ダイバーシティ TALK

女性管理職のキャリア

現在の業務について

2016年7月から支店長を務めています。本部の経営方針・戦略のもとでの支店運営・経営と、メンバーが働きやすい環境作りをすることが私の任務かと思います。支店長任命時、「とにかく部下の意見に耳を傾ける。支店メンバーの人材育成が重要だよ。」との言葉をもらいました。それを肝に銘じて着任し、今もその言葉を意識しながら業務を執り行っています。

子供を育てながらのキャリア

キャリアはずっと金融業界です。証券会社からスタートし、生命保険会社と損害保険会社を経て、全ての金融商品を扱うことができる銀行業を自身の集大成として選択しました。子供が2人居り、現在は共に大学生ですが、小さな時期は仕事と両立するのが大変でした。残業しづらいため、就業時間内は業務に集中するように心掛け、とにかく取り掛かる前の段取り等を工夫しました。また、子供の急病等に対応できるよう、病児保育・親族・私営の施設等、預けられるところを複数確保する等、常に準備をしていました。

営業職は時間調整をすることが難しいと思われがちですが、私は、実は比較的自身で時間をコントロールしやすい仕事だと考えています。お客さまとしっかりリレーションが築けていれば、急な予定変更でも(ないことが望ましいのですが)、お客さまとご相談して時間を調整することが可能ではないかと思うのです。当時は、お客さま、会社、家族、本当に皆さんへ感謝しながらの子育てでした。とはいえ、どんなに調整をしても周囲に迷惑を掛けてしまう事はあります。常に「ありがとうございます」と感謝の気持ちを周囲に伝えながら、謙虚に、仕事はしっかりと、効率的に進めることをいつも心掛けていました。子供や家族の急病に対し、時間のコントロールが困難な業務もあるかと思います。そんな時は、その方の周囲の皆さんに、自身の将来の為に、大事な「日本の将来の担い手」を一緒に育てるつもりで、どうか理解・協力をしてあげて欲しいと思いますね。

ファイナンシャルアドバイザー、営業課長を経て、副支店長へ

私が、支店でお客さまからのご相談に対応するファイナンシャルアドバイザー(以下FA)を担当していた当時、お客さまと接する時に常に意識していたのは、ファーストコンタクトで、なるべく早くお客さまの緊張をほぐすことでした。お互い初見であり、お客さまも私も緊張しています。日常生活の雑談の中から共感を得たり、貴重な経験をお話しいただいたり・・・お客さまからいろいろなお話を伺いたいとセッションに臨んでいました。現在、当行では「身近で信頼できる相談相手(Trusted Advisor)」のアドバイザリープロセスが可視化されており展開しやすくなっていますが、お客さまと打ち解けることができれば、必要な質問や、問題提起もしやすくなります。お客さまが再来店を楽しみに、気持ちよく笑顔でお帰りいただけるよう毎回工夫していました。

FAから営業課長へ昇格したのは2011年。“管理職とは何か”と悩みました。それまでの上司のマネジメントを踏襲し、本を読んで研究しました。当時の支店長に「仕事が人を育てる、まずは実践。」と背中をおされ、何とかやってみようと思えたものです。女性の営業課長を部下に持つという環境がなかなか無い時代に、多様な人材の活躍を理解し、期待し、応援してくれた上司の存在は大変ありがたくて、何とか良いパフォーマンスを残したいと頑張りました。

営業課長は、支店長補佐と支店の営業数字管理、課のメンバーの管理・育成が主な業務です。チームメンバーの強みや弱みを理解・共有し、組み合わせることにより、チームで目標を達成するためのプロセスをサポートします。部下の育成も初めてでしたので、個性ある部下が、それぞれ成長してゆく姿を見るのも本当に楽しかったです。

副支店長は、求められる役割が支店毎に若干異なります。営業課長時代と大きく変わったのは、「落ちついて考える」時間が取れるようになった事です。支店長を、次のステップアップのロールモデルとして意識し、様々なシチュエーションでの行動や発言を学んでいきました。支店長によって部下の育成方針や支店運営方針も異なります。「支店長とは?」をじっくり考え、本部の経営方針に基づいた支店運営について、また組織を俯瞰して客観視することも鍛えられた貴重な時期でした。

副支店長となる前の半年間、本部各部署をローテーションする研修も有意義でした。本部が支店とどのように関わりを持ち、いかに真摯に情熱を持って、支店メンバーをバックアップしたいと考えているのかを垣間見ることができ、理解が深まりました。このような経験や培ってきた人間関係が、私の現在の支店運営の糧となり大変役立っています。

自分が考える支店長像・リーダーシップとは

組織にはそれぞれの役割分担があって、任務や業務を遂行するのだと思います。「支店長」はリーダーではあるのですが、組織の役割のひとつです。支店組織での支店長の仕事は「収益を上げる」「メンバーの育成」だと考えています。この二つについて、どうしたらより良い成果を上げられるのか、が私のミッションです。支店メンバーの働きやすい環境を整え、メンバーの意見を聞きながらフォローしあい、チーム一丸となり目標達成に向かって一緒に成長していきたいですね。

尊敬する支店長は沢山います。が、私は強いリーダーシップを発揮しメンバーを引っ張っていく事はできないと感じ、自身がどういったリーダーになればよいのかと迷いました。何か自分にフィットするリーダー像は無いだろうかと思っていたときに出会ったのが、宇宙飛行士の若田幸一氏の著書でした。

若田氏は、日本人初の国際宇宙ステーションの船長です。宇宙という死と隣り合わせの環境で、国も人種も相違する様々なメンバーをまとめミッションを達成するにあたり、リーダーは“follower”であるとし、気配りの重要性を語っています。彼は誰に対しても「透明性の高いリーダー」を目指し、集団でよい仕事をするには「役割分担」が大切であるといいます。チームでの役割を1人ひとりに伝え、納得させ、任せる。仕事は任せるが、その仕事について“Trust but verify(信じる、しかしそれで正しいのか確認をする)”。現在私の置かれている環境は、「死と隣り合わせ」というほどの恐怖はありませんが、プロとして仕事に向かう厳しさやご本人のリーダーとしての立ち居振る舞いに大変感銘を受け、組織の“follower”としての役割を果たすべく、是非に若田氏をお手本としたいと思いました。

メッセージ

私は支店メンバー、本部メンバー、家族と、大勢の方に助けられながらここまでやってきました。今も感謝の毎日で、支店メンバーと相談し、支えてもらいながら支店を運営しています。

ライフステージや、その他困難なことや悩みがあっても、東京スター銀行では、それらを相談できる体制が整備されています。諦めずに、より良い働き方や解決法を見つけ出し、そして働いていて良かったと思える会社に皆でしていきましょう。

  • 所属・業務等はインタビュー実施日現在のもの