期間が延びる可能性がある

現在の借入状況によっては、おまとめローンを利用することで返済期間が長期化する可能性があります。
借り入れを一本化したからといって、借り入れの元本額が変わるわけではありません。毎月の返済額を少なく設定すると、返済する回数が増える、完済までにかかる期間は長くなります。

2. 最終的に支払う返済総額が増える

借り入れの一本化によって返済期間が長期化すると、完済までに支払う金利負担額がおまとめ前よりも増えてしまう可能性があります。毎月の返済負担が減るのでキャッシュフローは改善されますが、毎回の返済には金利も含まれています。長期化した分だけ金利を支払う機会が増え、結果的に返済総額が増えてしまう場合があるのです。

月々の負担軽減を取るか、また、総支払額を取るかは、おまとめローンを利用することでどのような支払い期間、支払額になるのかを事前にシミュレーションしてから検討する必要があるでしょう。

6. 失敗しないためのおまとめローンの選び方

ここでは、おまとめローンを選ぶ際にチェックしたいポイントを解説します。

1. 毎月の負担額を減らせるかどうか

既に借り入れしている金融機関の金利と、おまとめローンを利用した場合の金利を比較しましょう。そのうえで、毎月の負担額を減らせる可能性のある場合はおまとめローンを選びましょう。

2. 手間をかけず簡単に手続きできるかどうか

手軽に手続きできるかどうかも重要です。わざわざ店舗に行かなくても、パソコンやスマホがあればWEB上で手続きが完了できる金融機関もあります。そのようなおまとめローンを選べば、時間や手間が省けます。

ローンを組むことに不安を感じている方は、以下の記事を参考にしてください。

7.おすすめは東京スター銀行のおまとめローン

  1. ※1おまとめ後の返済状況によっては、おまとめしない場合と比較して利息の総支払額が減らない可能性があります。特に、ご利用中のローンの平均お借入金利がおまとめ後の適用金利(年率9.8%・12.5%・14.6%)以下の方は慎重にご検討のうえお申し込みください。

8. まとめ

現在の借り入れをスムーズに終わらせるためには、まず、現状がどうなっているのかを把握することが大切です。そのうえで、家計の収支を見直し、返済に回せるお金を用意しましょう。また、返済にあたっては金利の高い借入先から優先的に返済するほか、まとまった収入があった際には繰上返済や一括返済を行うことも考えてみましょう。

もし、複数の借入先に対する返済管理に悩んでいるなら、おまとめローンの利用も有効な方法です。本文で紹介したコツや注意点を意識しながら、効率的な返済をご検討ください。

CFP®認定者/一級ファイナンシャルプランニング技能士/DCプランナー/住宅ローンアドバイザー/証券外務員等の資格を保有し、コンサルタントとしての個人向け相談のほか、資産運用等上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、年間300件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

CFP®認定者/一級ファイナンシャルプランニング技能士/DCプランナー/住宅ローンアドバイザー/証券外務員等の資格を保有し、コンサルタントとしての個人向け相談のほか、資産運用等上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、年間300件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

関連記事

おすすめ情報