キャッシングを一括返済する方法は?手順と注意点をFPが解説
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最終更新日:2026年8月10日

クレジットカードのキャッシングを利用していて「早く返したい」「利息を減らしたい」と思ったとき、まず検討すべきなのが一括返済です。
一括返済は利息の負担を最小限に抑えられる有効な方法ですが、手順を間違えると思わぬ手数料が発生したり、返済額の計算がずれたりすることもあります。本記事では、クレジットカードに付帯するキャッシング(キャッシング枠)の一括返済を中心に、その仕組みや具体的な手順、注意点を、リボ払いとの比較を交えてFPがわかりやすく解説します。
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1. キャッシングとは
キャッシングとは、クレジットカードに設定されているキャッシング枠を利用してお金を借りる方法です。キャッシング枠が設定されているクレジットカードであれば、新たに審査を受ける必要がなく、キャッシング枠で設定されている金額内でお金を借りることができます。
なお、クレジットカードにはキャッシング枠が付帯しているタイプと付帯していないタイプがあります。一度自分の持っているクレジットカードにキャッシング枠が付帯しているかどうかを確認してみましょう。キャッシング枠が付帯していない場合は、クレジットカード会社に申し込むことでキャッシング枠の設定が可能です。ただし、この場合は再度審査を受ける必要があります。
1.1 キャッシング枠の仕組み
クレジットカードには総利用可能枠が設定されており、その範囲内でショッピング枠やキャッシング枠が管理されるのが一般的です。キャッシング枠を利用すると、その分ショッピング枠が減ってしまう点に注意しなければなりません。また、逆にショッピングの利用が多いと、いざキャッシングを利用しようとしても希望する額まで借りられない可能性もあります。
1.2 キャッシングとカードローンの違い
キャッシングとカードローンは、お金を借りられるという点では同じですが、契約の形が異なります。キャッシングはクレジットカードに付帯する機能で、カード発行時の審査でキャッシング枠が設定されていれば、追加の契約をせずに利用できます。一方、カードローンは銀行や消費者金融などと個別に契約する、借入専用のサービスです。
一般的に、金利はカードローンのほうがキャッシングよりも低めに設定される傾向があり、返済方法も、カードローンは毎月一定額を支払うリボルビング方式など、長期の返済が中心です。どちらが向いているかは借入額や返済期間によって変わるため、目的に合わせて選ぶことが大切です。
2. キャッシングの返済方法の種類と返済総額の違い
キャッシングの返済方法を理解するうえで、まず押さえておきたいのが「約定返済」と「繰上返済」の違いです。
約定返済と繰上返済の違い
| 比較項目 | 約定返済 | 繰上返済 |
|---|---|---|
| 内容 | 契約で決まった毎月の返済(リボ・分割など) | 元本を前倒しで返す(一部・全額) |
| 完済までの期間 | 長期化しやすい | 短縮できる |
| 毎月の負担 | 一定で軽め | まとまった資金が必要 |
| 向いている人 | 毎月の支出を一定にしたい人 | 余裕資金で利息を抑えたい人 |
約定返済とは、契約で決められた毎月の返済のことで、リボ払いや分割払いもこれに含まれます。毎月の負担を一定にできて管理しやすい反面、返済が長期化すると利息がかさみやすいのが特徴です。
繰上返済とは、約定返済に加えて元本を前倒しで返す方法のことです。一括返済のうち、リボ払いなどの残高を途中でまとめて完済する方法は、この繰上返済(全額繰上返済)にあたります。まとまった資金は必要になりますが、元本を早く減らせるため利息を抑えられます。最後まで約定返済だけで返すのか繰上返済で短縮させるのかによって、返済総額は大きく変わります。
2.1 一括返済
一括返済とは、キャッシングで借り入れた額を翌月に一括で返済する方法です。一括で返済することにより利息の負担を抑えられるほか、翌月で完済できるためキャッシングの利用枠が復活するのが早いというメリットがあります。
一括返済には、利用後の次回支払日に全額返す方法と、リボ払いなどで残っている利用残高を途中でまとめて返す方法があります。いずれの場合も、利息は利用日から返済日までの日数分で計算されます。そのため、数ある返済方法のなかでも利息を抑えやすく、返済の管理もシンプルです。
ただし、キャッシング利用額が高額である場合、一括返済することで一時的に手持ち資金が減る点がデメリットです。一括返済を行う場合は、家計に負担がないことを確認したうえで進めるようにしましょう。
2.2 分割払い
分割払いは、支払い回数をあらかじめ決めて返済する方法です。3回・6回・12回など、選べる回数はカード会社によって異なります。一括返済に比べると利息はかさみますが、毎月の返済額を一定に分散できるため、まとまった資金を用意しにくい場合に向いています。
2.3 リボルビング払い
リボルビング払いとは、あらかじめ決まった額を毎月支払う方法です。一括払いと異なり、毎月の返済額が抑えられるというメリットがあります。一方、たびたび利用していると返済期間が延び、利息負担が大きくなる点がデメリットです。
また、リボルビング払いには、「元利定額方式(元利均等返済)」「元金定額方式(元金均等返済)」「残高スライド方式」の3つがあります。それぞれの支払いの仕組みについて理解しておきましょう。
2.3.1 元利定額方式(元利均等返済)
元利定額方式(元利均等返済)とは、毎月の返済額が一定で、その中で利息分と元金分の割合が異なる仕組みです。返済が進むにつれ、利息分の割合が減り、元金部分の割合が増える点が特徴です。毎月の返済額が変わらないため、返済の管理がしやすいメリットがあります。
一方で、返済当初は利息分の占める割合が大きいため、元金がなかなか減っていないと感じやすい点には注意が必要です。多くのカードローンやリボ払いで採用されている方式であり、毎月の家計管理をシンプルにしたい方に向いています。
2.3.2 元金定額方式(元金均等返済)
元金定額方式(元金均等返済)とは、毎月返済する元金の額を一定にし、それに応じた利息を上乗せして支払う方法です。当初の返済額は大きくなりますが、時間が経つにつれ毎月の返済額は徐々に少なくなります。元利定額方式と比べると、最終的な利息負担を抑える効果があります。
ただし、返済初期の負担が大きくなるため、無理のない返済計画をあらかじめ立てておくことが大切です。キャッシングよりも住宅ローンなど、長期にわたる借入れで採用されることが多い方式です。
2.3.3 残高スライド方式
残高スライド方式とは、キャッシングの残高によって毎月の返済額が異なる支払い方法です。リボ払いで多く採用されている方式ですが、返済額の設定次第では利息の負担が増えやすい点にも注意が必要です。
残高による毎月の返済額はクレジットカード会社によって異なり、残高が100,000円以下であれば毎月10,000円、残高が100,000円超200,000円以下であれば15,000円などと決まっています。残高スライド方式を利用する場合、毎月の返済額が少ないため、元金の返済がなかなか進まないといったデメリットがあります。毎月どのくらいの借入残高があるのか、きちんと把握しておくようにしましょう。
2.4 返済方法による返済総額の違い
一括返済とリボ払いの返済総額の比較

キャッシングの返済額は、一括返済とリボルビング払いどちらを選ぶかによって異なります。ここでは、一括返済とリボルビング払いの利息の計算方法と、返済額の違いについて解説します。なお、以下の金額や金利は金融庁の提供するシミュレータをもとに仮で設定したものです。詳しくは利用している金融機関に確認するようにしましょう。
一括返済の利息は、次の計算式で求められます。
一括返済の利息の計算式
- 借入金額×適用金利÷365×借入日数
例えば、利用残高150,000円を年率18%で借り、20日後に一括返済する場合の利息は、150,000×18%÷365×20=1,479円(1円未満切り捨て)です。支払額は元本150,000円に利息1,479円を加えた151,479円となります。
リボ払いは一括返済のようなひとつの式で簡単に算出することはできません。毎月「残高に対する利息」を計算して元本を減らす方式を残高がゼロになるまで繰り返すからです。
リボ払いの計算式
- その月の利息=残高×年率÷12(1円未満切り捨て)
- その月の元本充当分=毎月の返済額10,000円-利息
- 翌月の残高=残高-元本充当分
これを残高が0になるまで繰り返します。
150,000円を毎月10,000円でリボ払いする場合の残高の推移例
| 回 | 返済額 | 返済額に占める利息 | 返済額に占める元本 | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 1回目 | 10,000円 | 2,250円 | 7,750円 | 142,250円 |
| 2回目 | 10,000円 | 2,133円 | 7,867円 | 134,383円 |
| … | … | … | … | … |
| 17回目 | 10,000円 | 165円 | 9,835円 | 1,178円 |
| 18回目 | 1,195円 | 17円 | 1,178円 | 0円 |
| 合計 | 171,195円 | 21,195円 | 150,000円 | - |
同じ利用残高150,000円を、年率18%・毎月10,000円ずつリボ払いで返済すると、返済総額は171,195円、利息は21,195円になります。これは一括返済の利息の約14倍にあたります。
このように、同じ借入額でも返済方法によって利息の負担は大きく変わります。借入額が大きく、返済期間が長くなるほど、その差はさらに広がります。利息を抑えたいなら、無理のない範囲で一括返済を検討するのがおすすめです。
3. キャッシングを一括返済するメリット
ここからは、キャッシングを一括返済することで得られるメリットを具体的に見ていきましょう。一括返済には、利息の節約だけでなく、利用枠の早期回復や返済管理の負担軽減、延滞なく完済した実績が信用情報に残る点など、複数のメリットがあります。
3.1 利息の負担を最小限に抑えられる
翌月の支払日に一括で返済すると、利息の負担が抑えられます。特にキャッシングした日から引落日までの日数が短ければ短いほど利息も少なくなります。締め日や支払日を確認したうえで利用するようにしましょう。
キャッシングの利息は日割りで計算されるため、1日でも早く返済するほど利息は少なくなります。「できるだけ早く返す」ことが、そのまま利息の節約に繋がります。
3.2 キャッシング枠が早く回復する
一括返済で翌月に完済するとキャッシング枠が復活しますので、再度利用しやすくなる点もメリットです。ただしクレジットカードのショッピング利用額とキャッシングの利用額が合算される場合、クレジットカードのショッピング利用枠の支払状況によりキャッシング枠が復活しない可能性もあります。自分が持っているクレジットカードのショッピング利用枠そしてキャッシング利用枠の取り扱いがどのようになっているのか、一度確認しておきましょう。
完済して枠が回復すれば、急に資金が必要になったときにも備えやすくなります。これに対しリボ払いは、残高が残っている限り利用枠が回復しにくい点が、一括返済との違いです。
3.3 返済管理の手間がなくなる
一括返済で完済すれば、毎月の返済額や返済日を管理する必要がなくなります。「返済を忘れていないか」「残高がなかなか減らない」といった不安からも解放され、心理的な負担の軽減にも繋がります。返済を1回で終わらせられることは、家計管理のうえでもメリットです。
3.4 信用情報に完済履歴が残る
一括返済で完済すると、その記録はカード会社が加盟する信用情報機関に登録されます。信用情報の評価は各機関や金融機関の判断によるため一概にはいえませんが、延滞なくきちんと完済した実績は、将来、住宅ローンやクレジットカード、各種ローンを申し込む際に、審査上のマイナス材料になりにくいと考えられます。
4. キャッシングを一括返済する流れ
実際にキャッシングを一括返済する際は、次のような流れで進めます。手順を事前に把握しておくと、返済額の計算ミスや手数料の発生を防ぎやすくなります。

4.1 残高を確認する
まずは、カード会社のウェブページ・アプリ・電話で、現在の利用残高と利息を確認します。返済日によって発生する利息額が変わるため、実際に返済する日を考慮した金額を確認しておくことが大切です。
4.2 返済総額を確認する
次は、返済シミュレータなどを利用して、完済にあたって必要な返済総額(元本+利息)を確認します。残高だけでなく、利息を含めた総額を把握しておくことで、当日の不足を防げます。
4.3 返済方法を選ぶ
返済総額を確認したら、次は返済方法を選びます。キャッシングの返済方法には、主に次のような種類があります。
キャッシングの返済方法の例
- ATM返済:
銀行・コンビニエンスストアのATMから返済する方法 - 振込返済:
カード会社指定の口座へ振り込む方法(振込手数料に注意) - 口座引落:
引落設定を変更して返済する方法 - ウェブページ・アプリでの返済:
スマートフォンから手続きできる方法(対応するカード会社の場合)
手数料の有無も確認し、自分に合った方法を選びましょう。
4.4 返済手続きをする
選んだ方法で、確認した金額を返済します。返済日によって利息が変わるため、確認した金額と返済日にずれがないように手続きを進めましょう。
4.5 完済の通知を確認する
返済後は、利用明細やアプリで残高がゼロになっているかを確認します。必要に応じて完済証明書の発行を依頼するとよいでしょう。あわせて、キャッシング枠がいつ回復するか(回復のタイミング)も確認しておくと安心です。
5. 一括返済が難しい場合の対処法

「一括で返したいけれど、まとまった資金が用意できない」という場合もあるでしょう。そのときは、次の方法も選択肢になります。
5.1 繰上返済(一部返済)の活用
まとまった資金がなくても、可能な範囲で元本を前倒しで返す「一部繰上返済」を行えば、利息の負担を軽減できます。繰上返済できる最低金額や手続き方法はカード会社によって異なるため、事前に確認しておきましょう。少しずつでも元本を減らすことで、完済までの期間を短くできます。
5.2 おまとめローンへの借り換えを検討する
複数のキャッシングやカードローンを利用している場合は、おまとめローンへの借り換えも有効です。借り入れを1本にまとめることで、利息の負担を軽減できる場合があり、毎月の返済額や返済日も1本化できるため、管理しやすくなります。返済が長期化して利息がかさんでいる方は、一度検討してみるとよいでしょう。
- ※1おまとめ後の返済状況によっては、おまとめしない場合と比較して利息の総支払額が減らない可能性があります。特に、ご利用中のローンの平均お借入金利がおまとめ後の適用金利(年率9.8%~14.6%)以下の方は慎重にご検討のうえお申し込みください。
6. キャッシングの一括返済における注意点
一括返済には利息を抑えられるメリットがある一方で、進め方を誤ると、かえって家計を圧迫したり、余計な手数料が発生したりすることもあります。手続きをはじめる前に、以下の4つのポイントを確認しておきましょう。
6.1 一括返済しない方がよいケースを確認する
利息の支払額を抑えることができる一括返済ですが、状況によっては無理に行わないほうがよい場合もあります。
一括返済しないほうがよいケース
- 生活費や家賃、税金の支払いに支障が出る場合
- 手元資金がなくなり、再度借入が必要になりそうな場合
- 複数社から借り入れがあり、どれから返すべきか整理できていない場合
- 延滞中で、通常の一括返済手続きでは対応できない場合
一括返済はあくまで「家計に無理のない範囲」で行うことが前提です。手元資金が不足しそうなときは、一部繰上返済やおまとめローンなど、別の方法を検討しましょう。
6.2 返済日を守る
返済手続きや支払日の確認を忘れると、予定どおりに一括返済できず、余計な利息や遅延損害金が発生する可能性があります。事前に支払日や返済方法を確認し、期日前に手続きを済ませておきましょう。
6.3 手数料がかからない返済方法を選ぶ
返済方法によっては手数料がかかる場合があります。カード会社のウェブページ・アプリ経由なら手数料無料で完済できるケースが多く、コストを抑えられます。ATMや振り込みでは手数料がかかることもあるため、無料で返済できる手段を優先するとよいでしょう。
6.4 完済後の契約について確認する
一括返済で残高を完済しても、キャッシングの契約自体は継続しているケースが多く、枠が残っていればいつでも再び借り入れできてしまいます。今後使う予定がない場合や、手元にあるとつい使ってしまいそうな場合は、思い切って解約手続きを行うことも検討しておきましょう。
7. 一括返済でキャッシングの利息負担を最小限に抑えよう
キャッシングは、早期に一括返済することで利息を抑えられます。さらに、延滞なく完済した履歴は信用情報に残り、将来の審査でマイナス材料になりにくいと考えられます。一括返済を行う際は、残高や返済総額、手順を事前に確認し、期日を意識して手続きを進めることが大切です。
「一括返済する資金が用意できない」「複数の借り入れを整理したい」という場合は、一部繰上返済やおまとめローンへの借り換えも検討の余地があります。自分の状況に合った方法を選び、無理なく完済を目指しましょう。
- ※1おまとめ後の返済状況によっては、おまとめしない場合と比較して利息の総支払額が減らない可能性があります。特に、ご利用中のローンの平均お借入金利がおまとめ後の適用金利(年率9.8%~14.6%)以下の方は慎重にご検討のうえお申し込みください。
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