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株価が上がるとどうなる?金利や景気、生活との関係を解説

  • #株式市場・為替相場
  • #経済

掲載日:2025年5月26日

株価は企業の業績や政治経済、世界情勢など多彩な要因で日々動き、その変動は企業や投資家、さらには経済全体にまで影響します。本記事では、株価が上がる背景や上昇による企業・投資家双方のメリット、日経平均株価の特徴と役割などについて解説します。

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1. 株価はなぜ上がるのか?

株価は、株式を買いたい人と売りたい人のバランスで決まります。具体的には、企業の業績や政治経済、世界情勢など多岐にわたる要因が投資家心理を左右し、結果的に株価の上昇や下落をもたらします。株価を予測するには、こうした要因を把握することが重要です。

1.1 企業の業績が影響する

企業の売上や利益が増えると将来的に成長が期待できると判断され、投資家は株式を買い増しする傾向があります。そのため、株価が上昇する可能性が高まります。また、新製品や新サービスの展開、経営の合理化などを発表した場合も、「これからの業績拡大に拍車がかかりそうだ」とみなされやすく、投資マネーが流入しやすくなるでしょう。

一方で、赤字決算や業績の下方修正などが発表されれば、会社の将来性に不安を覚えた投資家が株式を手放すため、株価は下落に転じる可能性が高くなります。

このように、企業の業績は投資家心理を左右する重要な要因です。日々のニュースや企業の業績発表が株価の変動に大きな影響を及ぼします。

1.2 日本の政治経済が影響する

政治経済は企業活動の基盤として非常に大きな影響力を持っています。日本についても同様です。

たとえば、日本政府が景気刺激策を打ち出したり、法人税や消費税の税率を下げたりする方針を発表すれば、企業のコスト負担が軽減されたり、消費者の購買意欲にも積極的な変化が生じるかもしれません。

金融政策においても、日銀がお金を市場に供給する量を増やす金融緩和策を実施すれば、金利が低下して企業が資金を調達しやすくなる場合があるため、投資家が日本株を買い進める要因になるでしょう。

一方で、政権不安や景気減速、物価下落などが顕在化すると、日本企業の先行きに対する懸念が強まり、株価の下落圧力として働くことがあります。

こうした変化は、中長期的な企業の成長性に直結するため、投資家は政策や経済動向を常に注視しながら売買判断を行っています。

1.3 世界情勢が影響する

世界全体での景気や金融政策、地政学リスク(特定の地域が抱える政治的・軍事的な緊張の高まり)なども株価に大きな影響を与える要因になります。

世界経済が好調で各国の需要が高まれば、日本製品やサービスの輸出が伸び、企業の業績への期待から株価が上昇しやすくなるでしょう。一方、アメリカやヨーロッパ、中国などの主要国の景気後退や貿易摩擦などが表面化すれば、日本企業の輸出が落ち込む可能性があり、株価の下振れ要因となります。

また、突発的な政変や戦乱、大規模自然災害など不測の事態の発生も、投資家心理が冷え込み、売りが先行する要因になることもあります。

世界情勢の動向は日本だけでなく、各国の株式市場にも影響を与える重要な要因といえるでしょう。

2. 株価が上がることでの影響は?

株価が上がることで、企業側は企業の価値が高まります。また投資家側は、資産価値が高まるほか、配当金を受け取れるというメリットがあります。

ここでは株価が上がることによる影響を、企業側と投資家側に分けて見ていきましょう。

2.1 企業の価値が高まる

株価が上がると、その企業の時価総額は大きくなり、市場からの評価が高まります。

時価総額が高い企業は社会的な信用力も強まるため、金融機関からの資金調達が容易になるだけでなく、社債の発行や追加の株式発行など多彩な手段で新たな事業投資を行うことが可能です。結果として研究開発や設備投資が活性化すれば、さらに競争力が向上し、企業全体の経営基盤が安定しやすくなることが期待できます。

株価が高い状態は、企業にとって社会的な認知度も高まる機会でもあり、優秀な人材の確保にもプラスに働く可能性があります。

こうした好循環は経営をより強固なものにし、長期的な成長を後押しする要因になるでしょう。

2.2 投資家の資産が高まり、配当金が支払われる

株式投資では、購入時よりも値上がりしたタイミングで売却することで売却益(譲渡益)が得られます。また、企業が株主に支払う配当金による利益を狙うことも可能です。

配当金は企業の業績や経営方針によって増減しますが、安定した配当を長年にわたって続ける企業は投資家に人気があり、結果として株価がさらに上昇しやすい傾向にあります。

業績が好調な企業は株価が上昇しやすく、譲渡益を得られる可能性が高まるうえ、配当金も期待できるといえるでしょう。

ただし、業績が好調でも、配当金をほとんど出さない企業もあるため、配当金を重視する場合は、各企業の過去の配当金利回りなどを確認しておくことが大切です。ただし、過去に配当金が支払われていても、今後も同じ水準が続くとは限らない点に注意しましょう。

3. 日経平均株価が上がるとどうなる

日経平均株価は日本を代表する株価指数で、その上昇は企業や個人投資家、さらに日本経済全体に影響します。株価が上がると資金が集まり、企業の資金調達や個人の資産価値が拡大して消費意欲が高まるなど、景気を押し上げる要因となります。

3.1 日経平均株価とは

日経平均株価は、東京証券取引所のプライム市場(旧東証一部)に上場する銘柄のうち、代表的な225銘柄を選定して算出される株価指数です。1950年に算出が開始され、長い歴史を持つことから、日本の経済ニュースやビジネス情報でも頻繁に取り上げられています。

算出方法は、225銘柄の株価を単純に合計して平均を出すわけではなく、特定の除数によって調整を行うことで、株式分割や銘柄入れ替えなどの影響を極力小さくする仕組みです。

日経平均株価は、日々の取引時間中でもリアルタイムに変動し、市場参加者はその値動きを通じて日本株全体の方向感を把握します。

また、アメリカのNYダウ平均株価と並んで「世界の株式市場の動向を知るうえで重要な指標」と認識されており、海外の投資家からも注目度が高いといえるでしょう。

なお、日経平均株価と並んで日本を代表する経済指標として挙げられるのがTOPIX(東証株価指数)です。TOPIXは、東京証券取引所のプライム市場(旧東証一部)に上場する全銘柄を対象とした時価総額加重型の株価指数となります。

日経平均株価が225銘柄を選定して株価の平均に着目しているのに対し、TOPIXは浮動株数(安定株主以外が保有し、市場で売買される可能性が高い株式)を考慮した時価総額をもとに算出していることが特徴です。

そのため、値がさ株(株価が高い銘柄)の影響を受けやすく、TOPIXは時価総額の大きい銘柄の変動が指数全体に大きく反映されやすくなります。日本の景気を見るうえでは、どちらもチェックしておくとよいでしょう。

3.2 日経平均株価が上がることでの影響は?

日経平均株価が上昇すると、日本企業全体の業績や将来性に対する評価が高まっていると考えられます。その結果、海外を含む投資家からの資金流入がさらに強まることがあり、市場全体の売買高が増える傾向が見られます。

企業にとっては株価上昇による時価総額の拡大が資金調達力の向上につながり、新規事業や研究開発への投資意欲が高まるかもしれません。加えて、株式を保有する個人投資家の資産価値が増えれば、消費に回るお金が増えて景気を下支えする効果も期待できます。

そのため、日経平均株価の上昇は多くの場合、日本が好景気に向かう兆しと受け取られやすく、その動向は企業経営や家計にまで影響を与える重要な指標となっています。

4. まとめ

株価は、企業の業績や政治経済、世界情勢など、さまざまな要因によって絶えず変動しています。そして株価が上がることは、企業にとっての資金調達力向上や投資家の資産価値増加といったメリットをもたらします。

とくに日経平均株価は国内外の投資家に注目されており、その動向が私たちの生活や景気にも影響を及ぼすといえます。株価の変動を注視することは、経済全体の流れを把握するうえで大いに役立つため、ぜひ確認しておきましょう。

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