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クレジットカードで繰上返済するメリット|やり方についても解説

  • #繰上返済

掲載日:2024年2月13日

クレジットカードの返済方法には「一括払い」や「分割払い」のほか、「リボルビング払い」があります。返済額は毎月指定された日に口座から引き落とされますが、繰上返済ができることを知っている方は意外と少ないかもしれません。

そこでこの記事では、お金の専門資格FPを持つ筆者が、繰上返済を行うことで得られるメリットや、クレジットカードを繰上返済する方法などを解説していきます。

この記事は7分で読めます!

1. クレジットカードの返済方法

クレジットカードの返済方法には、「翌月一括払い」「分割払い」「リボルビング払い」があり、利用時に選べるようになっています。また、利用後も必要に応じて返済方法を変更することが可能です。ただ、変更できる期間はクレジットカード会社によって決まっていますので事前に確認しておきましょう。ここではそれぞれの返済方法の特徴と注意点について解説します。

翌月一括払い

翌月一括払いは、クレジットカード会社が定める期間内に利用した金額を翌月に一括で支払う方法です。一括払いの計算期間はクレジットカード会社によって異なりますので、事前に確認しておくことが大切です。翌月一括払いの場合、手数料負担を抑えられるのがメリットですが、高額な買い物をしたときには引き落とし前までに口座にお金を準備しておかなければなりません。

仮に引き落とし日に口座の残額が不足していた場合、引き落としができず滞納扱いになってしまいます。普段翌月一括払いを利用している場合には、次回の引き落とし日と引き落とし金額を事前に確認し、忘れないように口座にお金を準備しておきましょう。

分割払い

分割払いは、クレジットカード会社が定めている回数に分けて支払う方法です。「何回以上の分割から手数料が発生するか」は金融機関によって異なるので、詳しくは利用している金融機関に確認するようにしましょう。

分割できる回数はクレジットカード会社によって異なりますが、一般的に3回〜24回と設定されています。そして、利用する際にはこの回数の中から自分で分割払いの回数を指定できます。

分割で支払うことで月々の家計への負担を一括払いより抑えることができるでしょう。ただし、完済までに時間がかかり分割回数に応じた手数料が加算されます。また、分割回数が多いほど手数料負担が増えるため、返済額が多くなる点に注意が必要です。

リボルビング払い

リボルビング払いは、クレジットカードの利用金額や件数にかかわらず毎月一定の額を返済する方法です。リボルビング払いも分割払いと同様に手数料が発生しますが、分割払いの手数料が分割回数によって決まるのに対し、リボルビング払いの手数料は毎月の利用残高に応じて決まります。

「毎月の返済が一定になるから」とリボルビング払いを繰り返し利用していると、利用残高が高額になり、その分手数料も高額になる点に注意が必要です。また、毎月一定金額を返済する特徴から、利用残高が高額になると返済期間も延び、手数料負担が大きくなる点も覚えておきましょう。リボルビング払いには「元利定額方式」「元金定額方式」「残高スライド方式」の3つがあります。それぞれの違いは以下のとおりです。

  1. 1元利定額方式

    毎月支払う金額の中に手数料を加えて支払う方法で、返済が進むにつれ利用残高が減っていきます。毎月支払う金額は変わりませんが、支払う金額に占める手数料の割合が変化します。

  2. 2元金定額方式

    毎月支払う返済額を一定にし、それに手数料を加えて返済する方法です。手数料は利用残高に応じて計算されるため、毎月支払う額が異なる点に注意しておきましょう。

  3. 3残高スライド方式

    利用残高に応じて返済額が異なる方式です。たとえば、利用残高が10万円までの場合、毎月の返済額は1万円、利用残高が10万円〜20万円の場合、毎月の返済額が2万円になるといった形です。利用残高に応じた返済額はクレジットカード会社によって異なります。事前に確認しておきましょう。

2. クレジットカードの繰上返済とは?

クレジットカードの繰上返済とは、クレジットカードでの利用金額を「指定された引き落とし日よりも前」にクレジットカード会社に支払うことです。繰上返済には、一部繰上返済と一括繰上返済があります。家計の余裕状況を考慮しながら、どちらにするかを選択しましょう。

3. クレジットカードで繰上返済するメリット

クレジットカードで繰上返済を行うことで、どのようなメリットが得られるのでしょう。ここでは、繰上返済を行うことで得られるメリットについて解説します。

利用可能額が回復する

繰上返済を利用すると、クレジットカードのショッピング利用枠やキャッシング利用枠が回復します。利用枠ギリギリで利用できないといった事態を避けることができるでしょう。

手数料の負担を抑えられる

分割払いやリボルビング払いを利用すると手数料が発生します。このとき繰上返済を利用して早く支払えば、本来発生するはずだった手数料負担を抑えられます。繰上返済の返済額はすべて元本の支払いにあてられますので、利用残高によって手数料が決まる方式の「リボルビング払い」を選択しているならぜひ活用しましょう。

一方、分割払いは分割回数によって手数料が異なる仕組みですが、繰上返済を行い、分割回数を減らすことで手数料の負担を抑えられます。特に分割回数を多く設定している場合に、有効な手段といえるでしょう。

4. クレジットカードで繰上返済するやり方

クレジットカードで繰上返済を行うやり方には以下の2つがあります。

クレジットカード会社の口座へ振り込み

まず、クレジットカード会社に連絡し、繰上返済を行いたい旨を伝えましょう。その後、クレジットカード会社が指定した口座に振り込みます。このときの振込手数料は自己負担になる可能性がありますので、振込手数料の優遇がある口座を持っているなら、その口座を利用して振り込むと良いでしょう。

ATM

金融機関のATMやコンビニに設置されている提携ATMを利用して繰上返済を行う方法で、クレジットカードと暗証番号が必要になります。また、金融機関のATMでは1,000円単位など返済できる金額単位が決まっているケースもありますので、事前に確認しておきましょう。

また、クレジットカード会社によっては、次回の引き落とし日に繰上返済分を増額して引き落してくれるところもあります。クレジットカード会社に繰上返済を行いたいと伝える際に、どのような返済方法が用意されているのか聞いてみてください。その中で自分に合った返済方法を選びましょう。もちろん、増額での引き落としを選ぶ際には、事前に口座に入金しておくことを忘れないようご注意ください。

5. クレジットカードで繰上返済する際の注意点

クレジットカードで繰上返済を行う際には、以下の2点に注意しておかなければなりません。繰上返済を行う前に、必ず確認しておきましょう。

繰上返済ができない期間がある

クレジットカード会社は一定期間の利用額を計算し、返済額に反映させます。そのため、締め日前だと利用額が確定しておらず、繰上返済できないことがあります。繰上返済を行いたい旨をクレジットカード会社に連絡する際、いつから繰上返済が可能なのか確認するようにしましょう。

一部繰上返済と一括繰上返済では返済方法が異なる場合がある

返済額の一部を繰り上げて返済する場合と、残りの返済額を一括返済する場合とでは、手続きが異なるケースがあります。たとえば、一部繰上返済であれば、アプリなどで対応できるクレジットカード会社もありますが、一括繰上返済の場合、クレジットカード会社のコールセンターに連絡し、その後最終的な返済額の確認を行うなど、一部繰上返済よりも手間がかかります。そのため、一括繰上返済を行う場合には、なるべく早めにクレジットカード会社に電話をして手続きをはじめるようにしましょう。

6. まとめ

ご紹介したようにクレジットカード会社の返済方法には、翌月一括返済・分割払い・リボルビング払いという3つの方法があり、余裕があるときには繰上返済という方法を選ぶこともできます。繰上返済の方法はATMの利用や指定された口座への振り込みなどがありますので、自分に合った方法を選んでみてください。繰上返済で手数料負担を抑えられることは大きなメリットです。

また複数社から借り入れがあり、返済負担が大きくなっている場合には、カードローンへの借り換えやおまとめローンを活用して利息負担を抑えつつ返済するという方法もあります。今よりも毎月の返済額を抑えられる可能性があるほか、おまとめローンは返済に特化したローンですので、まず、現在の利用残高を完済したいと考えている方におすすめです。

  1. ※1おまとめ後の返済状況によっては、おまとめしない場合と比較して利息の総支払い額が減らない可能性があります。特に、ご利用中のローンの平均お借り入れ金利がおまとめ後の適用金利(年率9.8%・12.5%・14.6%)以下の方は慎重にご検討のうえお申し込みください。

CFP®認定者/一級ファイナンシャルプランニング技能士/DCプランナー/住宅ローンアドバイザー/証券外務員等の資格を保有し、コンサルタントとしての個人向け相談のほか、資産運用等上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、年間300件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

CFP®認定者/一級ファイナンシャルプランニング技能士/DCプランナー/住宅ローンアドバイザー/証券外務員等の資格を保有し、コンサルタントとしての個人向け相談のほか、資産運用等上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、年間300件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

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