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リバースモーゲージは“やばい”の？仕組みを知って正しく活用しよう

＃充実人生
＃リバースモーゲージ
＃老後資金

掲載日：2023年2月28日

お金を借り入れることができる商品、サービスには多くのタイプがあります。当記事ではその中の一つである「リバースモーゲージ」について解説しますが、このリバースモーゲージについては“やばい”という論調のネット記事も散見されるため、「本当に“やばい”の？」と不安を感じている方は少なくないでしょう。

結論から述べると、リバースモーゲージは持ち家など不動産を担保にお金を借りることができる商品のことで、決して“やばい”ものでも、悪質なものでもありません。

それではなぜ“やばい”と言われることがあるのでしょうか？その理由も併せて、リバースモーゲージの基本やメリット、注意点、そして具体的に利用するにあたって知っておくべき知識をまとめました。

この記事は７分で読めます！

1. リバースモーゲージとはどんな仕組み？
2. リバースモーゲージのメリットや注意点
3. リバースモーゲージの利用条件
4. リバースモーゲージがおすすめな人
5. まとめ

1. リバースモーゲージとはどんな仕組み？

リバースモーゲージという名前を見ただけでは、何のことなのかよく分からない人もいるかもしれません。ここではリバースモーゲージの仕組みや、よく比較される住宅ローンやリースバックなどとの違いについて、基礎知識を解説します。

1-1. リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは、持ち家など自身が所有している不動産を担保にお金を借りることができるローン商品のことです。持ち家を担保にするだけで売却するわけではないので、お金を借りた後も持ち家に住み続けることができます。そしてこの「お金を借りる」という形には、いくつかのタイプがあります。代表的なのは、年金のように毎月一定額を借り入れる年金タイプ、カードローンのように限度額を設定して利用者が自分の事情に合わせてお金を借りる都度融資タイプ、そして全額を借りる一括タイプという3つのタイプです。

また、借りたお金の返済方法についても、いくつかのタイプがあります。利用者が亡くなった場合に遺族の意思で担保となっている不動産の売却代金で返済する方法、遺族が自己資金で返済する方法など、金融機関や商品の条件によってさまざまです。

また、「不動産」「お金を借りる」などの言葉から、住宅ローンやリースバックを連想する人もいるでしょう。
それでは、これらとリバースモーゲージの違いは何でしょうか？

1-2. 住宅ローンとの違い

住宅ローンは、住宅購入のために組むローンのことです。ローンを組んで不動産を買うため、手元に残るのは現金ではなく購入した住宅となります。これに対してリバースモーゲージは、既に所有している不動産を担保にお金を借りることです。そのため、手元には借り入れた現金が残ることになります。
住宅ローンは住宅の購入費用を借り入れた後で、元本と利息を毎月返済していくのが一般的です。その一方、リバースモーゲージは利用者が存命中は利息分を返済し、利用者が亡くなった時に担保となっている不動産を遺族の意思で売却して元本を返済するか、遺族が自己資金で返済するなど、返済方法にも大きな違いがあります。
なお、「リ・バース60」というリバースモーゲージ型住宅ローンもあります。これは60歳からの住宅ローンで、リバースモーゲージのような返済が可能となる商品です。

1-3. リースバックとの違い

リバースモーゲージとよく比較されるものとしてリースバックがあります。このリースバックとは、持ち家など所有している不動産を売却した上で賃貸契約を結び、家賃を支払うことで持ち家に住み続けることができる仕組みのことです。持ち家などの不動産を活用してお金を調達することと、その後も持ち家に住み続けられることで、両者は共通しています。
リバースモーゲージは担保にするだけで持ち家を手放すわけではないので、当然ながら「持ち家の所有者は変わらないまま」持ち家に住み続けることができます。
これに対してリースバックは持ち家を売却して現金化し、改めて賃貸契約を結ぶことで持ち家に住み続けることができます（ただし将来的に、家賃が値上がりする可能性はあります）。

外見上は似ている両者ですが、持ち家を持ち続けるのか売却するのかという部分が異なると押さえておけば問題ないでしょう。

2. リバースモーゲージのメリットや注意点

リバースモーゲージのメリットおよび注意点を、それぞれ整理しました。注意点についてもしっかり理解した上で利用を検討するようにしましょう。

2-1. リバースモーゲージのメリット

リバースモーゲージのメリットは、主に3つあります。

持ち家に住み続けながら資金を調達できる(売却して住むわけではないため家賃は発生しない)
担保があるので高齢でも利用でき、老後資金の調達に役立つ
利用者本人が存命中は、月々の返済が利息分のみや利息分が元本に組み入れられていくなどの商品なので無理なく返済できる

2-2. リバースモーゲージの注意点

リバースモーゲージの注意点についても確認しましょう。これらの注意点は“やばい”と言われる根拠にもなっているので、それぞれの項目に解説もつけました。注意点について理解することで、リバースモーゲージを正しく活用することができるでしょう。

融資額が思ったより少ない可能性がある: リバースモーゲージの融資額（限度額）は、担保となる不動産の将来の価格変動を考慮して決められています。限度額は担保評価に対して50～80%程度が目安になるため、不動産の流通価格から融資額を見積もっていると「思っていたよりも少ない」と感じてしまう場合があります。しかし、これは将来、担保物件を売却して返済する際に融資額よりも低い売却価格になってしまい、担保物件の売却額のみで融資の返済ができないといった事態を防ぐ、顧客保護の観点から設定されている一面もあります。

金利上昇リスク: リバースモーゲージだけではなく変動金利型のローン商品全般に言えることがですが、契約時よりも金利が上昇すると、毎月の返済額が増える可能性があります。利息を元本に組み入れる形式の場合は、最終的な支払総額が増えます。

担保評価が下がるリスク: リバースモーゲージでお金を借りた後に、担保の不動産価値が下がり担保評価も下がってしまうと担保割れとなり、その時点でお借入残高が極度額を上回った金額について返済しなければならない場合があります。

長生きリスク: 長生きは喜ばしいことですが、老後資金の観点からはリスク要因の一つでもあります。リバースモーゲージを利用している人が長生きをすると、その分生活費などの借り入れも多くなるでしょう。借入額が多くなりすぎて担保価値に到達してしまうと、それ以上お金を借りることはできません。

3. リバースモーゲージの利用条件

リバースモーゲージはローン商品なので、利用するには条件が設定されています。さまざまな金融機関のリバースモーゲージがある中で、ここでは東京スター銀行のリバースモーゲージ「充実人生」の利用条件や資金使途などについて解説します。

3-1. リバースモーゲージの利用条件

東京スター銀行「充実人生」の利用条件を一覧表にしました。(利払いあり型の場合)

項目	利用条件
契約できる年齢	契約時に55歳以上84歳以下であること ※配偶者がいる場合は配偶者が50歳以上
年収	年金など長期安定的な収入で120万円以上
居住状況	自己所有の戸建て住宅やマンションなどの不動産に単身もしくは夫婦で居住していること老人ホームに入居している場合も相談可能
担保評価額	東京スター銀行の評価により、戸建て住宅：評価額1,000万円以上マンション：評価額2,000万円以上
国籍	日本国籍外国籍であっても日本に永住権を持ち国内に居住する個人は可能