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外貨預金初心者必見!よくある失敗談とリスクヘッジの方法とは

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  • #外貨預金

掲載日:2020年2月21日

執筆者プロフィール
大西 洋平
出版社勤務などを経て独立し、フリーのジャーナリストとして活動。「ダイヤモンドZAi」をはじめとするマネー誌や、「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、「週刊朝日」などの一般雑誌やオンラインメディアにおいて、金融・経済の分野を中心に執筆活動を続けている。

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1. あなたは大丈夫?外貨預金のリスクを抑えて対処しよう

円預金ではお金がなかなか増えてくれませんが、円を外貨に換えて預ける外貨預金は、その通貨を発行する国の金利水準に則した利息を期待できます。これが外貨預金のメリットの一つで、グローバルに比較して金利水準が相対的に高い国が存在し、円預金よりも多くの利息を期待できます。

そして、外貨預金のもう一つのメリットは、選んだ通貨と円との交換レートが預入時よりも引出時に円安になっていると為替差益を期待できることです。金利とともに為替差益をねらうことができることも外貨預金の魅力だと言えます。

その一方で、外貨預金にはデメリットが存在することも確かです。上記とは逆で、選んだ通貨に対して円高が進んでいれば、為替差損が発生することになります。

また、預入時の「円→外貨」と、引出時の「外貨→円」という両替プロセスにおいてそれぞれ為替手数料を負担するので、仮に引出時の交換レートが預入時と同じであった場合は、為替手数料の分だけ資産が減ることになります。これらのデメリットがあることを理解したうえで外貨預金をすることが重要です。

2. 初心者が陥りがちな失敗ケース

では、外貨預金においてよく見られる失敗例としては、具体的にどのようなものを挙げられるのでしょうか?
特に初心者が陥りがちなパターンについて見てみましょう。

  1. 1為替相場の動きを確認せずに始めてタイミングを誤る

    外貨預金を始める際には、自分が選ぶ通貨と円との交換レートがそれまでにどういった推移を示してきたのかを確認しておくことが欠かせません。もちろん為替の動きを予想することはできませんが、それまでの推移を見ないまま始めてしまうと、思わぬ事態に陥ってしまうかもしれません。

    つまり、メリットに注目して始めたつもりが、デメリットのほうと直面しかねないということです。中長期的に為替相場は上がったり下がったりのサイクルを描いて推移しており、過去の推移を見渡しながら、自分なりに今後の動きを予想したうえで外貨預金を始めるのがよいでしょう。

  2. 2使いみちや使う時期が決まっているお金を預けてしまう

    冒頭でも触れたように、外貨預金には為替差損が生じる可能性があります。円預金よりも金利の高い通貨を選んだとしても、その利息を上回る損失を被るケースもあるでしょう。

    外貨定期預金に資金を預けて満期時にその通貨に対して円高が進んでいた場合、換金せずに継続運用するという手もありますが、もしも使いみちや使う時期が決まっているお金を預けていると、その選択を断念せざるをえないケースも出てきます。

    したがって、外貨預金は余裕資金を預けるのが鉄則だと言えるでしょう。余裕資金とは、特に使いみちや使う時期が決まっておらず、ある程度の損失が出たとしても許容できるお金のことです。

  3. 3一気に多額のお金を預け、資産全体のバランスが偏っている

    金利の魅力に惹かれて、一度にまとまったお金を外貨預金に預けてしまうというパターンも考えられます。長く余裕資金の運用先を探してきた人にとっては、無理のない行為だと言えるかもしれません。

    しかしながら、お金の運用で大切なのは資産全体の配分バランスです。円だけにとどめておくとなかなか増やせないものの、逆に外貨の比率を高くしすぎると、為替差損が発生した場合のダメージもそれだけ大きくなってしまいます。

    そういった意味でも、あくまで外貨預金は余裕資金の一部を運用に充てるのが望ましいかと思われます。

3. リスクをおさえて運用を行うために必要なこと

以上見てきた失敗例の中でも、特にありがちなのは1.に当てはまるケースで、外貨預金をスタートするタイミングを見誤るというものでしょう。為替相場の推移や、米国の利上げ、利下げ等、為替に影響しそうなニュースを把握していなかった場合はもちろん、自分の予想が外れた場合も同じような結果を辿ります。

米ドル・円相場はニュースでもその推移が頻繁に報道されていますが、それと比べて他の通貨は情報が乏しく、なかなか動向や情報がつかみづらくてスタートする時期を決めかねるというケースも考えられます。もし円高がさらに進みそうだという見通しを立てた場合は、いったいどのような対策を講じればいいのでしょうか?

南アフリカランド建て外貨定期預金のケースで考えてみましょう。南アフリカは日本よりも金利水準が高くなっています。

その一方で、2018年の終わりから翌年の夏場にかけて南アフリカランドは円高傾向が続いてきました。もしも2018年末に南アフリカランド建て外貨定期預金をスタートしていたら、1南アフリカランド=8.3円超だったレートが6.9円を割り込むまで円高が進み、その分だけ為替差損が生じている計算となります。

こうしたケースに遭遇した場合、日本円に戻さずに南アフリカランドのまま継続運用するというのが一つの手です。ただ、円高傾向が顕著だと判断したのであれば、満期が訪れるまで何もせずに放置しておくのではなく、状況を改善させる対策を講じることも可能です。

たとえば、1南アフリカランド=8.3円で最初に10万円分を預けたとしても、7.5円に円高が進んだ時点で10万円分、6.9円まで達した時点でさらに10万円分を追加投入したら、「(8.3+7.5+6.9)÷3=7.56円(小数点以下切り捨てで計算。ここでは為替手数料は考慮していません)」に平均の買付レートが下がってきます。その後、最初に預けた定期の満期が訪れる直前(2019年10月下旬)に南アフリカランド・円相場は一時7.5円程度まで円安方向に戻しました。

もちろん、これは結果的に上手くいった場合で、必ずしもそのように為替が動く保証はありません。ただ、仮にそのように手を打つことができたら、手を打たなかった場合と比べて、結果的に為替差損が生じるリスクはかなり抑えられたことになります。なお、こうした作戦を実践する際、追加投入分については最初に預けたお金と満期のタイミングを上手く合わせられるように、外貨普通預金や外貨定期1ヵ月ものを選ぶのが無難です。

このようにピンチになってから手を打つこともさることながら、最初から資金を投じるタイミングを分散することを前提とするという運用手法もあります。専門的には、その手法を「時間分散」と呼んでいます。

4. 外貨預金に限らず資産運用には一定のリスクがつきもの

外貨預金に限らず、あらゆる資産運用の手段には“一長一短”があります。金融機関に万一のことがあっても預金保険機構によって1名義につき最高1,000万円とその利息までの支払いが約束されている円預金にしても、この金利情勢ではほとんど増やせないというデメリットを抱えているのがその象徴でしょう。

それよりも効率の高い運用をめざすなら、相応のリスクと向き合うことになります。どういったリスクが関わってくるのかを事前にきちんと確認しておくことが第一歩となってくるでしょう。

そして、先述したようにリスクを軽減する方法もあるので、それらをどのように活用するのかについて、あらかじめ自分なりに考えておくことが肝要です。もしも自分だけでは判断しづらいことがあれば、利用している金融機関に相談しながら、大切な資産を適切に運用するように努めたいところです。

5. 東京スター銀行のタイプ別おすすめ外貨預金

この記事を読んで、外貨預金を始めてみようとお考えの方もいらっしゃるのではないのでしょうか。しかし、外貨預金は商品もたくさんあって、特に初心者の方はどれを選んだらいいのか迷ってしまいますよね。東京スター銀行のホームページでは、預金者のタイプ別におすすめの外貨預金紹介ページをご用意しております。自分にあった商品を見つけて、ぜひこの機会に外貨での運用を始めてみてはいかがでしょうか。

本記事について
本記事の計算結果は、簡便な方法で概算値を表示しているため、実際の取引や運用成果を保証するものではありません。
また、勧誘を意図しておらず、情報提供するものであり、参考としてお読み下さい。
外貨預金について
  • 外貨預金には為替変動リスクがあります。為替相場の変動により、お受け取りの外貨元利金を円換算すると、当初の外貨預金作成時の払い込み円貨額を下回る(円ベースで元本割れとなる)リスクがあります。
  • 外貨預金は預金保険の対象ではありません。
  • 円を外貨にする際(預入時)および外貨を円にする際(引出時)に、それぞれ為替手数料(例えば、1米ドルあたり1円)がかかります。したがって為替相場の変動がない場合でも、往復の為替手数料(例えば、1米ドルあたり2円)がかかるため、お受け取りの外貨の円換算額が当初の外貨預金作成時の払い込み円貨額を下回るリスクがあります。なお、インターネットによるお取り引きの為替手数料は上記とは異なります。詳しくは店頭またはホームページにてご確認ください。
  • 外貨現金およびトラベラーズチェックでのお預け入れおよびお引き出しはできません。
  • 円預金からのお預け入れで、500万円超の取り引きにおける換算相場は、市場相場を参考に当行が取り引きの都度決定します。
  • 詳しくは店頭またはホームページにご用意しています商品説明書(契約締結前交付書面等)をご覧ください。
スターワン外貨普通預金について
  • 変動金利です。
  • 「スターワン外貨普通預金(ポイント預金)」は、米ドル、ユーロ、オーストラリアドル、ニュージーランドドルは外貨金額で1,000通貨単位以上、南アフリカランドは外貨金額で5,000通貨単位以上の残高で自動的にポイント計算し、段階的に上がるステージに応じた金利を適用します。
  • 各通貨ごとの残高が外貨金額で1,000通貨単位(南アフリカランドは外貨金額で5,000ランド)未満の場合は「スターワン外貨普通預金」として取り扱われます。
  • 詳しくは店頭またはホームページにご用意しています商品説明書(契約締結前交付書面等)をご覧ください。
スターワン外貨定期預金について
  • 満期日の取り扱いは、自動継続方式(元利自動継続、元金自動継続)および満期受取方式のいずれかをお選びください。
    • 元利自動継続:利息を元本に加えて本商品と同一の期間のスターワン外貨定期預金を自動的に継続作成します。この時の金利は、満期日のスターワン外貨定期預金の店頭表示金利を適用します。
    • 元金自動継続:本商品と同一の元本・期間のスターワン外貨定期預金を自動的に継続作成します。この時の金利は、満期日のスターワン外貨定期預金の店頭表示金利を適用します。また、利息はスターワン口座の預入通貨と同一通貨の外貨普通預金へ入金します。
    • 満期受取:元利金をスターワン口座の預入通貨と同一通貨の外貨普通預金に入金します。この時の金利は、満期日のスターワン外貨普通預金の店頭表示金利を適用します。
  • 中途解約はできません。
  • ご利用いただける方は、スターワン口座を保有される、国内居住の個人のお客さまです。
    • 店頭・テレホンバンク:原則満18歳以上かつ満期時年齢が満90歳未満
    • インターネット:満18歳以上かつ満80歳未満
  • 本商品のご契約の最終判断は必ずお客さまご自身で行っていただきますようお願いいたします。
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外貨積立サービスについて
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  • 対象通貨は米ドル・ユーロ・豪ドルの3通貨です。
  • 積立日は、毎月6日、16日、26日のうち、ご指定いただいた日にちに積立を行います。
  • 土曜日・日曜日・祝日・積立日の午前11時が該当通貨の取引停止時間に該当する日、その他マーケット都合による休場日など当行が設定する日は積立不能日となり、翌営業日が積立日となります。
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  • 本サービスにて円を外貨にする際(預入時)の為替手数料は無料となります。ただし、本サービスにより積み立てた外貨を円にする際(引出時)には、為替手数料(例えば、1米ドルあたり1円)がかかります(お引き出しの際は、手数料分を含んだ為替相場である当行所定のTTBレート〈引出時〉を適用します)。したがって、為替相場の変動がない場合でも、為替手数料がかかるため、お受け取りの外貨の円換算額が当初の外貨預金作成時の払込円貨額を下回る(円ベースで元本割れとなる)リスクがあります。なお、インターネットによるお取り引きの為替手数料は上記とは異なります。詳しくは店頭またはホームページにてご確認ください。
  • 詳しくは店頭またはホームページにご用意している商品説明書(契約締結前交付書面等)をよくお読みいただき、商品内容を十分にご理解のうえお申し込みください。
  • 本預金ご契約の最終判断は必ずお客さまご自身で行っていただきますようお願いいたします。

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