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社会人1年目(新卒)の平均貯蓄額とは?賢く貯蓄する方法・コツなどを徹底解説!

  • #貯蓄

掲載日:2020年3月10日
最終更新日:2023年5月15日

社会人になってすぐは、まだまだ収入の少ない時期。通帳とにらめっこをしながら、お金の使いみちを考えるのも楽しいですよね。「欲しいものを買うのもいいけど、備えも必要かな?」なんて声が聞こえてきそうです。

そこで気になるのが、貯蓄の仕方。

「社会人1年目でも貯蓄したほうがいいの?」
「みんなはどれくらい貯蓄してるの?」
「どうやったらお金が貯まるの?」

などなど、疑問は尽きません。ここでは社会人1年目の『貯蓄』について考えてみましょう。

この記事は9分で読めます!

1. 新社会人である20代の貯蓄額平均は?

新社会人にあたる年代(20代)の、『収入額』と『貯蓄額』はどれくらいなのでしょうか?

総務省が実施した「2019年全国家計構造調査」によると、30歳未満男女の平均額は以下のようになっています。

男性
(平均25.7歳)
女性
(平均24.7歳)
年間収入 3,860,000円 3,283,000円
貯蓄
現在高
2,499,000円 1,976,000円

(参照:e-Stat「全国消費実態調査」

貯蓄現在高を見ると、年収の6割ほどの蓄えがありますね。また、30歳未満の貯蓄保有率は、男性75.0%、女性89.1%となっています。あくまでも平均値のデータですが、それでも男女ともに『貯蓄への意識』は高いことがわかります。

しかし、貯蓄をしたことはあっても、これまでに「貯蓄を意識してこなかった」という人も多いはずです。社会人1年目、これから上手に貯蓄をするためのヒントを探っていきましょう。

2. 社会人になった時から貯蓄をした方がいい理由って?

貯蓄というと、どのようなイメージを持たれるでしょうか。社会人になってすぐに貯蓄のことを考えるのも、なんだか心配しすぎな気がしますよね。

よく「貯蓄を始めるのは早いほうがいい」とは聞きますが、それはどうしてなのでしょうか。その理由には、『定年制』『年金』というワードが大きく関係しています。

多くの企業では『定年制』が導入されていて、会社員なら60〜65歳くらい(企業の定めによる)で定年退職を迎えることになります。定年制を廃止するところも増えてはいますが、2020年に厚生労働省がおこなった調査によると、全体のわずか3.9%ほどにとどまっています。

その一方で、『年金』の受給開始年齢は60歳から段階的に引き上げられ、2023年現在は原則65歳となっています。例えば定年が60歳だった場合、無収入の状態が5年間続くということです。

また、2023年度時点の基礎年金額は満額で795,000円。基礎額だけを受給すると、月額66,250円ほどで生活をしなければならない計算になります。厚生年金をプラスしても、この金額では不安が残りますよね。その不安を埋めるために、貯蓄が役立つのです。

実際、金融審議会による『市場ワーキング・グループ報告書』では、以下のようにまとめられています。

“夫 65 歳以上、妻 60 歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ 20〜30 年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で 1,300 万円〜2,000 万円になる。この金額はあくまで平均の不足額から導きだしたものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。当然不足しない場合もありうるが、これまでより長く生きる以上、いずれにせよ今までより多くのお金が必要となり、長く生きることに応じて資産寿命を延ばすことが必要になってくるものと考えられる。”

金融審議会「市場ワーキング・グループ報告書」P21より抜粋)
【2019年6月3日】

これは老後の生活に必要なお金を算出したもので、定年退職までに1,300〜2,000万円ほどの資産形成が必要だとした報告書です。いわゆる『老後2,000万円問題』として、ニュースなどで見聞きした人も多いかもしれません。

額としてはかなり大きいもので、これを無理なく貯めるにはそれなりの期間が必要となります。だからこそ、「貯蓄を始めるのは早いほうがいい」と言われているわけです。

3. 社会人1年目(新卒)の人が貯蓄できない理由

社会人1年目には、将来のためにしっかりと貯蓄をしようと考える人も多いでしょう。しかし、なかなか貯蓄できないのが現実かもしれません。なぜ、貯蓄がうまくできないのかは、以下が理由となりそうです。

① 明確な貯蓄の目的がない

貯蓄をする目的や強いモチベーションがないと、お金を貯めるどころか浪費してしまいがちです。ざっくりとでも買いたい物や、行きたい旅行先、一人暮らしなどの目標を考えてみると良いでしょう。

② 社会人生活が始まりさまざまなお金がかかる

社会人生活では、仕事に必要な服装や道具をはじめ、食費、交際費などがかさみます。意識して節約や貯蓄をしないと、あっという間に給料の大半を使ってしまうこともあるでしょう。

③ 一人暮らしの生活費がかかる

社会人になるタイミングで一人暮らしを始める人もいるでしょう。家賃に光熱費、食費、雑費など、一人暮らしには何かとお金がかかります。特に最近はあらゆる分野での値上げラッシュが続いているので、出費がかさみがちです。

④ ボーナスがない・少ない

社会人1年目は、査定期間が短いなどの理由から、夏のボーナスがなかったり少なかったりするケースがあります。そのような場合、貯蓄に回せるお金は少なくなるでしょう。

⑤ お金を使い過ぎてしまう

社会人になると交友関係が広がったり、趣味の範囲が広がったりと、お金を使う場面が増えます。人生を豊かに彩る重要な要素ではありますが、その費用がかかり過ぎてしまう場合も多いです。

⑥ 奨学金の返済が始まる

奨学金を借りていた場合、その返済は社会人1年目の秋頃から始まります。毎月の返済に追われることで、貯蓄する余裕がなくなってしまう人もいるでしょう。

4. 社会人1年目(新卒)の貯蓄額の目安は?

社会人1年目から貯蓄する場合、毎月どれくらい貯めるのが良いでしょうか?

一般的には手取り額の1割〜3割を貯蓄することが推奨されています。とはいえ、一人暮らしをしているかどうかや、給料の多寡、その時々の出来事によって、毎月の給料から貯蓄に回せる割合は変わるでしょう。

最初から高い目標を掲げると息切れしてしまう可能性があるので、最低でも1割は貯蓄するといった意識にすると長く継続できそうです。

5. 社会人1年目(新卒)から賢く貯蓄する方法・コツ

貯蓄を継続的に行うのは、計画や強い意思を持たなければ難しいものです。ここでは、賢く貯蓄を続けるための6つの方法についてまとめます。

① 貯蓄の目標・目的を決める

何事も目的がなければ、どんなルートをどう進めば良いか迷ってしまいます。

貯蓄の場合、いつまでにどれくらいの金額を貯めるかといった目標を設定すると良いでしょう。それが貯蓄を継続する強いモチベーションや、ゴールを見失わない羅針盤となります。貯蓄する目的を定め、それに向けた計画を立てる際のポイントは、厳密な計画にしすぎないことです。社会人生活では思わぬ出費が必要になることも多いので、余裕を持った計画にしておいた方が挫折せずに済みます。

また、すぐに達成できる短期でも、計画がずれてしまいがちな長期でもなく、中期的な計画にすることで、目標を達成しやすくなるでしょう。

② 毎月の収支を把握

貯めることばかりを考えがちですが、出ていくお金をしっかりと管理することも重要です。今の生活のどこにどれだけのお金を使っているのか把握し、無駄の削減ができる部分を探してみましょう。

毎月の支出は、家計簿をつけることで見える化できます。食費、家賃、光熱費・水道、家具・家事用品、被服および履き物、保健医療、交通・通信、教育、教養娯楽、その他などに分類して、月ごとのデータを集めてみましょう。

毎日家計簿をつけ、毎月の支出を見える化することで、節約や貯蓄の意識が強まる効果もあります。

③ 貯蓄用の口座を作る

貯蓄や家計管理をしっかり行いたい場合、銀行口座を複数持つことが有効です。日々の生活で用いる「メインバンク」と、貯蓄などで用いる「サブバンク」を持つ考え方です。

生活費と切り離したお金の管理をサブバンクで行うことで、貯まっていくお金の管理が容易になったり、貯蓄を特別な行為として意識したりすることができます。これは普段使いの口座では意識できないことです。

サブバンクには、利便性の高いネット銀行を利用すると良いでしょう。ネット銀行は、一般の銀行よりも定期預金などの金利が高い傾向があり、スマートフォンやパソコンで手軽に残高照会などの操作もできるため、貯蓄用口座として便利です。

④ クレジットカードを賢く活用する

クレジットカードは、ポイントが還元されるタイプに人気が集まっています。

家賃や光熱費、通信費など、毎月必ず支払うものは総額が大きくなるので、クレジットカード利用によりポイント還元を得ると良いでしょう。利用明細が残るため、支出を管理しやすいという面もあります。また、家計簿アプリと連携可能なクレジットカードもあり、家計管理に役立ちます。

最近では「経済圏」と呼ばれ、消費や金融サービス等を特定の会社のサービスで連携、完結させ、有利にポイントを貯めるスタイルが流行しています。

自分の生活が、どの経済圏に合っているかを調べてみると良いでしょう。

⑤ 固定費を見直す

貯蓄を考えた場合、まずは固定費の節約から手をつける人も多いでしょう。毎月支払う固定費が減れば、その分お金の余裕が生まれます。携帯電話の通信費やサブスクリプションサービス、光熱費などの固定費は、プランを変えるなどで削減することができるかもしれません。

携帯電話料金に関しては、近年大幅に値下げされましたが、まだ節約できる可能性はあります。今よりも安くなるプランがあったり、格安SIM(スマホ)という選択肢もあります。

また、使う頻度の少ないサブスクリプションサービスは休止することも考えましょう。

⑥ 無駄な支出を減らす

日常生活では、節約を意識していないと無駄な支出をしてしまうものです。楽をしたい気持ちや、欲望のままに浪費するのではなく、我慢する意識を持ったり節約を意識した行動をとったりすることで、お金が手元に残りやすくなります。

例えば、銀行ATMの手数料が挙げられます。緊急ではないにもかかわらず、手数料がかかるコンビニATMを利用したことがある人も多いでしょう。1回の手数料は110円や220円と少額であっても、それが積み重なると千円、二千円となっていきます。

また、日常的な買い物でも、安い店があることを知っていながら、高い方で買い物してしまうこともあるでしょう。そうした小さなことの積み重ねが、大きな浪費になってしまうのです。

6. 社会人1年目(新卒)の貯蓄は“東京スター銀行”にお任せください

東京スター銀行は、インターネットバンキングのサービスが充実しているうえに、上限回数はありますがATM手数料や他行宛振込手数料が実質無料で、また預金金利がお得になるサービスも提供しています。ATM手数料は月8回まで実質無料で、これはコンビニATMなども対象です。

また、東京スターダイレクト(インターネットバンキング)での他行宛て振込手数料は、月5回まで実質無料です。これらは利用月の翌月にキャッシュバックされます。社会人になると、ATMでの引き出しや、他行宛ての振り込みを月に何度も行うことがあります。

そう考えると、手数料無料の回数が多いことは多大なメリットとなります。一方、給与振込を東京スター銀行の口座に指定した場合、スターワン円普通預金が通常の250倍の金利となります(スターワン円普通預金金利)。

先ほど、小さな無駄遣いの積み重ねが大きくなってしまうと述べましたが、社会人1年目というスタート地点で無駄遣いに対する意識を強く持てるかどうかが、5年後、10年後の貯蓄の差となるでしょう。

東京スター銀行の口座開設に関する詳細はこちら
口座開設

7. まとめ

社会人1年目は、ちょっとした意識の持ちようで、その後の人生に大きな差が生じるタイミングでもあります。中長期的な貯蓄の目標を立て、無駄遣いをしない意識を強めることで、5年後、10年後にはお金が貯まっていることでしょう。

逆に、それらができなければ、ほとんどお金が貯まっていない未来になってしまうかもしれません。この記事をきっかけに、貯蓄の目標と計画を立てることから始めてみてはいかがでしょうか。

以上

【ライター情報】
蛯沢 路彦

早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務などを経て独立後、月刊誌「FX攻略.com」の編集長、その版元の株式会社Wa plus代表取締役を務める。退任後、マネー誌やウェブメディアにおいて、金融・経済の分野を中心に執筆活動を続ける。2020年11月、株式会社イノベクションを創業。

早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務などを経て独立後、月刊誌「FX攻略.com」の編集長、その版元の株式会社Wa plus代表取締役を務める。退任後、マネー誌やウェブメディアにおいて、金融・経済の分野を中心に執筆活動を続ける。2020年11月、株式会社イノベクションを創業。

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