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住宅ローンがあるけど引っ越したい!売却?賃貸?ローン返済方法を解説

  • #住宅ローン
  • #お金を返したい

掲載日:2022年9月29日

今住んでいる家の住宅ローンがまだ残っている状態でありながら、引っ越しをしたい、もしくは引っ越しをしなければならない場合、住宅ローンはどうなるのだろうと疑問をお持ちの方も多いでしょう。選択肢としては、家を売却してローンを返済してしまうか、ダブルローンを組むか、住み替えローンを組むか等、さまざまな方法が頭をよぎりますが、どれが最善なのか判断基準を知りたいところです。そこで本記事では、住宅ローン返済中の引っ越しについて、留意しておくべきことと、取りうる選択肢、さらには実際にあったケースについて解説します。

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1. 住宅ローン返済中の家から引っ越しをする前に知っておくべきこと

住宅ローンの返済中に引っ越しを検討する場合、事前に知っておくべき点が3つあります。その3点は、以下の通りです。

1 住宅ローンの対象となる家は、「自分もしくは家族が居住する」物件であること
2 引っ越し後の家を他人に貸すことは、金融機関との契約違反になる
3 住宅ローンが残ったまま(抵当権がついたまま)では、売却できない

引っ越しに伴って「自分もしくは家族が居住する」物件ではなくなってしまった場合には注意が必要になります。住宅ローンは自分が居住するための物件を購入するためのローンであり、それを無断で賃貸物件にすることはできないためです。また、住宅ローンが残っている家には、金融機関の抵当権がついています。抵当権を抹消してからでないと、家を売却することはできません。引っ越しに伴って売却を選択するのであれば、売却と同時に住宅ローンを完済する必要があります(この方法については、後述します)。

2. 金融機関に相談

住宅ローンを返済中の家から引っ越しをするものの、住み慣れた家を売却したくないとお考えの方もいるでしょう。こうしたケースに限らず、住宅ローンを返済中に引っ越しをする際のニーズはさまざまです。
そんな時、まずは金融機関に相談することがとても重要です。現在利用中の金融機関だけでなく、他の銀行などに相談をしてみることで、今よりも有利な条件で借り換えができる可能性があります。また、いろいろな選択肢について提案を受けることもできます。
最初から方法を決めてしまわず、まずは相談してみると良いでしょう。東京スター銀行では住宅ローンの借り換えをはじめ、不動産担保ローンなど柔軟かつ幅広い商品のご紹介を含めて、最適な提案が受けられます。

3. 取りうる選択肢

住宅ローン返済中に引っ越しをする場合、取りうる選択肢は大きく分けて3つあります。

3-1. 売却したお金で一括完済

引っ越し後、元の家にもう住む予定がないのであれば、家を売却し、その売却代金で住宅ローンを一括返済してしまう方法があります。この方法が最もシンプルです。ローン残高よりも家を高く売却することができれば、その売却益を引っ越しや新生活の費用に充てることもできます。また、住宅ローンを完済すれば、引っ越し先で購入する家のために新たな住宅ローンを組むことも可能になります。逆に、家を売却しても住宅ローンを一括返済できない場合は、不足分を借りて完済するか、以降で紹介する方法から選択することになります。

3-2. ダブルローンを組む

ダブルローンとは、文字通りローンを2本組むことです。返済中の住宅ローンに加えて、もう1本別のローンを組むことで、引っ越し先の家の購入費用を調達することができます。しかし、住宅ローンは自分が居住するための物件に対して1本しか組むことはできないため、ダブルローンを組む場合はセカンドハウス向けなど、住宅ローンとは別のローンを組むことになります。事情によっては有効な選択肢ともいえますが、当然ながら2本のローンを同時に返済する必要があるため負担は大きくなり、また金融機関の審査も慎重になります。

3-3. 住み替えローンを組む

住み替えローンは、引っ越しに伴って家を売却しても、残債を一括返済するには足りない場合に取りうる選択肢です。住み替えローンの審査に通過すると、従前住んでいた家の住宅ローンを一括返済した際に足りなかった分を引っ越し先の家を購入する住宅ローンに上乗せして借り入れることができます。2重で組まない住み替えローンはダブルローンと比較すると負担が少ないということができます。

4. 東京スター銀行で実際にあった4つのケース

住宅ローン返済中の引っ越しについて、東京スター銀行で実際にあった4つの例を紹介します。現在検討されている方法に近いものがないか、チェックしてみてください。

4-1. 住み替えによる引っ越し

手狭になった現在の家からもっと広い家に住み替える目的で、新しい家を購入するのと同時に、元の家を賃貸住宅として活用した事例です。新しい家を購入するために東京スター銀行の不動産担保ローンで元の住宅ローンの借り換えをしたため、賃貸物件として活用することが出来ました。

4-2. 転勤による引っ越し

海外転勤が決まり、不在期間中は元の家を賃貸住宅にしようと考えるも、着任までの期間が短く、住宅ローンの借り換え手続きを行うのが難しい状況でした。ただし、一時的な引っ越しで再び同じ家に住む予定であれば、金融機関の承諾を得たうえで住宅ローンを返済しながら賃貸物件にすることが可能です。それにより海外赴任中は、賃貸物件として活用することになりました。しかし帰国時、元の家には入居者がおり、いつ戻れるかわからなかったこと、家賃並みの返済額で購入できる物件があったため他行で住宅ローンを利用して別のマンションを購入する流れとなりましたが、これだと住宅ローンを2本契約する状態になるため、元の家の住宅ローンは東京スター銀行の不動産担保ローンで借り換えをしました。

4-3. 離婚による住宅ローン返済中の引っ越し

離婚によって住宅ローン返済中の家から引っ越す場合は、夫婦のどちらがその家に住み続けるかによって対処方法が異なります。離婚時における住宅ローンの取り扱いについては、詳しく解説している記事がありますので、そちらをご参照ください。

4-4 単身赴任による引っ越し

単身赴任の場合は、自分以外の家族は住んでいてその家が空き家になることがないため、住宅ローンはそのまま返済しながら住み続けることができます。ただし、単身赴任先で家を買うとなった場合には、すでに住宅ローンを組んでいるため、新たに住宅ローンを追加して組むことはできない点に注意が必要です。実際に東京スター銀行でも、単身赴任先での滞在が長くなるため、家賃と同等の返済額で借入をし家を購入したい、という相談がありました。家族が住んでいる家で住宅ローンをすでに組んでいたため、単身赴任先での住宅購入は東京スター銀行の不動産担保ローンで資金調達し購入したという事例があります。

5. まとめ

住宅ローン返済中の家から引っ越しをする場合、「売却したお金で一括返済」「セカンドハウス向けローンなどを組み合わせてダブルローン」「元の家の住宅ローン残債を上乗せして住み替えローン」といった選択肢があります。それぞれにメリットとデメリットがあるので、家がいくらで売れるのかという見通しも含めて、ご自身の事情に合わせて最適な方法を選びましょう。大切なのは、住宅ローン返済中に引っ越しがあるかもしれないことが分かった時点で、できるだけ早く金融機関に相談をすることです。それにより個々の事情や要望にあった最適な方法を選択しやすくなります。東京スター銀行では、豊富な商品と提案力でお客さま一人ひとりの事情にあわせた最適な方法をアドバイスしてもらえます。ぜひ早めのご相談を。

以上

【ライター情報】
蛯沢 路彦

早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務などを経て独立後、月刊誌「FX攻略.com」の編集長、その版元の株式会社Wa plus代表取締役を務める。退任後、マネー誌やウェブメディアにおいて、金融・経済の分野を中心に執筆活動を続ける。2020年11月、株式会社イノベクションを創業。

早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務などを経て独立後、月刊誌「FX攻略.com」の編集長、その版元の株式会社Wa plus代表取締役を務める。退任後、マネー誌やウェブメディアにおいて、金融・経済の分野を中心に執筆活動を続ける。2020年11月、株式会社イノベクションを創業。

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