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離婚時に住宅ローン返済中…そんなときはどうすれば?ケース別に紹介

  • #住宅ローン
  • #お金を返したい

掲載日:2022年9月29日

住宅ローンの返済中に離婚をお考えの方にとって、気になるのは住宅ローンと家の取り扱いではないでしょうか。

離婚に関しては法律が関わってきますので、弁護士等に相談をしながら慎重に進めるべきではありますが、事前知識としてどのような対処選択肢があるのかを把握しておくと、弁護士等への相談もスムーズになります。

そこで本記事では、住宅ローンの返済中に離婚をお考えの方に向けて、適切な対処法や、実際にあった対処事例をお伝えします。さらに、ローンの借り換えなど、別の選択肢によって新たな生活をスタートする方法についても解説します。

この記事は6分で読めます!

1. 住宅ローン返済中に離婚…まずやることは?

住宅ローン返済中に離婚することになった場合、まずやることは現状確認です。住宅ローンはどう返すのか、どちらかが今の家に住むのか、または売却するのかなど様々な選択肢がありますが、どの行動を取るにも適切な対処をするために、まずは以下の3つに関する情報を確かめてください。

  1. 1住居の名義人の確認
  2. 2住宅ローンの契約内容の確認(契約者、保証人、残債額)
  3. 3住居の価格の確認

1つめの「住居の名義人の確認」は、登記事項証明書で確認することができます。お手元に登記事項証明書が無い方は法務局で取得することが可能です。2つめの「住宅ローンの契約内容の確認」は、金利変更や繰上返済等で契約当初からの変更点もあるため、銀行へ最新の契約内容を照会するのが良いでしょう。ただしその際はご契約者本人からでないと確認が出来ない点には注意をしてください。3つめの「住宅の価格の確認」については、相場によって変動するため「もし売ったらいくらになるか」という情報を収集する必要があります。

その方法としては国土交通省が運用している「不動産取引価格情報検索」で近隣の類似物件を検索し、その価格を参照する方法があります。

その他、不動産ポータルサイトで売りに出されている類似物件の価格を調べる方法などもあります。それ以外には不動産系の企業が運営している不動産一括査定サイトで売却査定サービスに申し込むのも有効です。大まかで良いので、まずは売却した場合の想定価格を調べておくのがよいでしょう。

2. 売却価格がローンの残債を上回るかどうかで、対処方法の選択肢が変わる

前項で解説した方法によって家の想定価格が分かれば、売却した場合に住宅ローンを完済できるか否かを判断することができます。この判断により、対処方法の選択肢が変わります。

  1. 1住居の売却価格が住宅ローンの残債額を上回った場合

    家を売った売却資金で住宅ローンを完済でき、その上でお金が残る場合はシンプルです。売却益を夫婦それぞれで按分する、という対処方法があります。

    ただし、住み続けてきた家が気に入っている場合や、何らかの事情で手放すことに抵抗があるような場合は、売却益が出ることが分かっていながら夫婦のどちらかが住み続けることもあります。その場合は家に住み続ける側が、家を退去する側に財産分与として代償金を支払う形が一般的です。

  2. 2住居の売却価格が住宅ローンの残債額を下回った場合

    家を売った売却資金で住宅ローンを完済できない場合は、選択肢は2つあります。1つめは家を売った売却資金と自己資金を合わせてローンを完済する方法です。2つめは住居を売却せずに、夫婦のどちらか一方が住宅ローンを引き受けて住み続けるという方法です。

3. 実際にあったケース対処方法

3-1. 夫婦のどちらかが住み続ける場合

家を売っても住宅ローンを完済できない場合など、夫婦のどちらかが住み続ける場合は、契約内容によって対処方法が異なります。

共有名義 自宅所有者で住宅ローン契約者の持ち分を買い取り、住み続ける。
この場合は、持ち分を手放した方は退去する。
単独名義 自宅所有者で住宅ローン契約者が、そのまま住み続ける。もう一方は退去する。

3-2. 住み続ける場合のローン借り換え

離婚に伴う住宅ローンは、借り換えをするという選択肢があります。ここでは実際に、東京スター銀行で取引があった事例を2つ紹介します。

  1. 1離婚に伴う住宅ローン借り換え

    離婚後、妻名義の住宅ローンが残っている状態で夫が家に住み続けることになり、東京スター銀行で借り換えました。

  2. 2離婚に伴う住宅ローン借り換え+代償金のニーズ

    離婚にあたっての財産分与を行い、妻が家に住み続けた例です。自宅の所有者、住宅ローンの債務者は夫なので妻が東京スター銀行で住宅ローンを借り換え、家の名義を変更し、家を退去する夫へ代償金を支払いました。

4. ローンの借り換え先を選ぶ際のポイントは?

離婚にあたって住宅ローンの借り換えを検討する方に向けて、借り換え先を選ぶポイントを解説します。

4-1. 金利負担は減るのがベスト

離婚を契機に借り換えをする場合はもちろん、そうでなくても住宅ローンの借り換えでは従前の住宅ローンよりも借り換え後の住宅ローンの方が金利負担を減らせるのがベストです。

4-2. 新生活に必要な資金の調達ができるか

住宅ローンの借り換えだと、調達できるのは住宅ローンの借り換えに必要な資金のみです。しかし離婚となると、財産分与のための代償金支払いや、転居して新生活を始めるために必要な家財道具購入費用など、住宅ローンの残債以外の費用も必要になることが多々あります。そんな時には、住宅ローンではなく不動産担保ローンが便利です。

不動産担保ローンでは、以下のようなニーズにも対応可能です。

住宅ローンの借り換え
不動産を担保にした借り入れなので、実質的に住宅ローンの借り換えニーズにも利用可能です。住宅ローンの残債が家の価値を上回り借り換えが難しい場合は、住宅ローンの借り換えが難しくなりますが、そんな時であっても不動産担保ローンであれば、例えば親が所有している不動産を担保にするなど、柔軟な形で資金の調達が可能です。
代償金(財産分与)の支払資金
すでに述べているように、住宅ローンの借り換えでは、財産分与として代償金の支払いが発生した際の資金まで借り入れることはできません。しかし不動産担保ローンであれば使途自由なので、代償金を含めた借り入れが可能です。
新生活をスタートさせるための家財道具の購入
離婚によって家を退去した人は、新生活を送る家で使用する家財道具の購入など、新たな費用が発生します。こうした資金も不動産担保ローンによって借り入れ可能です。
借入金のおまとめ
離婚時の資金調達と直接の関係はありませんが、住宅ローン以外に消費者金融などからの借り入れがある場合、不動産担保ローンであれば借入金のおまとめも可能です。
条件によって追加融資も可能
不動産の担保価値に余裕があれば、今後新たに発生する資金需要に対して追加融資も可能です。

なお、東京スター銀行では不動産担保ローンの「スター不動産担保ローン」を提供しています。上記で示したような離婚後の資金需要にも相談に乗ることが可能ですので、離婚後の新生活に向けて聞いてみたいことがあれば、ぜひご活用ください。

5. まとめ

住宅ローンの返済中に離婚する場合、まず必要なのは家の名義人、住宅ローン契約内容、そして家を売った場合の想定価格などの情報です。その情報を踏まえて、以下のポイントを押さえつつ状況に応じて適切な対処をとるようにしましょう。

  • 家を売って住宅ローンを完済でき、さらに余剰金がある場合は、余剰金を按分して財産分与をするのが簡単
  • 家の売却資金がローン残債を下回る場合は一方が住み、もう一方に代償金を支払うことによって財産分与をする
  • 離婚に伴って住宅ローンの借り換えをする場合は、金利の引き下げに加えて離婚に伴うさまざまな費用に対応できるローンを選ぶのが有効

離婚は、住居の問題だけでなく、考えなければならないこと、対応しなければならないことがたくさんあります。冒頭でも触れましたが法律に関することは法律の専門化である弁護士へ相談しましょう。そして、ローンを含むお金のことで悩んだときは、お金の専門家である金融機関に相談してみるのが良いでしょう。東京スター銀行では店舗だけでなく、オンラインでもご相談いただくことが可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

以上

【ライター情報】
蛯沢 路彦

早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務などを経て独立後、月刊誌「FX攻略.com」の編集長、その版元の株式会社Wa plus代表取締役を務める。退任後、マネー誌やウェブメディアにおいて、金融・経済の分野を中心に執筆活動を続ける。2020年11月、株式会社イノベクションを創業。

早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務などを経て独立後、月刊誌「FX攻略.com」の編集長、その版元の株式会社Wa plus代表取締役を務める。退任後、マネー誌やウェブメディアにおいて、金融・経済の分野を中心に執筆活動を続ける。2020年11月、株式会社イノベクションを創業。

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