ダイバーシティ TALK

外国籍行員

現在の仕事について

A:現在は経営管理部で働いています。経営管理部の役割には、取締役会秘書室(取締役への報告・事務局業務)、統合管理(財務・コンプライアンス・法務・総務・人事といった管理部門の支援・管理)、組織運営(執行役会や規則・アームズレングスルール等のガバナンス)の3つの大きな柱があり、今年8月から経営管理部統合管理の次長代行を務めています。

J:私は法人金融部門の不動産ファイナンス部でノンリコースローンを担当しています。対象はSPC等のプロジェクトが中心です。顧客は日本の資産管理会社やファンドがメインですが、そのエクイティ資金を提供するスポンサーがいて、その多くがシンガポール・香港・欧米等の外国籍投資家です。スポンサーは金融市場や不動産には詳しいですが日本特有の法令や不動産証券化などの専門知識は保有してないため、条件交渉や契約の段階でのわかりにくい点等については、銀行側からの説明が必要です。私は交渉が難航した際、内容を英語や中国語で通訳し、サポートしています。今年からは主担当として、案件を自分が一からデザインすることになりました。案件のクロージングまでを責任をもって行っています。また、今までの経験をもとに、今年からは若手の指導・教育なども担当しています。

日常業務のコミュニケーションは何語を使っていますか?

A:親会社である台湾のCTBC Bankとのやり取りおよび行内における意思疎通が業務の中心であるため、日本語と中国語がベースとなり、必要なら英語も使います。業務上、通訳を務めることもあり、状況に合わせて言語を切り替えています。

J:割合としては、日本語4割・英語4割・中国語2割です。顧客とは英語、行内は日本語、時々中国語です。担当する案件に関わる方は外国籍の方が多いので、顧客とのメールや会議は英語です。顧客の中でも香港・シンガポール籍の方がいる場合、電話や対面の場合は中国語、メールは英語(特に、上司に状況把握してもらうために)など、使い分けています。

来日までの経緯について

A:2013年下半期の頃、台湾のCTBC Bankで日本語が堪能な人材の募集プログラムが出ました。各部門で必要なファンクションの募集があり面接が行われた結果、当時合計10名が採用されました。日本を担当する事業部が設立されたのです。今も当行内に同期がいます。その事業部はさまざまなビジネス経験を持つメンバーから構成されていました。例えば、ITに強い方、個人金融や法人金融の経験者、経営企画・法務に強い方、財務に詳しい方など。出版社出身の方もいました。2014年にCTBC Bankが東京スター銀行の株主になったのですが、私たちはCTBC Bankと東京スター銀行を繋ぐ窓口として重要な責任を担うことになりました。

J:2015年に私はIT担当執行役のアシスタントとして来日しました。

A:各部門それぞれ募集した結果、私は、管理部門を統括する執行役とともに2018年に来日しました。

TSBで働いている感想

J:私はITのバックグラウンドを持っているため、来日後、IT部門において親会社との窓口を担当し、また、勘定系システム更改のプロジェクト等に参画しました。その後は、市場リスクのALMシステム開発プロジェクトにも携わりました。2019年に法人金融部門に異動し、現在約2年半経ちました。バック(IT)・ミドル(市場リスク)・フロント(法人金融)の全部を経験したのですが、この経験をしている行員はあまり多くないと思います。全体を通して言えるのは、東京スター銀行は、発想が自由で、縛りがあまりないということです。チャンスがあればチャレンジしようという組織文化、やりたいことができる雰囲気があります。

A:Jさんは営業サイドに在籍しているので、そのように感じることが多いと思いますし、凄く大切なことであり当行の強みだと思います。一方、私はコンプライアンス、総務および人事等ミドルバックを統括する部署に所属していることもあり、一歩引いた立場から物事を分析することを求められます。自由な組織風土を尊重しつつ、全体のバランスを整えることでビジネスをサポートしていくことが、ミドルバックの役目だと理解しています。

仕事をする上で大切にしていること

J:会社から与えられたミッションを全うするということですが、東京スター銀行と親会社である CTBC Bankの役に立つことです。日本と台湾という文化の違いを理解しているのは経験者である私たちなので、「自分しかできないことをやろう」という気概を常に持って仕事をしています。

A:私は性格からくる所もあると思いますが、如何に仕事の効率性を上げるかを意識しています。文化の違いからか、親会社は比較的せっかちなところがあり、それ故、当行に対し様々なタスクを一度にリクエストしてきます。「そこまでする必要が本当にあるのか?」と思うのは私だけではないと思いますし、それによって親会社との窓口を担当されている行員の皆さんがストレスを感じてしまうこともあるはずです。私の役目は如何にそれを取り除き、効率よく行員の皆さんに仕事していただくことです。これは双方の考えや文化を理解している私だからこそ出来る責務だと感じています。
言語の関係上、コミュニケーションの際どうしても双方にて誤解が生じる事があります。お互いの言い分を言葉通り通訳、翻訳するだけでなく、そこにある真意をいち早く汲み取り、ニュアンスを含めて説明し、会議後のフォローをきっちり行うことを心掛けています。

J:私の業務は顧客や審査部門とやりとりする業務が多いですが、仕事のうちの8割は会社から与えられるもので対応できると思います。例えば、マニュアルを参照すれば業務の8割は遂行できます。でも、残りの2割こそが重要で、自分の力が発揮できるところだと考えています。そこが差別化できる部分になります。自分の力とは、例えば、語学力だったり、専門知識だったり、対応スピードだったり。自分だからこその力を最大限に発揮できるように心がけています。

今後の目標について

A:親会社間だけでなく、行内でもストレスフリーなコミュニケーションを目指したいです。言葉の垣根を越えて、一緒に働く皆さんを支えていければと思います。

J:私は、外国籍の顧客を開拓していきたいです。英語・中国語・日本語が堪能であることは自分の武器ですから、自分にしかできないことをやっていきたいのです。3つの言語を活用し、グローバルで戦っていきたいと考えています。

  • 所属・業務等はインタビュー実施日現在のもの