用語集
マネーストック(まねーすとっく)
マネーストックとは、ある時点における経済全体で流通している通貨(お金)の総量を指します。
具体的には、金融機関・中央政府を除いた個人や企業、地方公共団体などの経済主体が保有している通貨の残高を合計したもので、経済活動の動向を把握するために重要な指標として、中央銀行(日本では日本銀行)が公表しています。
マネーストックにはいくつかの分類があり、それぞれ計測する通貨の範囲が異なります。日本銀行が対象とする通貨の範囲に応じて、「M1」、「M2」、「M3」、「広義流動性」という4つの指標を作成・公表しています。
- M1: 現金(紙幣・硬貨)+預金通貨(普通預金や当座預金などすぐに引き出せる預金)。「即時に使用可能なお金」を示します。
- M2:M1+定期預金などの準通貨(貯蓄預金、定期預金などの一部引き出しに制約がある預金)。 主に国内の金融機関が発行する通貨を含みます。日本で主に用いられる指標でもあります。
- M3:M2+その他の金融機関(信用金庫、農林系金融機関など)の預金。広義のマネーストックを意味しています。
- 広義流動性:M3+金融商品(国債、投資信託など)。もっとも広範囲のお金をカバーした指標です。
一般的に、景気が良いとき企業や個人の経済活動が活発になり、銀行からの借り入れが増加するため、マネーストックも増加します。一方、不況のときには、経済活動が停滞し、企業や個人の借り入れが減少するため、マネーストックの増加が鈍化、減少することもあります。