借りる・返す

おまとめローンで600万円の借り換えは成功する?具体的方法とポイント

  • #おまとめローン
  • #お金を借りたい

掲載日:2024年8月19日

複数の金融機関や消費者金融などで借り入れしている方は、おまとめローンを利用して一つの借り入れにまとめることで返済負担を減らせる可能性があります。

おまとめローンは不動産担保ローンのように担保がなくても利用できますが、審査があり、借り換えにあたって注意点もあります。特に、600万円と高額の借り換えとなると、しっかり準備し慎重に進めることが必要です。

この記事では、おまとめローンで600万円の借り換えを成功させる方法や審査に通らないときの対処法などについて解説します。

この記事は10分で読めます!

1. おまとめローンの概要

おまとめローンは、ほかのローンと何が違うのか、メリットや注意点も含めて解説します。

1.1 おまとめローンとは?

おまとめローンは、複数の金融機関や消費者金融などからの借り入れを、1つにまとめて返済していくローンです。1本化することで、金利や返済額の負担を減らし、返済しやすくするために利用されます。

同様に、既存の借り入れを新しい借入先に借り換えるローン全般を「ローンの借り換え」といいます。おまとめローンは、ローンの借り換えのひとつといえますが、複数の借り入れをまとめる点に特徴があります。

1.2 おまとめローンのメリット

  • 金利が下がる可能性がある

おまとめローンにすることで金利を下げられる可能性があります。

例えば、複数の借入先の金利が、それぞれA社:18%、B社:15%、C社:16%の場合に、金利13%のD社のおまとめローンにまとめるということです。

これは、利息制限法という法律が関係しています。利息制限法第1条では、借入金額の元本に応じて次の利率を超えないように制限しています。

利息制限法第1条
元本の額 利率
10万円未満 年2割
10万円以上100万円未満 年1割8分
100万円以上 年1割5分
出典:e-Gov 法令検索「利息制限法第1条」

つまり、借入元本が少なく高い金利が適用されているローンを1つにまとめることで、借入元本が増え、適用金利を下げられる場合があるということです。

  • 返済負担を軽減できる

複数のローンを1本化することで毎月の返済額を軽減できる可能性があります。

毎月の返済額は、適用金利や返済期間など返済条件によって決まります。
異なる条件で返済中の複数のローンをおまとめローンで1本化することで、新たな返済条件で借り換えることができ、その条件によっては返済負担を軽減できる場合があります。

毎月の返済額が減ることで、返済を継続しやすくなることもあるでしょう。

また、ローンをまとめることで、これまでばらばらだった返済日や返済金額を管理しやすくなります。このように、返済額や返済管理の負担を軽減できる点はメリットといえます。

1.3 おまとめローンの注意点

  • 返済総額が増える可能性がある

一方で、おまとめローンの注意すべき点もあります。

おまとめローンでまとめる際、返済期間が長くなることなどにより、返済総額が増える可能性もある点には注意が必要です。

おまとめローンを利用することで毎月の返済額を減らすことができた場合でも、従来よりも返済期間が長くなることで返済総額が増える可能性があるため、注意が必要です。

  • ローン申込時に審査がある

おまとめローンは、既存の複数のローンを解約して、新規で1つのローンに借り換える手続きです。そのため、申込時には審査があり、それぞれの金融機関が設定する融資条件をクリアしなければなりません。

複数の借り入れをまとめる分借入金額が増え、借り換え時点の年齢や収入などで審査されるため、状況によっては審査が厳しくなる場合もあります。

  • 追加の借り入れはできない

おまとめローンは、返済期間中に追加の借り入れは基本的にできません。これは、おまとめローンが借入金の完済を目的とした金融商品だからです。

そのため、おまとめローンに借り換え後、さらに資金が必要になっても、基本的には追加の借り入れは難しくなります。

おまとめローンを利用する場合、追加の借り入れが必要な状況に陥らないように注意しておきましょう。

2. おまとめローンで600万円の借り換えを成功させる方法

おまとめローンの融資限度額は金融機関で異なりますが、600万円の借り換えは高額と言えるでしょう。600万円の借り換えを成功させる方法について解説します。

2.1 慎重に金融機関を選ぶ

まず、借り換え先の金融機関などを慎重に選ぶことが必要です。

おまとめローンは銀行を中心に消費者金融などでも取り扱いしており、商品の特徴や借入条件はそれぞれ異なります。

借入金利や返済期間、融資限度額など商品の特徴は違い、また、借り入れ時の年齢や職業、最低年収、借り換えの対象となる資金使途などの借入条件も異なります。

まずは、自分の状況に合わせて、対象となる銀行などを慎重に比較・検討することが必要です。

2.2 申し込む前に条件を確認する

申し込む前に条件を確認しましょう。
おまとめローンは、安定した収入のある人が利用しやすい商品です。既存のローンを借り入れしたときと比べて、勤務先や収入が変わっている可能性もあります。ほかにも、雇用形態や勤務先など、審査対象となる項目について、変わっていないかしっかり確認しましょう。

2.3 複数のおまとめローンに申し込みをしない

複数のおまとめローンに申し込みしないようにしましょう。
1度にまとめて審査を申し込むと多重申請となり、複数の記録が信用情報に登録されます。最終的には1社に絞るとしても、短期間に何件もの申し込みをすると金融機関の印象が悪くなり、審査上不利にはたらく場合があります。

おまとめローンは、1社ずつ申し込むようにしましょう。

3. おまとめローンで600万円の借り換えを成功させるための条件

おまとめローンの借り換えを成功させるためには金融機関からの信用度が大切です。ここでは、金融機関から信頼されるために必要な要素について解説します。

3.1 安定した収入がある

おまとめローンの貸付条件として、もっとも大切なのは安定した収入があることです。特に、借換金額が600万円と高額になると、継続して安定した収入があることが必須条件といえるでしょう。

貸付利率は、金融機関や審査内容によって変わりますが、参考として、500・600・700万円を借り換えした場合の返済額がどれくらいになるかまとめてみました。

貸付利率
借入金額 500万円 600万円 700万円
毎月返済額 73,188円 87,825円 102,463円
※ 上記計算は、金利年率12.5%返済年数10年元利均等月賦返済により行っています。
※ お借り入れの日程により、上記より少ない金額になる場合があります。

借り換え前の返済額より減る可能性があるとはいえ、600万円の借り換えの場合、10年間毎月9万円近くの支払いを継続することが必要です。雇用形態も含めて安定した収入が求められるため、高額な借り換えとなると、アルバイトやパートでは審査的に厳しい場合も多くなるでしょう。

600万円のおまとめローンを成功させるには安定した収入が必要です。

3.2 借入件数が多すぎない

借り換え前の借入件数もポイントとなります。

同じ600万円でも借入先が3社と5社では、審査の通りやすさは異なる可能性があります。その理由として、借入先が多い人は、借金に対する計画性がないと評価されてしまう可能性があるからです。

通常、借り入れをする際には、必要資金を計算し、返済の手間を減らすためにも借入先を少なくすることを考えます。そのため、借入先の金融機関が多いと、当初より計画性がない、やみくもに借りているのではと判断されやすく、審査上不利になる可能性があります。

そのため、借入先のなかで借入残高が少ないものがあれば、審査前に完済しておいたほうがよいでしょう。

3.3 勤続年数が長い

勤続年数が長いことも、審査に通りやすくなる大切な要素です。勤続年数が長ければ、退職の可能性も低く、安定した収入があると判断されやすいでしょう。

反対に、転職回数が多く勤続年数が短いと、継続性の点から収入の安定性がないと判断されやすくなります。600万円を借り換える場合、返済期間も長期化しやすいため、継続して安定した収入が求められます。

4. おまとめローンの審査に落ちてしまう理由

おまとめローンの審査に落ちてしまう理由について解説します。

4.1 一定の返済能力を求められるから

おまとめローンでは一定の収入が求められ、通常のローンよりも審査が厳しい傾向にあります。そのため借入金額に対して、必要な返済能力がないと判断されると審査は通りません。

既存の借り入れ1つ1つがそれほど多くなくても、1つにまとめることで融資金額は大きくなります。特に、担保が必要ないまとめローンの場合、融資金額が大きいほど金融機関にとっても貸し倒れリスクも大きくなります。そのため、融資にあたり、金融機関は一定の返済能力を条件として求めるわけです。

また、返済能力は収入の高さだけではありません。継続して返済できる安定性も必要です。審査基準は金融機関で異なります。申込者が安定性を判断することは難しいため、収入面で不安がある場合、WEB上の事前診断利用してみましょう。

ただし、WEB上の事前診断は簡易的に審査するもののため、事前診断通ったとしても必ずしも本審査が通るわけではありません。

4.2 借入残高や件数が多いから

返済能力に対して借入残高、あるいは借入件数が多いために審査に落ちてしまう可能性があります。

借入残高が多ければ、返済能力を判断する基準の1つである「返済負担率」にも影響します。

返済負担率は、年収に対して年間の返済額が占める割合です。金融機関によって異なりますが、一般的に20~40%以下に抑えることが目安となります。

例えば、年間の返済額が100万円だとすると、返済負担率を20%以下に抑えるためには年収500万円(100万円÷20%=500万円)が必要です。

審査基準は金融機関によって異なりますが、返済負担率が高すぎると、継続的に返済し続けることが困難と判断され審査に落ちる可能性があります。

4.3 信用情報機関に事故情報などが登録されているから

信用情報機関に事故情報が登録されている場合、審査に通ることは難しくなります。事故情報の内容と登録期間について、次の表にまとめました。

事故情報の内容と登録期間
事故情報の内容と登録期間
内容 登録期間
延滞の場合 5年
任意整理の場合 5年
自己破産や個人再生の場合 5年~10年
出典:株式会社日本信用情報機構「信用情報の内容と登録期間」

信用情報機関には、加盟する金融機関などからローンやクレジットに関する取引情報が登録されています。消費者の信用情報を管理、提供することで適切な信用取引を図るためのもので、債務整理などの事故情報があると、内容によって5~10年間記録が残ります。

債務整理の1つである個人再生は、裁判所に返済が困難であることを認めてもらうことで、借金を大幅に減額し、原則3年間で返済する方法です。

5. おまとめローンの審査に通らない際の対処法

最後に、おまとめローンの審査に通らないときの対処法について解説します。

5.1 自分の借入状況を把握する

審査に落ちた場合、金融機関からその理由について教えてもらうことはできません。まずは、対策を立てるためにも、改めて借入状況などを把握し、落ちた理由を考えてみるが必要です。

考えられる理由はいくつかあります。

  • 借入件数が多い
  • 収入に対して借入金額が多い
  • 勤続年数が短い
  • 雇用形態が不安定
  • 信用情報に傷がある など

段階的に借入件数や借入金額を減らすなどの対策をとることで、再度申し込みすると通る可能性があります。

但し、短期間で再度申し込みをしても審査に通る可能性は低いと考えられるため、少なくとも1年程度はしっかりと返済を進めてから申し込む方がよいでしょう。

5.2 金融機関に相談する

現在の借入先の金融機関に相談してみるのも1つの方法です。

状況によっては、借入金額を増額しほかの借入金をまとめることで、金利が下がる場合もあります。また、返済条件の変更など、返済負担を一時的に軽減する方法を提案してもらえる可能性もあります。

5.3 債務整理を検討する

おまとめローンの利用が難しく、返済の継続が難しい場合。債務整理も検討してみましょう。

債務整理には、「任意整理」「個人再生」「自己破産」「特定調停」の4つの方法があり、それぞれ手続きや債務整理の効果は異なります。

債務整理をすることで、事故情報に登録され、一定期間はクレジットカードを持つこともできませんが、借入金を大幅に減らせたり、ゼロにできる可能性もあります。

債務整理には、債権者との交渉や裁判所へ提出する書類の作成などが必要なため、弁護士や司法書士など専門家に相談するとよいでしょう。

6. 600万円のおまとめローンを成功させるために

おまとめローンは、複数のローンを1つにまとめることで金利や毎月の返済額を楽にするだけでなく、返済管理もしやすくなる点がメリットです。

ただし、審査を通過しなければなりませんし、基本的に追加融資を受けられないなどの制約もあります。

特に、600万円という高額な資金を借り換えるとなると、借入期間も長くなり、審査申込の前にしっかり準備する必要があります。審査時点の年収や借入件数などを踏まえ、既存の借り入れのうち完済できるものがないかなどを含めて、審査申込の際は慎重に進めることが重要です。

おまとめローンの申し込みにあたり、不安や疑問がある場合、金融機関へ相談もしくはWEB上の事前診断を申し込むとよいでしょう。

  • 本記事に記載された情報は、掲載日時点のものです。
    お問い合わせ先などの情報や掲載内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。
  • 当行は、細心の注意を払って情報を掲載しておりますが、記事内容の正確性、信頼性、最新情報等であることに関して保証するものではございません。

関連記事

おすすめ情報