資産を守るために外貨資産を保有する
- #資産運用
- #外貨預金
掲載日:2018年11月1日

興味はあるけれど、リスクもありそう。
外貨預金をもつメリットをご紹介いたします。
この記事は4分で読めます!
1. 外貨預金での運用を考える
1.1 ケーススタディ〜登場人物〜

- 須田(すだ)さん
- IT企業に勤める男性。今まであまり詳しくなかった金融商品について、勉強を始めたところ。主にインターネットやマネーに関する雑誌などで、情報収集をしている。

- 東(あずま)さん
- 金融機関に勤める女性。ファイナンシャルプランナー資格を持つ。
須田さんの大学時代の後輩。須田さんから、時々金融商品の相談を受けている。
須田さんが、「外貨預金」について詳しく知りたくなって、東さんに質問をしました。
1.2 外貨預金のメリットと難しさ

それは、円高の時に外貨を買い、円安になったら売って為替差益をねらいたいという事ですよね。

そうだね、それが外貨預金の醍醐味じゃないの?
買ったときより円高になって損しちゃう可能性があるから、ちょっと不安になるけどね。

もちろん、為替差益をねらえるのが外貨投資のメリットですよね。
為替差損などのリスクもちゃんと理解しているのであれば、有用な投資方法だと思います。
でも、須田さん、プロでさえ為替の動きを正確に予想するのは難しいですから、タイミングに細心の注意を払ったとしても利益がでるかどうかは誰にも保証できないと思いますよ。
2. 外貨預金をもつ意義を考える
2.1 外貨預金でリスクヘッジ

そうなんだ。
外貨で儲けよう!と思ったのに、難しいんだね。
他の金融商品を考えようかな。

そんなにすぐにあきらめないでください。
実は外貨を持つということは、増やすことをねらうだけでなく、今持っている資産のリスクヘッジとしての役割があるんです。

外貨で資産のリスクヘッジって?

リスクヘッジは、損失を回避したり軽減したりする目的で行います。
資産を日本円だけで持っていることは、同じ性質を持つ資産に集中投資していることになり、特定の状況に対してリスクが高い状態だと言うことができます。
万一日本円が暴落したら、保有資産の価値が大きく減ってしまうことになります。
外貨預金は、そのリスクを低減し資産防衛のための運用方法としても重要な意味があります。

集中させていることが高いリスクか・・・
「全部の卵を同じカゴに盛ってはいけない」っていう格言は有名だね。

その通りです!
2.2 円資産だけでもっているデメリット

でも、日本で暮らして日本円でしか買い物しないのに、円資産だけだと、どんなことで困るの?

日本で暮らしていると実感があまりないかもしれないのですが、日本円の価値は、為替レートによって変わります。
例えば、日本は小麦粉は大部分を輸入に頼っているんですが、円安の影響で値上がり、といったニュースをみたことありませんか。

そういえば、ガソリンの値段も円安で上がった記憶があるよ。

日本は食料品や燃料などの多くを輸入していますから、円高・円安の動きが日常生活に与えるインパクトは案外大きいんですよ。
輸入品の価格が全て為替レートで決まるということではありませんが、円安になると日本円の購買力が下がり、結果として物価が上がり、同じお金で買えるものが少なくなるということが言えます。

なるほどね、多くの物を輸入品に頼っている日本では、物価は為替レートに大きく影響を受けるから、日本国内にいても、円資産だけで持っておくと、大きく円安に動いた場合に購買力、つまり資産の価値が下がるってことか。
2.3 為替変動による円資産の価値の下落を緩和

さすが須田さん。
ですから、為替レートの変動による円の資産価値の下落を軽減する目的で外貨資産の保有もお勧めしているんです。
外貨資産を持っていれば、円安になっても円の資産価値が下がった分、外貨の資産価値が上がって相殺効果が期待できるということです。
逆に円高になったら、外貨の資産価値の下落は、円の資産の価値の上昇で相対的に補完されることになります。

外貨資産を持つことで、為替変動による円資産の価値の下落を緩和することができるんだね。
外貨を買うことにそんな意味があるとは・・・勉強になったよ。
でもさ、複数の通貨の資産管理をするのって面倒だなぁ。

確かにそうですが、リスクヘッジは「ただ」ではできないんです。
卵を別々のカゴに分けるにしても、複数のカゴを用意しなくてはいけないですし、管理の手間も増えます。
それに、今後為替レートが円高方向にしか動かなかったと仮定すると、円だけで資産を保有していた方が、外貨預金を買っていた場合よりも、結果として資産価値は高くなりますから、増えたかもしれない分をあきらめなくてはいけません。
コストをかけ、得られたかもしれない利益の一部を放棄してでも資産の大きな目減りを回避する、というリスクヘッジの基本的な考えは、日本ではまだ浸透してないかもしれないですね。

「ただ」でオイシイ話はないってことだね。
よし、資産防衛のために僕も外貨預金をはじめてみようかな。

外貨預金をしすぎて生活に必要な円が足りなくなったりしたら本末転倒ですから、バランスにも気をつけてくださいね。
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最近、外国為替市場がいろいろ話題になっているみたいだから外貨を買おうかと思ってるんだけど、いまひとつタイミングがつかめなくて・・・
いつ買うのがいいのかな?