SNSを利用した詐欺とは?実際の事例や気を付けるポイント
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掲載日:2024年8月13日
警察庁はSNSを通じた投資詐欺、ロマンス詐欺の認知・検挙状況を調査したところ増加傾向にあると注意喚起をしています。この記事では、SNSを利用した詐欺の事例や気を付けるポイント、詐欺にあったときの対処法について解説します。
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1. SNSを利用した詐欺とは?
SNSを利用した詐欺にはどのようなものがあるのか、代表的な手口と種類を紹介します。
1.1 SNSを利用した詐欺の手口と種類
SNSには最新の情報が得ることができる、友達を作ることができるといったメリットがありますが、その便利さゆえに詐欺に悪用されるケースがあります。SNSを利用した詐欺のうち代表的なものを4つ紹介します。
1.1.1 投資詐欺
SNSを中心に著名人の写真を使った投資広告や、「必ず儲かる投資方法を教えます」といったメッセージで投資アプリ等に誘導し、お金を騙し取ろうとする手口です。投資に関する情報を提供したり、やり取りを重ねて被害者を信用させたりしたうえで「手数料」あるいは「投資金」という名目でお金を振り込ませます。
一度振り込んでしまうと、本人が気づくまで何度も振り込ませるため、最終的に多額の被害となってしまう可能性があります。
1.1.2 闇バイト
SNSやインターネット掲示板にて、具体的な業務の内容を明かさないまま「高額報酬が得られます」という謳い文句で犯罪の実行者を募集し、応募者を強盗や詐欺に加担させる詐欺手法です。参加者は「捨て駒」として、逮捕されるリスクの高い役割を担当させられます。
途中で気がついて辞めたくなっても、応募時に登録した個人情報や家族の情報をもとに「家に行く」「家族に危害を加える」などと脅され、抜けられなくなってしまいます。
1.1.3 チケット詐欺
アーティストやスポーツの観戦が好きな人の「どうしても見に行きたい」という気持ちにつけ込み、架空のチケットの売買を持ちかけたり、定価以上の高額でチケットを販売したりする詐欺です。
正規の販売サイトではなく、SNS・掲示板・ネットオークションなどからチケットを入手すると、詐欺的なトラブルに巻き込まれる可能性があるため注意が必要です。
1.1.4 ロマンス詐欺
SNSやマッチングアプリを通じて知り合った人と、実際に会うことなくやり取りを積み重ね、恋愛感情や親近感を覚えたところでお金を騙し取る手法です。人間関係が構築できはじめたと判断すれば、投資やセミナーの話を持ちかけて勧誘し、「代わりに金融商品を取引する」という名目で口座への振り込みを要求されます。
1.2 SNSを利用した詐欺の実例
ここではSNSを利用した詐欺の実例を手口別に紹介します。
1.2.1 投資詐欺
投資詐欺には、主にSNS広告をきっかけとしたケースと、SNSで知り合った人からの紹介をきっかけとしたケースがあります。
【事例1】
SNSを見ていたら著名人が投資をすすめる広告を発見。「著名人がおすすめするなら・・・」と思い、広告をクリックすると著名人を自称する者から連絡があり、SNSアカウントを交換するよう要求された。その後SNSを通じて「必ず儲かる」「今がチャンス」と投資をすすめられ、案内通りに口座開設をしてお金を振り込んだ後、連絡が取れなくなってしまった。
【事例2】
SNS上で投資コンサルタントを名乗る人物から「モニター会員を募集している」「絶対にお得で儲かる方法がある」というメッセージがあった。その人物の話を信用してしまい初期投資としてお金を振り込み、騙し取られてしまった。
1.2.2 闇バイト
闇バイトによる詐欺被害は、自ら「闇バイト」「高額報酬」といった単語で検索したり、SNS上の知り合いに相談して紹介されたりすることがきっかけとなっています。
【事例】
SNSを通じて知り合った人に「お金を貸してほしい」と相談したところ「銀行協会から委託を受けた仕事を紹介する」と誘われ、犯行グループを紹介された。事前に個人情報や家族の情報を提供してしまい、逮捕されるかもしれないと不安になり、断ろうとすると「自宅に押し掛ける」「家族に何が起こるかわからない」などと脅され、やむを得ず犯罪に加担してしまった。
1.2.3 チケット詐欺
チケット詐欺には、高値で購入してしまうケースや、架空のチケット分の代金を振り込んだ後に連絡がつかなくなるケースがあります。
【事例】
大好きなアーティストのライブチケットの抽選に外れてしまったが「どうしてもライブが見たい」と思い、SNSで情報を集めていると、チケットを持っている人物を見つけた。心配だったので念のため住所や氏名、電話番号を聞いたうえでチケット代を振り込んだが、その後SNSをブロックされて、連絡がつかなくなってしまった。
1.2.4 ロマンス詐欺
ロマンス詐欺もSNSを通じて行われる場合があります。また、マッチングアプリで知り合い、SNSへと誘導されるケースもあるため注意が必要です。
【事例】
SNSで友達申請をされた異性とやり取りをするようになった。何度もSNS上でやり取りをしているうちに恋愛感情を抱いていたところ、「2人の将来のために投資でお金を貯めよう」と持ちかけられた。断ったら嫌われてしまうと思い、言われるがまま投資用アプリをダウンロードして、その後指定された口座にお金を振り込んでしまった。
2. SNSを利用した詐欺にあった場合の対処法
後で詐欺にあったことに気づいたら、振込履歴や相手とのやり取りの様子を証拠として残し、振込先の金融機関と警察に連絡をしましょう。
振込先の金融機関に連絡をして、振り込んだ口座が調査の結果「犯罪利用預金口座等」と認定されれば、被害回復分配金として被害額の全部、または一部の支払いを受けられる可能性があります。ただし、振り込んだ口座からすでに現金が引き出されており、お金が口座に残っていない場合は救済を受けられません。詐欺に気がついたら、できるだけ早く金融機関と警察に連絡することが大切です。
3. 詐欺に合わないため気を付けるポイント
SNSでトラブルに合わないためのポイントを5つ紹介します。
- SNS上で知り合った人物を安易に信用しない
うっかりお金を振り込んでしまうと、その後連絡が取れなくなったり、SNS上でブロックされたりする可能性があります。知り合った人物と意気投合したとしても、SNS上で知り合った人物を安易に信用しないようにしましょう。 - SNS上の投稿をうのみにしない
SNS上に流れてくる投稿には例えば、大幅な値引きや過度な商品効果を謳った広告や、「簡単に儲かる」「会って話がしたい」といった内容の投稿などがあります。このようなメッセージをうのみにしないように注意しましょう。 - SNSの投稿は細心の注意を払う
SNSに投稿された情報が拡散されてしまうと、完全な消去が困難です。個人情報や自身の写真、身分がわかるような投稿は極力控えましょう。 - 子どもが巻き込まれる可能性もあると心得る
自分では注意していても、知らないところで子どもがトラブルに巻き込まれる可能性もあります。こうしたトラブルを避けるため、家族と利用方法について話し合い、フィルタリング機能なども活用しましょう。また、保護者の端末から子どもの端末の利用方法が管理できる「ペアレンタルコントロール機能」を活用することも有効です。利用時間や不適切サイトの閲覧を制限することで、トラブルを未然に防ぐことができます。 - 金融庁に登録をしているか確認する
金融商品を扱う事業者は、金融庁への登録が義務付けられています。もし、SNSを通じて「必ず儲かる」「リスクなし」など、甘い言葉で投資など儲け話を持ちかけられた場合は、その事業者が金融庁の登録をしているか確認をしましょう。
例えば、FX・バイナリーオプション・未公開株などを販売するには「金融商品取引業者」、暗号資産の場合は「暗号資産交換業者」として登録が必要です。
4. まとめ
SNSには同じ趣味を持つ人と簡単に知り合える、リアルタイムの情報を得ることができるといったメリットがあります。しかしその裏では、SNSの利便性を悪用した詐欺目的のアカウントや、過剰な商品効果を謳った広告もあるので注意が必要です。
SNS上でのやり取りは細心の注意を払う必要がありますが、万が一詐欺にあったと感じた場合は、以下の相談窓口に相談をしましょう。
警察相談専用電話 連絡先 #9110
消費者ホットライン 188
未公開株通報専用窓口(日本証券業協会)0120-344-999
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