用語集

サブプライムローン(さぶぷらいむろーん)

サブプライムローンとは、主にアメリカで提供される住宅ローンの一種で、信用力が低い借り手を対象とした高リスク・高利率のローンです。
借り手には低所得者や信用履歴の短い人、過去に延滞や破産歴のある人が含まれます。査基準が緩く、借り手の収入や返済能力を厳密に確認しないケースも多かったため、高リスク商品として知られています。

2000年代初頭、住宅市場の活性化を目的に、サブプライムローンがアメリカで広く提供されました。これにより住宅購入が促進され、住宅価格が急上昇しました。また、これらのローンは住宅ローン担保証券(MBS)や担保付債務証券(CDO)として証券化され、世界中の投資家に販売されました。しかし、信用格付け機関による高評価がリスクを過小評価させ、金融市場全体に不健全な投資環境をもたらしました。

住宅価格が下落を始めると、多くのサブプライムローン借り手が返済不能に陥り、差し押さえが急増しました。これにより、MBSやCDOの価値が急落し、それを保有していた金融機関が大規模な損失を被りました。最終的に、2008年のリーマン・ショックとして知られる世界金融危機に発展し、金融機関の破綻や信用不安が広がりました。
この危機を受けて、金融規制の強化とリスク管理の見直しが行われましたが、サブプライムローン問題は過剰なリスクテイクがもたらす危険性を強く示すものとなりました。