固定資産税の支払い期限はいつ?支払い方法や計算方法を紹介
- #税金
掲載日:2025年4月28日

固定資産税は、土地や家屋、償却資産を所有するすべての人に広く課される地方税です。また、市街化区域内の不動産には都市計画税が課され、道路や教育、福祉などさまざまな行政サービスの財源となります。
本記事では、固定資産税と都市計画税の概要や計算手順、支払い期限、さらに軽減措置について詳しく解説します。
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1. 固定資産税とは
固定資産税と都市計画税は、地域の公共サービスを支える重要な財源です。これらの税金の使い道や税額の決まり方を知ることで、納税の意義がより明確になります。ここでは、固定資産税と都市計画の役割や仕組みについて解説します。
1.1 固定資産税の概要
固定資産税とは、地方自治体が所有する土地や家屋、償却資産に課す税金のことです。なお、償却資産とは、土地や家屋を除く事業用の資産を指します。例として、事業用の機器や設備が該当し、使用されていなくても、いつでも稼働できる状態であれば課税対象となります。これらの資産は、価値に応じて評価額が定められ、その額をもとに毎年課税される仕組みです。
事業者は、毎年1月31日までに所有する償却資産を管轄の市区町村へ申告する必要があります。申告期限を過ぎてしまうと、自治体の条例により過料が科されるだけでなく、延滞金が徴収される場合があるため注意が必要です。
【固定資産の種類】
- 土地・・・住宅地、山林、牧場、原野等の土地
- 家屋・・・住宅、店舗、工場、倉庫などの建物
- 償却資産・・・会社が所有する構築物、車両、備品(パソコンや工具)など
固定資産税は普通税に分類され、使途が限定されない税金です。道路整備や教育、福祉など、住民の生活を支えるための基礎的な財源として重要な役割を果たしています。
1.2 都市計画税との違い
都市計画税は、市街化区域内の土地や家屋を対象にした地方税です。道路の新設や下水道の整備など、都市計画事業の費用を賄うために課されます。
つまり、固定資産税は土地・家屋・償却資産に課されるのに対し、都市計画税は市街化区域内の土地と家屋のみが対象となります。なお、償却資産は都市計画税の課税対象には含まれません。
2. 固定資産税の計算方法
固定資産税は、以下の計算式を用いて算出します。
固定資産税=固定資産税評価額(課税標準額)×税率(通常1.4%)
土地や家屋の固定資産税評価額は、国の固定資産評価基準に基づいて市区町村が算出し、3年に一度見直されます。評価替えの年には、土地や家屋の評価額が変動することがあり、それに伴って税額が変わる場合があるため注意が必要です。
特に土地の評価額は用途によって異なり、住宅地の場合、地価公示価格の約7割が目安とされています。固定資産税の税率は、原則として1.4%ですが、市区町村によって異なる場合があります。
なお、固定資産税の具体的な税額は市区町村が計算して通知してくれるため、所有者が自身で計算する必要はありません。
都市計画税は、以下の計算式を用いて算出します。
都市計画税=固定資産税評価額(課税標準額)×税率(最大0.3%)
都市計画税の税率は、最大0.3%が上限と定められており、市区町村ごとに税率が異なる場合があります。
【計算例】
- 土地と家屋の固定資産税評価額合計:5,000万円
- 固定資産税:1.4%
- 都市計画税:0.3%
固定資産税額:5,000万円×1.4%=70万円
都市計画税:5,000万円×0.3%=15万円
合計:70万円+15万円=85万円
上記はあくまで一般的な計算例であり、実際には市区町村ごとの条例や特例措置によって税額が異なります。正確な税額については、お住まいの自治体にお問い合わせください。
3. 固定資産税は誰がいつまでに支払わないといけない?
固定資産税は、各市区町村(特別区の場合は都税事務所)が定める納付期限までに支払う必要があります。一般的には、4月から6月頃に納税通知書が届きます。年4回に分割して納める方法が案内されますが、第1期の納付時に残りの期分をまとめて支払うことも可能です。
例として、第1期(5月末)、第2期(7月末)、第3期(9月末)、第4期(11月末)といった分割納付が設定される市区町村があります。一括納付を選ぶ場合は、第1期の期限までに全額を納めることになります。もし納付期限を過ぎてしまうと、延滞金が発生する恐れがあるため、期限を守ることが重要です。
4. 支払い方法
固定資産税の支払い方法には、次のような方法があります。
- 納付書(金融機関やコンビニエンスストアに持参)
- クレジットカード
- インターネットバンキング
- 口座振替
- スマートフォンアプリ決済
毎回の支払い手続きの手間を省きたい場合は、口座振替を選択すると自動的に引き落とされるため便利です。口座振替を利用するには、事前に市区町村や金融機関の窓口で申し込み手続きを行う必要があります。
お住まいの地域で、どのような支払い方法が利用できるかを確認するとよいでしょう。
4.1 支払いが遅れてしまった場合
支払いが遅れた場合、原則として納付期限の翌日から延滞金(延滞税)が課されます。延滞金の税率は法律で上限が定められており、納付期限からの経過日数によって変動する仕組みです。
例えば、国税の延滞税率を基準として設定されるケースでは、一定期間までは年率7.3%、それを超えると14.6%と段階的に引き上げられることがあります。実際の税率は景気や金利状況に応じて決まるため、具体的には市区町村に確認が必要です。
長期にわたり滞納が続くと、延滞金が増加するだけでなく、督促状の送付や財産の差押えといった強制徴収の手続きに発展する可能性があります。納付が難しい場合は、期限を過ぎる前にお住まいの市区町村へ相談し、猶予制度や分割納付の利用を検討しましょう。
5. 軽減措置
固定資産税の軽減措置は、不動産所有者の税負担を抑えるために設けられた制度です。例えば住宅用地の場合、課税標準額は以下の割合で減額されます。
用地の種類 | 固定資産税の減額割合 | 都市計画税の減額割合 |
---|---|---|
小規模住宅用地 (1住戸当たり200平方メートルまでの部分) |
6分の1 | 3分の1 |
その他の住宅用地 (200平方メートルを超える部分) |
3分の1 | 3分の2 |
新築住宅については、床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下の一戸建てが対象となり、一定の要件を満たす場合、新築後3年間(長期優良住宅は5年間)、固定資産税が半額に軽減されます。
既存住宅でも、耐震補強や省エネルギー化、バリアフリー化などのリフォームを行った場合、固定資産税の減額が認められることがあります。これらの減額を受けるには、事前に適用要件や必要書類を確認することが重要です。
6. まとめ
固定資産税は、土地・家屋・償却資産の所有者が毎年納める地方税です。市街化区域内の不動産には、さらに都市計画税も課されます。これらの税額は、固定資産税評価額に税率(通常1.4%、都市計画税は最大0.3%)を掛けて算出され、年4回に分けて納めることが一般的です。
支払い方法には、金融機関やコンビニ、口座振替、キャッシュレス決済などさまざまな選択肢があります。支払い期限を過ぎると延滞金が発生する可能性があるため、期限内に支払うことが大切です。
税率や申請手続き、支払い方法は自治体によって異なるため、詳細については必ず自治体の情報を確認しましょう。
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