夫婦で銀行口座を開設するには?共働きで上手に家計管理をするコツ
- #口座開設
掲載日:2025年1月24日

夫婦が円満に家計管理をする方法で悩んでいる方もいるのではないでしょうか。生活するうえで、お金の管理は常に付きまとう問題といっても過言ではありません。
共働き世帯の場合、それぞれでお金を管理する方法があります。または、お金の管理が得意なほうが一括して管理する方法も考えられるでしょう。
今回は、夫婦が家計管理を行う具体的な方法やコツなどを解説します。お金を管理する方法で悩んでいる夫婦に役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。
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1. 共働き夫婦の主な家計管理方法とは?
昨今は共働き世帯が増えており、どちらがどの費用を負担するかで悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
家計管理の方法に絶対的な正解はないため、夫婦の価値観や金融リテラシーの度合いに応じて、最適な方法を考えましょう。
1.1 費用別に支払いを分担する
生活費と一口にいっても、住居費や食費、娯楽費などさまざまな支出項目に細分化されます。夫婦がそれぞれ担当する支出項目を決めて、支払いを分担する方法があります。
たとえば、毎月の住居費(家賃や住宅ローンの返済)は夫、食費や水道光熱費は妻が負担するという具合です。
費用別に支払いを分担すると、各自が特定の支出を担当するため、責任が明確になるメリットがあります。
ただし、家計全体の把握が難しくなる点がデメリットとして挙げられます。たとえば、夫が「自分は住居費だけ負担すればよい」と考え、計画的に貯蓄をしないと将来に向けた備えが不十分になる恐れがあります。
さらに、いずれかの負担が大きいと公平性を欠き、夫婦仲に悪影響が出てしまう可能性も考えられるでしょう。
1.2 生活費と貯蓄を分担する
いずれか一方の収入で生活費を賄い、もう一方の収入はすべて貯蓄に充てる家計管理方法があります。一方の手取り収入だけで毎月の支出をカバーできる場合、考え得る選択肢の一つです。
計画的に資産形成を進められ、将来の資金計画の見通しが立てやすくなるでしょう。
ただし、生活費を負担する側が「自由に使えるお金が少ない」と感じると、トラブルに発展する可能性があります。貯蓄に回しているお金に関しても、将来どのように使うのか夫婦間できちんと話し合わないと、価値観の乖離(かいり)につながるでしょう。
1.3 毎月定額を共通口座で管理する
生活費決済専用の共通口座を開設したうえで、夫婦それぞれが決められた金額を入金する家計管理方法があります。
共通口座は生活費や共通の支払いに充てて、残った金額はそれぞれが自由に使えるため、お互いに不満を感じにくいでしょう。また、お互いに負担する金額が同じだと不平等感が生まれず、良好な夫婦関係につながります。
「どちらがどの支出を払うか」という担当を決める必要がないため、比較的シンプルな方法といえるでしょう。
ただし、それぞれが計画的に貯蓄する意識を持たないと、将来の備えができない点に注意が必要です。共通口座に入金する以外の収入は個人で管理できるため、無駄遣いにつながりやすいデメリットがあります。
1.4 どちらもお小遣い制にする
夫婦のどちらもお小遣い制にする家計管理方法があります。それぞれの収入を合算して1つの口座に集約し、お互いの小遣いを取り分けたうえで、残金を生活費や貯蓄に回す方法です。
お小遣い制にすれば、自由に使えるお金に制約が生まれるため、無駄遣いを抑制できます。家計を一元管理できるため、全体像が把握しやすくなり、予算配分や貯蓄計画が立てやすくなるでしょう。
収入に応じたお小遣い額を設定すれば、お互いに納得感を持てます。必然的に夫婦間でコミュニケーションが発生し、価値観のすり合わせや現状確認がしやすい点もメリットです。
ただし、お小遣いの額が低いと束縛感が生じ、不満につながってしまう恐れがあります。金銭感覚に乖離(かいり)があると、適切なお小遣い額を決めるのが難しくなるかもしれません。
1.5 どちらか片方だけお小遣い制にする
夫婦のどちらかのみ、お小遣い制にする家計管理方法があります。お金の管理が得意なほうが収支の全体管理を行い、もう一方はお小遣い制にする方法です。
たとえば、夫がファイナンシャルプランナー(FP)の資格を有しており、妻はお金の管理が苦手という夫婦であれば、夫が家計管理を担当したほうがよいでしょう。
夫婦に信頼関係があれば、お互いに安心して生活できるメリットがあります。また、お金の管理が苦手でも、お小遣い制であれば無駄遣いを抑制できるでしょう。
ただし、夫婦間できちんとコミュニケーションを取らないと、トラブルに発展する恐れがあります。お小遣い制でやりくりするほうが経済的な窮屈感を感じてしまうと、不満につながるでしょう。
健全な家計管理を行い、夫婦それぞれが経済的に自立するためにも、共通口座と貯蓄口座を組み合わせて家計管理をする方法が一つの選択肢として考えられます。
2. 夫婦連名の銀行口座は開設できる?
夫婦で共同の口座を開設できると家計管理をするときに便利ですが、夫婦連名の口座は開設できません。共通口座と貯蓄口座をそれぞれ開設し、使い分けましょう。
以下で、具体的な作り方と使い方について解説します。
2.1 夫婦連名の銀行口座を開設することはできない
夫婦で共同管理する銀行口座でも、夫婦連名の名義では開設できません。どちらか一方の名義で開設し、実質的に共同管理する必要があります。
口座を開設したうえで「代理人カード(家族カード)」を作成すれば、夫婦それぞれが口座を利用できます。
代理人カードを発行するには、名義人と代理人の本人確認書類が必要です。発行にあたって手間がかかりますが、夫婦のそれぞれが預け入れや引き出しをする際に便利です。
2.2 夫婦共通の口座で家計を管理することがおすすめ
共働き夫婦の中には、夫婦それぞれが独立してお金を管理しているケースもあるでしょう。
しかし、共同で管理する共通口座と将来のために貯蓄する貯蓄口座を開設すれば、家計管理がしやすくなります。
共通口座の使い方
共通口座とは、生活費を管理するための口座です。給与が振り込まれたら、そのタイミングでそれぞれの個人口座から一定額を共通口座に移します。
たとえば、毎月の生活費がおおむね20万円程度であれば、それぞれが10万円を出し合うようなイメージです。夫婦間で収入差がある場合は、入金額を調整しても問題ありません。
生活費を共通口座から支払い、それ以外の支出は個人口座で管理すれば、透明性のある家計管理が可能です。「どこまでを生活費に含めるか」を事前に話し合っておけば、トラブルが起こるリスクも低いでしょう。
貯蓄口座の使い方
貯蓄口座とは、将来のために貯蓄する専用の口座です。夫婦で目標貯蓄額を決めて、計画的に積み立てるとよいでしょう。
たとえば、「年間で60万円を貯金したい」という目標であれば、毎月5万円の貯蓄が必要です。この場合、給与が振り込まれたタイミングでそれぞれが毎月2.5万円を貯蓄口座に移します。
「マイホーム資金」「子どもの教育資金」など、目的を決めて貯蓄すればモチベーションも持続しやすいでしょう。
貯蓄口座は貯蓄専用なので、生活費としては基本的に使いません。家電の買い替えや入院・手術など緊急性があるケース以外では使わない、というルールを決めておくとよいでしょう。
3. 夫婦共通の銀行口座を開設する際の注意点
夫婦の共通口座を開設する際には、いくつか注意すべき点があります。
3.1 口座の名義人
銀行口座に関する手続きは基本的に名義人が行う必要があり、代理人が手続きする際は委任状が必要です。どちらを名義人とするかは、手続き面や今後のライフプランを踏まえて慎重に判断しましょう。
もしパートナーとの離婚が発生すると、財産分与の手続きが煩雑になりがちです。婚姻期間中の財産は共有財産として二人で分け合いますが、名義人が自分以外の口座の財産に関して、どのように分けるか揉める可能性があります。
なお、名義人が死亡してしまうと、口座は凍結されキャッシュカードが使えなくなります。代理人カードを発行していても、名義人が死亡すると無効になってしまう点に注意しましょう。
3.2 手数料
金融機関によって振込手数料やATM手数料などの各種手数料は異なるため、手数料が安い金融機関で口座を開設するとよいでしょう。預け入れや引き出しの度に手数料がかかると、一度の支払額は少額でも、最終的に大きな金額となります。
手数料無料の提携ATM(コンビニや金融機関)が多いと、手数料負担を抑えられます。金融機関によっては「月に〇回までは無料」というルールを設けているところもあるため、事前に確認しておきましょう。
3.3 金利
同じ金融機関でも、口座の利用方法や預金の種類によって適用される金利が異なります。特に貯蓄口座は将来に向けた資産形成を目的としているため、収益性を求めるために金利に注目するとよいでしょう。
金融機関によっては、給与振込や年金の受取口座に指定すると金利が優遇されるサービスを提供しています。
一般的に、普通預金金利よりも定期預金金利や外貨預金金利のほうが高金利です。また、預入期間が長くなるほど適用される金利が高くなるため、貯蓄する期間に応じて最適な預金の種類を選択しましょう。
3.4 利便性
共通口座は生活費決済の用途で使用するため、取り引きする機会が多いと考えられます。そのため、普段の生活の中で使いやすいか、利便性に優れているかを確認するとよいでしょう。
たとえば、自動入金や送金のサービス、インターネットバンキングの機能があればお金の移動をスムーズに行えます。自宅や勤務先の周辺で利用できるATMがあれば、必要なときにすぐ入出金できます。
家計簿管理アプリで家計管理を行っている方は、アプリと連携できるか確認するとよいでしょう。
4. 夫婦で上手に家計管理をするためのコツ
家計管理は夫婦のいずれかに任せるのではなく、一緒に協力して行うことをおすすめします。
以下で、夫婦で上手に家計管理をするためのコツを解説します。
4.1 収支を見える化して現状を把握する
「毎月いくら入ってくるのか」「毎月の出費はいくらか」を見える化し、毎月の収支を確認することでライフプランを立てやすくなります。
たとえば、毎月の手取り収入が30万円で日常生活費が20万円の場合、毎月5万円は貯蓄に回す余力がありそうです。残りの5万円は夫婦が自由に使う、という形にすればストレスを抱え込むリスクも低いでしょう。
収支を見える化するには、家計簿の活用がおすすめです。自作ノートや市販の家計簿を使用する方法がありますが、家計簿管理アプリを活用すれば手間をかけずに家計管理できます。
また、インターネットバンキングを利用すると口座の残高や履歴をこまめにチェックできます。収支状況を定期的に確認すれば、自然と健全な家計運営ができるでしょう。
4.2 今後のライフプランを共有する
教育資金や老後資金など、今後のライフプランを共有して将来的に必要になるお金を把握しましょう。計画的に資産形成するためにも、ライフプランの共有は有意義です。
具体的な目標金額を決めれば、貯蓄の計画を立てやすくなります。「〇年後までに〇万円貯める」という目標を設定したら、逆算して毎月の貯蓄額を決め、着実に実行しましょう。
4.3 家計管理のルールを決める
お金の価値観や使い方をめぐるトラブルを防ぐためにも、家計管理のルールを決めることをおすすめします。共通口座から支出に充てる項目や毎月の貯蓄額など、きちんとルールを立てたうえで着実に実行しましょう。
生活費以外で緊急的な支出が発生したときは、貯蓄口座のお金でカバーすることになります。貯蓄計画を実現させるためにも、「どのような場面で貯蓄口座を使うのか」というルールを決めておきましょう。
なお、家計管理のルールは、ライフプランの変化にともなって柔軟に変更する必要があります。たとえば、妊娠や出産、転職にともなって収支のバランスが変わったら、そのときの収支状況に応じて最適なルールに変更しましょう。
5. 夫婦共有の銀行口座を開設して健全な家計管理を行おう
夫婦で協力して家計管理をする際には、共有の銀行口座があると便利です。生活費を決済する共通口座と将来に向けて貯蓄するための貯蓄口座を開設し、夫婦間のコミュニケーションを取りながら家計管理を行いましょう。
上手に家計管理をするためには、収支状況を確認し、今後のライフプランを話し合うことが大切です。
夫婦で共有の銀行口座を開設するなら、東京スター銀行へ相談してみてはいかがでしょう。来店での相談だけでなく、オンラインでの相談も可能です。
お金の専門知識が豊富なアドバイザーが、状況をヒアリングしたうえでお悩みを解決するので、お気軽にお問い合わせください。
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