ダイバーシティ TALK

男性の育児休業

現在の仕事について

2011年に東京スター銀行に入行し、現在、法人金融部門の営業第1部事業法人に在籍しています。2018年に当時在籍していた同部門の投資銀行部コーポレート&アクイジションファイナンスで育児休業取得を決め、組織体制の変更で現在の部署へ異動後、約5ヵ月間取得しました。

育児休業を取得するまでの流れ

私の場合は少し特殊かもしれません。出産予定日が2019年2月だったので、2018年の9月頃に当時の上司に伝え、その時に了承してもらいました。上司は海外経験も長く、とても寛容で家族を大事にする方でした。海外では男性が育児を積極的に行うことが一般的であり、「奥さまのケアをしてあげてください」と言ってくれました。

その後、組織体制の変更があり投資銀行部から数名異動がありました。私も年末に現在所属している営業第1部事業法人に異動することが決まりました。育児休業を取得したい旨は、前上司から引き継いでいただき、年明けに新しい上司に伝えました。急な異動と、異動直後の育児休業取得で現在の上司と部署にはご迷惑をお掛けしたと感じています。育児休業取得まで期間があまり無かったので、異動後約1ヵ月は担当を持たずにメンバーのサポートをしていました。

2月に長男が生まれ、2月8日〜7月16日まで予定通り約5ヵ月間育児休業を取得しました。

長期取得のきっかけ

まず、妻の両親が介護をしており、サポートしてもらうのが難しい状況だったことが大きな理由です。また、ダイバーシティへの取り組みや、男性の育児休業には以前から関心があり、子どもが生まれたら取得してみたいという気持ちがありました。これまでの日本の社会では、父親が24時間子どもと一緒にいられる機会は少なかったけれど、男性の育児休業が注目されるなど、その流れが変わってきていますよね。生まれて半年ぐらいはじっくり自分の目で見たいという思いがありました。

また、投資銀行部の男性社員が育児休業を取られていて、生まれる前の奥様のケアや育児休業の話を聞いていたのも、取得するきっかけになりました。上司もそのご経験があったので、相談しやすかったです。

業務面での不安について

取得を断られるという不安より、5ヵ月間休む中で、業務を忘れてしまわないか?すぐにキャッチアップできるか?という不安はありました。

育児休業中の生活や、感じたこと

育児休業取得が決まった時、妻はすごく喜んでくれました。5ヵ月取得して、ワンオペで育児をするのは本当に大変だと感じました。赤ちゃんって3時間おきに起きるんですよ。1日を通して、妻1人で家事と育児をするのは大変なことです。私が自宅にいることで、彼女の産後の心と体のケアができたことは、彼女にとって心強かったのではと思っています。

育児休業中、育児も家事もほぼやりました。掃除洗濯料理、元々好きですし。夜泣きした時、ミルクも飲ませました。役割分担だからやったと言うよりは、自然とやりました。それまで全て奥さん任せだったことが、今は自発的に動くようになりましたし、自分が率先して奥さんを動かす時もあったくらいです。

そのお陰か、子供が「ママ」より先に「パパ」と言ってくれたので、すごく嬉しかったです。ずっと「パパ、パパ、パパ・・・」と言い聞かせてもいたのですが(笑)。パパっ子ですよ、男の子、すごく可愛いです。

復職後の業務の様子

休業直前に異動したので、復職したら完全にリスタート、という感じでした。営業第1部の私がいるチームが丁度減員したタイミングだったので、復職したばかりの私の業務ウェイトが高くなりました。もちろん残業も多く、とても忙しかったです。復帰直後から、トップギアでやっている感じでした。復帰した日に、既にスケジューラーに顧客アポが4件入っていて、座る暇もありませんでした(笑)。最初の1週間は本当に忙しく、妻も驚いていましたが、5ヵ月育児休業を取得させてもらったので、その分、今まで以上に会社に貢献しようという気持ちが強かったですね。

育児休業取得後の気持ちや、働き方の変化

個人的には、ワークライフバランスを徹底しようと思うようになりました。残業は極力せず早めに帰り、家族との時間を大切にしようと思っています。その為に、業務の時間配分については常に心掛けています。残業しない日は、朝早く出社するなどの工夫をするようにしています。仕事への情熱は変わらずに、やり方を変えている感じです。

自分もチームメンバーも働きやすい職場環境づくり

職場で子どもの話はあまりしません。そうやって周りの皆さんに理解をしてもらうのを待つのではなく、業務改善をして自分がワークライフバランスをとりやすい職場環境になるように動いています。例えば、適材適所の人員配置や業務改善提案をしたり…。組織の状況を良くして、チームも自分も動きやすい環境となるように考えています。

今まではそういう提案は積極的にしませんでしたが、マインドが変わったと思います。男性も子どもを持つと強くなると思うんですよね。

生まれたばかりの子どもって、本当に1人では何もできないんです。自分が守らなきゃと思いますよね。先日も、ベビーカーに子どもを乗せて電車に乗った時に、車椅子・ベビーカーゾーンにも関わらず邪魔だから畳む様に声を掛けられたんですが、きちんと理由を説明して相手と話をしました。子どもが生まれる前の私だったらそんな行動はしていなかったですね。子どもがいたから、毅然とした対応が出来たと思います。

男性の育児休業について、会社への期待と自身の考え

今、全国的にも男性の育児休業取得が話題になっていて、義務化する動きもありますよね。あのような感じの取得促進に向けた発信を会社からしてもらえると、育児休業を検討している男性も心強いのではないでしょうか。あとは、男性自身が、子育てを「手伝う」という意識ではなく、自分が子育てするのが当たり前、率先して育児をしていく、という心構えが必要だと思います。大事なのは会社からの発信と、自分達の意識ですかね。

例えば、「1週間絶対取得する」、という促進の仕方をしても良いのでは?と個人的には思います。連続休暇のように、取得することが当たり前になればいいなと思います。

男性が育児休業を取得したり、子育てを積極的にすると、限られた時間の中で質の良い業務をしなければならなくなります。長時間労働の是正やパフォーマンスを上げる事に繋がっていくと思います。

  • 所属・業務等はインタビュー実施日現在のもの