住宅ローンの借り換えとは?メリット・デメリットをわかりやすく解説
- #住宅ローン
掲載日:2026年1月19日

住宅ローンは返済期間が長いため、金利の見直しによって返済総額が大きく変わる場合があります。近年は固定金利・変動金利ともに上昇・下落が混在する時期が続いており、市場環境が読みづらい状態です。そのため、「借り換えを検討すべきか判断しにくい」という声も少なくありません。
本記事では、住宅ローンの借り換えの基本的な仕組み、メリット・デメリット、審査のポイント、利用するタイミングや費用の目安などをわかりやすく解説します。
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1. 住宅ローンの借り換えとは何か
住宅ローンの借り換えとは、現在借りている住宅ローンを一括で完済し、新たな住宅ローンを別の金融機関や、同じ金融機関の異なる条件で組み直すことを指します。
主な目的は、現在のローンよりも金利が低いローンに切り替え、毎月の返済額の軽減や返済総額の削減を目指すことです。借り換えは、単に契約を変更するのではなく、新規で住宅ローンを組むのと同様の手続きが必要です。そのため、新規借入時と同じように審査を受け、諸費用が発生する点も理解しておきましょう。
2. 住宅ローンの借り換えのメリット

住宅ローンの借り換えを行うことには、支払額の軽減や、将来のリスク回避といった多くのメリットがあります。ここでは、代表的な3つのメリットについて見ていきましょう。
2.1 返済額や返済総額を軽減できる
借り換えの最大のメリットは、金利が下がることで毎月の返済額が減り、月々の家計にすぐにゆとりが生まれる点です。さらに、返済総額も圧縮できるため、長期的な負担も軽減されます。
例えば金利2%から1%下がるだけでも、ローン残高2,000万円・残り20年の場合、毎月の返済が約1万円前後減るケースが一般的です。年間では約11万円、20年間では約200万円以上の負担軽減につながる可能性があります。
「金利差が1%以上・残高1,000万円以上・返済期間10年以上」といった条件が借り換えの判断目安といわれるのは、このくらいの条件で家計のゆとりが生まれやすいからです。
しかし、これはあくまで目安であり、実際には借換時に発生する諸費用を合わせた上で、総合的なメリットがあるかをシミュレーションで確認することが極めて重要です。諸費用を含めても、現在の返済総額より削減できる場合に、借り換えのメリットが成立します。
2.2 将来の金利上昇リスクを軽減できる
借り換えによって金利タイプを変更することで、将来的な金利変動のリスクを管理できます。
たとえば、変動金利から固定金利へ借り換えれば、市場金利が将来上昇した場合でも、返済額が変わらないため金利上昇リスクを抑えることが可能です。逆に、金利が極めて低い状況であれば、固定金利から変動金利に借り換えて、低金利の恩恵を受けることで、当面の返済額を抑えられる可能性があります。
2.3 団体信用生命保険(団信)の保障内容を充実させられる
住宅ローンを借り換える際、住宅ローンを借りた人が亡くなったり、重い病気・障害になって返済ができなくなったりした場合に、保険会社が残りの住宅ローンを代わりに支払ってくれる新たな団体信用生命保険(団信)に加入することになります。
この際に、現在の保険よりも保障内容が充実した団信を選べる可能性があります。特に、従来の団信ではカバーされなかった「がん団信」や「三大疾病特約」など、より手厚い保障を選べるケースが増えているのです。現在の団信の内容と比較し、新たな団信の病気や死亡のリスクに備えた保障が充実していれば、借り換えの大きなメリットとなる場合もあります。健康状態によっては加入できない可能性もあるため、新たな団信の審査についても確認しましょう。
3. 住宅ローンの借り換えのデメリット

住宅ローンの借り換えはメリットばかりではありません。デメリットや注意点も理解し、総合的に判断することが大切です。
3.1 諸費用や手数料が発生する
借り換えを実行する際には、多くの諸費用や手数料が発生します。これらは新規借入時とほぼ同等の内容で、主なものとして、金融機関への事務手数料、保証料(保証会社を利用する場合)、抵当権設定登記費用、印紙税などが挙げられます。
これらの費用が、借り換えによる金利が抑えられるメリットを相殺したり、場合によっては上回ってしまったりすることもあるのです。そのため、借り換えの判断にあたっては、必ず諸費用を含めた総額を試算してみることが必須です。また、金融機関によって費用は異なるため、複数の見積もりを取ることが望ましいでしょう。
3.2 審査を通過するために一定の手間がかかる
借り換えは新規借入と同様に審査が必要であり、審査を通過するまでに時間と手間がかかります。
審査では、申込者の年収、勤務状況、勤続年数、信用情報、そして団体信用生命保険(団信)加入のための健康状態などがあらためて厳しくチェックされます。必要書類も、本人確認書類や収入証明書に加え、現在のローンの返済実績を示す書類(返済予定表や通帳のコピーなど)も求められるため、新規借入時よりも多くの準備が必要となる場合があります。
また、健康状態に不安があると団信に加入ができない可能性があるため注意が必要です。原則、住宅ローンは団信加入が必須なので、加入できなければ借り換えは難しいでしょう。転職を繰り返していると、年収が安定していないと審査で評価される可能性があります。自身の現状で、借り換えができるかどうかを事前に金融機関に相談し、準備を進めることが重要です。
3.3 返済期間によっては返済総額が増える
毎月の返済額を軽減するために、安易に返済期間を延ばして借り換えを行うと、かえって返済総額が増えてしまう可能性があります。金融機関によっては例外もありますが、返済期間は原則、借り換え前の住宅ローンの残りの返済期間以下に設定されることが多くなっています。
返済期間を延ばすと、利息を支払う期間が長くなり返済総額が増えるためです。そのため、金利が下がっても、返済計画を誤るとたとえ低い金利で住宅ローンの借り換えができても、メリットが得られなくなってしまいます。そのため、シミュレーション等を活用し、現在の住宅ローンと比較して、諸費用を含めた最終的な返済総額が本当に減るのかを慎重に検討しましょう。
4. 住宅ローンの借り換えにおすすめのタイミング

借り換えはいつでも可能ですが、効果を最大化するためには適切なタイミングを見極めることが重要です。ここでは、借り換えにおすすめのタイミングを見ていきましょう。
4.1 金利差が大きいとき
金利差が大きければ大きいほど、返済総額の削減効果は大きくなります。特に、ローン残高が多く、残りの返済期間が長いほど、金利差の影響は顕著になります。ただし、先述のとおり、この金利メリットが諸費用を上回るかどうかが重要です。
4.2 固定金利期間の終了時
当初固定金利期間(例:10年固定など)が終了し、その後に変動金利へ移行する時期は、借り換えを検討する絶好のタイミングです。
固定期間終了後の変動金利は、当初の優遇金利が適用されず、金利が上昇するリスクがあります。しかし、このタイミングで、固定金利の他金融機関へ借り換えれば、返済額を安定化できます。固定期間終了の通知が届いたら、すぐに情報収集をはじめ、余裕を持って手続きを進めることが望ましいでしょう。
4.3 金利が上昇するとき
現在変動金利を利用していて、市場金利が上昇し始めたときは、借り換えで負担軽減を検討できます。
変動金利が上昇すると、毎月の返済額が増えるリスクが高まるため、固定金利への借り換えを選択肢とすることで、将来的な金利上昇リスクを回避できます。金利の動向を注視しつつ、複数の金融機関のプランを比較検討することが重要です。
4.4 転職や独立をする前
住宅ローンの審査では、年収や勤務形態、勤続年数が重視されます。そのため、転職や独立(フリーランス、自営業になること)を検討している場合は、その前に借り換えを済ませるのが望ましいでしょう。
勤続年数が短い場合や、勤務形態が変わった場合は、金融機関の審査が厳しくなることがあります。審査通過の可能性が高い現状の安定した形態で手続きを進めることで借り換えの成功率が上がるため、計画的なタイミング調整が必要です。
5. 住宅ローンの借り換えに必要な費用と書類

住宅ローンの借り換えを行う際は、費用と書類の準備が欠かせません。借り換えに必要な費用には、主に以下のものがあります。
<借り換えに必要な費用>
- 事務手数料:新しい金融機関に支払う手数料
- 保証料:保証会社を利用する場合に支払う費用(金融機関によっては不要)
- 抵当権設定登記費用:新しく借りる住宅ローンの担保(抵当権)を設定するための費用
- 司法書士報酬:登記手続きを依頼する司法書士への報酬
- 印紙税:金銭消費貸借契約書に貼付する収入印紙代
- 抵当権抹消登記費用:現在の住宅ローンの担保(抵当権)を抹消するための費用
金融機関や地域、借入額によって異なりますが、合計で数十万円から百万円程度になります。そのため、これらの諸費用は、借り換えによる金利メリットを判断するために必ず含めるべき重要な要素です。
一般的に、借り換えで必要となる主な書類は以下のとおりです。
<借り換えに必要な書類>
- ご本人さまが確認できる書類(運転免許証、個人番号カードなど)
- 収入証明書(源泉徴収票、確定申告書など)
- 住民票
- 返済実績を示す書類(通帳のコピーなど)
書類には有効期限や発行時期の指定がある場合があり、期限切れの書類は再取得が必要になります。また、金融機関によって必要書類は異なるため、事前に確認し、余裕を持って準備を進めることが重要です。
6. 住宅ローンの借り換えの審査を通過するポイント
住宅ローンの借り換えは、基本的に新規借入時と同様の審査が必要であり、審査に通らないケースもあります。審査を通過するためにチェックされる主な項目とポイントを理解しておきましょう。
審査対象となる主な要素は、年収、勤務形態、勤続年数、信用情報(過去の借り入れ・返済履歴)、そして健康状態です。
安定した返済能力があるかを測るため、年収の高さだけでなく、勤務先の規模や勤続年数も重要視されます。審査通過の確率を高めるためには、転職や独立前に手続きを済ませるのが有利です。また、過去にクレジットカードやローンの支払いを延滞した履歴があると、審査に大きく影響します。
さらに、借換時には、団信への加入が必要となり、健康状態の報告も求められます。健康状態の変化(持病の発生など)が団信の審査に影響し、結果的に借り換えができない原因となることがあります。
これらの要素を総合的に判断されるため、特に不安な点がある場合は、事前に金融機関に相談し、自身の状況を正直に伝え、適切な準備を進めることが重要です。
7. 住宅ローンの借り換えは、メリット・デメリットを理解して賢く実現しよう
住宅ローンの借り換えは、返済負担を減らし、金利変動リスクを抑える有効な方法ですが、効果を十分に得るにはポイントを理解しておく必要があります。金利差だけで判断せず、手数料や保証料などの諸費用を含めた金額を比較することが重要です。また、金利差が大きい時期や固定金利期間の終了時など、タイミングを見極めることでメリットが高まります。
借り換えには新規借入と同様に審査があるため、必要書類などの準備も欠かせません。複数の金融機関の条件を比較し、シミュレーションや相談窓口を活用しながら進めることで、自分に最適な借り換えを実現できます。
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