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ドルコスト平均法とは?メリットや一括投資との比較、始め方を解説!

  • #資産運用
  • #投資信託

掲載日:2025年1月29日

老後や子どもの教育資金など、将来のことを考えて投資を始めたいと考えている人もいるでしょう。そういう人にはドルコスト平均法が向いているかもしれません。長期的な投資に向いており、初心者でも始めやすい方法です。しかし、注意する点もあるため、始める際にはドルコスト平均法について詳しく理解しておく必要があります。

今回はドルコスト平均法とはどのような投資方法なのか、メリット・デメリットと併せて解説します。また、ドルコスト平均法が向いている人の特徴や上手な始め方についても解説するため、投資を始めたいという人は参考にしてください。

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1. ドルコスト平均法とは

投資信託や株などの金融商品には、価格変動があります。ドルコスト平均法は、その変動リスクを抑えるために一回で多くの金額を投資するのではなく、毎月・毎週など定期的に一定額の積み立て投資する投資方法のことです。

まずはドルコスト平均法の仕組みや一括投資との比較について解説します。

1.1 ドルコスト平均法の仕組み

ドルコスト平均法とは価格が変動する特定の金融商品を定額で一定期間、定期的に買い続ける投資方法のことです。定期的に決まった額を投資するため、定額投資法とも呼ばれています。この方法では毎月の投資額が一定であるため、以下のような仕組みになります。

(投資信託の場合)

  • 基準価額が高い月には購入量(口数)が少なくなる
  • 基準価額が低い月には購入量(口数)が多くなる

たとえば、1ヵ月目と4ヵ月目の基準価額が1万円、2ヵ月目が2万円、3ヵ月目が5,000円の投資信託を「毎月1万円ずつ」購入すると、平均購入単価が9,000円となります。毎月買い付けたことで、2ヵ月目は基準価額が高いため多くの口数を購入できず、3ヵ月目は基準価額が低かったため多くの口数を購入できています。

このようにドルコスト平均法を使って投資をすると、基準価額が高い月は購入する口数が減少するため、結果的に購入単価を平準化できるのです。上記の内容を表にまとめると以下のようになります。

ドルコスト平均法の仕組み
基準価額 1ヵ月目 2ヵ月目 3ヵ月目 4ヵ月目 合計 平均購入単価
1万円 2万円 5,000円 1万円
毎月1万円ずつ購入 投資額 1万円 1万円 1万円 1万円 4万円 約9,000円
口数 1万口 5,000口 2万口 1万口 45,000口

1.2 一括投資との比較

ドルコスト平均法では、毎月決まった金額で一定期間購入し続けるのに対し、一括投資では初月にすべての額を一気に購入するという違いがあります。

たとえば、金融商品を購入する予算が4万円だとすれば、ドルコスト平均法を用いる場合は、1ヵ月あたり1万円で4ヵ月間金融商品を購入していきます。一方、一括投資では、初月に4万円で購入できる分の金融商品を購入するという方法です。

一括投資では金融商品の価額が低い時に購入できる場合と、逆に高い時に購入してしまう場合があります。

しかし、ドルコスト平均法では価額に関わらず毎月購入するため時間的なリスク分散が可能です。

2. ドルコスト平均法のメリット・デメリット

ドルコスト平均法は投資のリスクを抑える効果がありますが、デメリットもあります。ドルコスト平均法のメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。

2.1 メリット

ドルコスト平均法のメリットとして以下が挙げられます。

  • 基準価額が平準化され価格変動リスクを抑えられる
  • タイミングを気にせずに始められる
  • 少額から始められる

ここでは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

2.1.1 基準価額が平準化され価格変動リスクを抑えられる

ドルコスト平均法では、一定額を定期的に投資することで金融商品の価格が高い場合は少なく、価格が低い場合は多く買う仕組みです。そのため、購入価格が平準化され、長期的な投資では大幅な価格変動による影響を軽減できる点が大きなメリットです。

2.1.2 タイミングを気にせずに始められる

投資では下落時に購入するといった見極めのタイミングが難しいですが、ドルコスト平均法では気にする必要はありません。定期的に定額投資するだけで済むため、市場の変動を予測するストレスから解放されます。特に初心者にとっては手軽に投資を始める方法として適しているでしょう。

2.1.3 少額から始められる

ドルコスト平均法は、少額からでも投資を始められる点もメリットの1つです。毎月定額を積み上げるだけなので、まとまった資金がなくても少額からコツコツと資産形成を進められます。

2.2 デメリット

ドルコスト平均法には、以下のようなデメリットもあります。

  • 短期投資には向いていない
  • 商品や金融機関によっては手数料が割高になる

ここからは、それぞれのデメリットについて見ていきましょう。

2.2.1 短期投資には向いていない

ドルコスト平均法は長期的な資産形成に適した投資手法である一方、短期間で利益を狙う投資には向いていません。短期間でこの方法を活用してもリターンが小さくなる可能性があるため、大きな利益を早く得たい人には不向きです。

2.2.2 商品や金融機関によっては手数料が割高になる

ドルコスト平均法は定期的に金融商品を購入するため、取引回数が多くなります。その結果、商品や金融機関によっては手数料が割高になる場合があります。特に少額で始める場合、手数料が投資額に対して相対的に高いこともあるため、取引手数料が安い商品や金融機関を選ぶことが重要です。

3. ドルコスト平均法が向いている人

ドルコスト平均法を利用した投資が向いているのはどのような人なのでしょうか。ここではドルコスト平均法が向いている人の特徴を2つ紹介します。

3.1 長期で資産形成を考えている人

ドルコスト平均法は、老後資金や将来の大きな支出に備え、長期的な資産形成を目指す人に特に適しています。

この投資手法では、一定額を定期的に積み立てて金融商品を購入するため、価格が高いときには少なく、価格が低いときには多く購入できます。その結果、購入金額を平準化し、価格変動リスクを抑えられるからです。

また、長期投資では複利の効果が大きく影響します。複利とは、運用で得た利益を再投資し、それがさらに利益を生む仕組みです。ドルコスト平均法を活用して資産をコツコツ積み上げると、時間の経過とともに複利の力が発揮され、資産を効率的に増やせるのです。

さらに一定額を定期的に投資する仕組みのため、市場のタイミングを気にせず継続できる点も長期での資産形成を考えている人にとっては、魅力といえるでしょう。

3.2 これから投資を始める初心者

投資初心者にとってドルコスト平均法は始めやすい手法の一つです。
この方法では、一定額を定期的に投資するため購入タイミングを考える必要がありませんし、購入する量が自動的に調整される仕組みのため高値掴みを避けやすくなります。特に初心者は市場の変動に振り回されやすく、焦りや不安から失敗してしまうケースが多いですが、ドルコスト平均法は市場の変動に振り回されません。

また、少額から始められるため、まとまった資金がなくてもスタートすることが可能です。そのため、リスクを抑えて始められるでしょう。

4. ドルコスト平均法の上手な始め方

ドルコスト平均法を始める際には、積み立て投資を利用するのが最も簡単で効率的です。積み立て投資とは、毎月や毎週など定期的に決められた額を自動的に投資する仕組みです。自分で都度購入のタイミングを考える必要がなくなり、ドルコスト平均法のメリットを自然に得られます。

具体的には、証券会社や銀行が提供する積み立て投資プランを選択し、投資金額と頻度を設定するだけで始められます。たとえば、月々1万円を特定の投資信託に積み立てるよう設定すれば、毎月1万円を自動で投資してくれます。

5. まとめ

ドルコスト平均法とは、特定の金融商品を定額で一定期間、定期的に買い付ける投資方法のことです。価格が高いタイミングで購入する際には購入量が少なく、価格が安いタイミングでは購入量が多くなる仕組みです。

ドルコスト平均法は、価格変動のリスクを抑えたりタイミングを気にせずに投資できたりするなどのメリットがあります。少額からでも始められるため、投資初心者でも始めやすいでしょう。

一方、ドルコスト平均法は短期投資に向いていなかったり、商品や金融機関によっては手数料が割高になったりするなどのデメリットもあります。ドルコスト平均法を始める際には、長期的な投資を想定し手数料が少ない商品・金融機関を選びましょう。

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