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借金を返済する方法とは?返済計画や返済のコツなど完済への近道をFPが解説!

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掲載日:2023年8月7日
最終更新日:2023年8月18日

クレジットカードのキャッシングやカードローンなどを利用すれば、その日のうちに比較的簡単にお金を借りることができます。しかし、借り入れを繰り返していると返済額が高額になり、返済できない事態に陥ってしまうケースも珍しくありません。そこでこの記事では、借金の返済に悩んでいる方に向け、FPが借金を返済するコツについて詳しく解説します。

この記事は8分で読めます!

1. 借金返済に向け、まずやるべきこと

毎月の返済が苦しいと感じたら、まず、以下のことを行いましょう。

1-1.借金の現状を把握する

借入先はひとつなのか、それとも複数社あるのかを確認し、各社、毎月の返済額や返済残高がいくらあるのかなど、現在借り入れている内容を把握しましょう。借入先が複数社あるなら、返済日も異なると思います。各社の返済日もあわせて把握しておきましょう。

特に借入先が複数存在する場合、適用されている金利が異なるなど、毎月の返済においてどのくらいが元金部分の返済にあてられているのか、正確な内容をつかめないケースも考えられます。返済方法や毎月の返済額などから、完済までにあとどのくらい期間がかかるのかをシミュレーターを使って調べてみてもいいでしょう。

1-2.収入状況を確認する

自分がどのくらいの収入が得られるかは、雇用形態(会社員か自営業か)や勤務先の規模や勤務形態、またボーナスの有無によっても異なります。自身の状況を踏まえたうえで、確実に得られる収入を確認しましょう。残業手当やボーナスなどは不確定な要素があり、確実に得られる収入とはいえません。これらを除いた額がいくらあるのかを把握しましょう。

2. 返済計画を立てる

現状を把握したら、次は返済計画を立てていきましょう。ただ、返済計画といわれてもどのように立てたらいいのかわからない人も多いと思いますので、ここでは返済計画の立て方について解説します。

2-1.シミュレーションを行ってみる

収入状況を確認できたら、毎月の支出状況と照らし合わせてみましょう。そして、無駄な出費がないかを確認し、返済に回せる額(返済可能額)を求めます。毎月の返済可能額が分かったら、それを元にして現在の借入残高を完済するまでどのくらいの期間が必要になるのか、また完済時点の総返済額や利息負担額がどのくらいになるのかをシミュレーターを利用して調べてみましょう。

借入先が1社ならシミュレーションも1回で済みますが、複数社ある場合は借入先の数だけシミュレーションを行わなければなりません。借入先が複数社あるなら、後述のおまとめローンの利用も視野に入れてみましょう。シミュレーションを行った結果、総返済額が予想外に多かったとしても、おまとめローンにすることでこれまでよりも低い金利が適用され、返済総額を減らせる可能性があります。また、複数の返済をひとつにまとめるため、返済日もひとつにでき、返済計画を立てやすくなる点もおまとめローンのメリットです。

  1. ※1おまとめ後の返済状況によっては、おまとめしない場合と比較して利息の総支払い額が減らない可能性があります。特に、ご利用中のローンの平均お借り入れ金利がおまとめ後の適用金利(年率9.8%・12.5%・14.6%)以下の方は慎重にご検討のうえお申し込みください。

2-2.確実に返済できる無理のない返済計画を立てる

返済を続けている間も急な出費は発生します。そのときに手持ちのお金がなく、新たに借り入れなければならないという状況にならないよう、今後必要になる可能性のある金額を把握し、それを除いた金額で返済できるような返済計画の内容にすることがポイントです。具体的には、毎月の支出の3カ月分は緊急資金として確保しておき、それ以外の余剰資金を返済にあてることを考えましょう。

3. 借金の返済を早めるコツ

返済計画を立てたら、それにそって返済を行います。ただ、借入残高によっては完済までかなりの期間がかかり、気持ちが折れてしまうことも予想されます。その対策法として、ここでは借金の返済を早めるための「繰上返済」の利用や、「おまとめローン」の利用について解説します。

3-1.繰上返済を利用する

繰上返済とは、毎月の返済以外にまとまった金額を返済することです。返済額全額が元金の返済にあてられるため、完済までの期間を短くする効果があります。臨時の収入が入ったなど、家計の収支に余裕ができたら積極的に繰上返済を利用しましょう。

仮に、200万円を15%の金利で借り入れているとします。返済期間を10年とすると、毎月の返済額は3万2,267円です。そして、借り入れから2年後に50万円の繰上返済を行った場合、残りの返済期間が8年から4年9ヵ月に短縮されます。繰上返済額が30万円だった場合、残りの返済期間は5年10ヵ月になり、約2年の短縮効果が期待できるでしょう。返済期間が短縮できるということは、その間に支払うはずだった利息分も削減できることになります。

この場合の利息削減効果は、50万円を繰上返済した場合約77万円、30万円を繰上返済した場合だと約54万円です。利息削減効果は適用されている利息によって異なりますが、クレジットカードのキャッシングやカードローンは借り入れた資金の使いみちが比較的自由なため、高い金利適用される傾向にあります。その分、繰上返済による利息削減効果も大きくなります。

  • 上記試算は、金利年率15% 返済年数10年 元利均等月賦返済により行った概算となります。

3-2.おまとめローンの活用

借入先が複数社存在する場合は、おまとめローンを利用することで返済を早められる可能性があります。おまとめローンとは、複数社から借りているローンをひとつにまとめることで、これまでのローンを借り換えるローンです。

新しいひとつのローンにまとめて借り換えることにより返済残高が大きくなるため、これまでよりも低い金利が適用される可能性があり、総返済額および利息負担を減らせる可能性があります。

ただ、おまとめローンを利用するにあたり、新たに審査を受けなければなりません。そのため、転職直後や収入が以前より下がっているなど属性が悪くなっている場合は、審査に通らない可能性があります。また、過去に延滞などの信用事故を起している場合も審査に通らない可能性が高いと思ってください。

  1. ※1おまとめ後の返済状況によっては、おまとめしない場合と比較して利息の総支払い額が減らない可能性があります。特に、ご利用中のローンの平均お借り入れ金利がおまとめ後の適用金利(年率9.8%・12.5%・14.6%)以下の方は慎重にご検討のうえお申し込みください。

4. 今後、借金を作らないための心がけ

繰上返済やおまとめローンを利用し、無事に完済できたとしても、根本的な解決策をとらない限り同じことを繰り返します。そうならないためにも、以下の点を心がけましょう。

4-1.家計の見直し

まず、自分がなぜお金を借りなければならなくなったのか、その理由を自覚することが大切です。そのためには、家計を見直し、「どのようなものに、どのくらいお金を使っているのか」を把握するとともに、それが妥当な金額なのか、また本当に必要な支出なのかを考えてみてください。

あわせて、毎月一定額の支出である固定費(家賃、光熱費、通信費など)を、いまよりも抑えられないか考えることをおすすめします。月の削減額は少なくても、年間で考えると数万円単位の削減効果が生まれる場合も少なくありません。そうなれば、削減額分を余剰資金に回すことができ、急な出費に戸惑うこともなくなります。

4-2.余剰資金の使いみちを明確にする

毎月の返済がなくなれば、その分貯金に回せるでしょう。家計の収支を元に、ある程度の目標額を決めて貯蓄をする習慣を身につけましょう。ただ、ここで気をつけなければならないのは、その使いみちを明確にしておくことです。

毎月の支出額の3カ月分は緊急資金としておいておき、それ以外の金額は余剰資金として、子どもの教育費や冠婚葬祭など必要な時期に必要な額を準備できるようにしておきましょう。当面使う予定がない場合は、運用に回すことを考えてもいいかもしれません。

5. まとめ

借金を確実に返済するためには、借金の現状や自身の収入を確認し、無理のない返済計画を立てることが大切です。また、借金は返済期間が長くなればなるほど、返済計画が途中で破綻してしまう可能性が高くなります。余剰資金がある場合は、繰上返済やおまとめローンといった方法を活用して、返済を早められないか確認してみてください。

  1. ※1おまとめ後の返済状況によっては、おまとめしない場合と比較して利息の総支払い額が減らない可能性があります。特に、ご利用中のローンの平均お借り入れ金利がおまとめ後の適用金利(年率9.8%・12.5%・14.6%)以下の方は慎重にご検討のうえお申し込みください。

以上

CFP®認定者/一級ファイナンシャルプランニング技能士/DCプランナー/住宅ローンアドバイザー/証券外務員等の資格を保有し、コンサルタントとしての個人向け相談のほか、資産運用等上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、年間300件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

CFP®認定者/一級ファイナンシャルプランニング技能士/DCプランナー/住宅ローンアドバイザー/証券外務員等の資格を保有し、コンサルタントとしての個人向け相談のほか、資産運用等上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、年間300件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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