定期預金とは?普通預金との違いやメリット、定期預金の始め方
- #定期預金
掲載日:2024年8月19日
定期預金とは、預け入れのときに満期日が決まる預金です。元本割れのリスクがなく、普通預金よりも高い金利が適用されるメリットがあります。
安全に保有しておきたい資産の置き場として、定期預金は適しているといえるでしょう。しかし、定期預金にはデメリットもあるため、特徴を理解したうえで利用するか判断してください。
こちらの記事では、定期預金の特徴やメリット、デメリットなどを解説します。
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1. 定期預金の基礎知識
定期預金とは、金融機関が提供している金融商品のひとつです。普通預金とは異なる期間が決まっており、原則として預けている期間中は引き出せません。
まずは、定期預金の基本的な情報から解説します。
1.1 定期預金とは
定期預金とは、あらかじめ預入期間を決める預金商品です。普通預金は、必要に応じて金融機関やコンビニのATMなどで気軽に引き出せますが、定期預金は自由に引き出せません。
なお、金利タイプや預入期間は金融機関によって異なります。預入期間は短いもので1週間や1ヵ月程度、長いもので10年程度です。
ライフプランに応じて預入期間を選択できるため、計画的に利用できる金融商品です。
1.2 普通預金と定期預金の違い
普通預金は、預け入れや引き出しを自由に行えます。自動引落口座の指定や口座からの振り込みなども行えるため、流動性と利便性の高さに特徴があります。
一方で、定期預金は満期日まで基本的に引き出せません。引き出しの制約を受ける反面、普通預金より金利が高く設定されるため、収益性を比較すると定期預金に分があります。
引き出しに制約を受ける定期預金ですが、当座貸し越しにより担保となることがあります。当座貸し越しとは、普通預金の残高が不足したときに、定期預金を担保として不足金額を借りられるサービスです。
当座貸し越しの契約をしている場合、普通預金の残高が不足すると定期預金を担保にして借入が可能になります。
1.3 満期になった定期預金の取り扱い
あらかじめ決められた期間が満了して満期を迎えた定期預金は、「自動継続」か「解約」となります。
自動継続には「元利自動継続」と「元金自動継続」があり、それぞれ以下のように満期後の取り扱いが異なります。
- 元利自動継続
満期日に元金と税引後利息を、同一預入期間の円定期預金(満期日の店頭表示金利)で自動継続する - 元金自動継続
満期日に税引後利息を円普通預金(店頭表示金利)に入金し、元金のみ同一預入期間の円定期預金(満期日の店頭表示金利)で自動継続する
解約となる場合は、満期日に元金と税引後利息が普通預金(店頭表示金利)に入金されます。満期時の取り扱いは金融機関によって異なるため、預け入れる前に確認しておきましょう。
2. 定期預金の主な種類
定期預金の中には、預け入れる金額や預け入れる方法によっていくつか種類があります。
以下で、定期預金の種類を解説します。
2.1 一般定期預金
一般定期預金とは、期間を決めて、まとまった金額を満期まで預け入れるタイプの定期預金です。預け入れる期間は「1週間」「1年」「10年」など金融機関によって異なり、複数の選択肢から期間を選べるケースが一般的です。
「いつ使うのか」「いくら必要なのか」がある程度決まっているとき、一般定期預金を活用するとよいでしょう。
2.2 積立定期預金
積立定期預金とは、決まった金額を定期的に普通預金から定期預金へ積み立てる商品です。「毎月〇日」のようにあらかじめ積み立てる日にちを設定し、その日にちになったら普通預金から定期預金へ自動的に振り替えられます。
最低預入金額は金融機関によって異なり、満期日は積立期間が終了し、据え置き期間が経過した日となります。目標の貯金額が明確で、目標達成のためにコツコツ貯金をしたい人に向いている商品といえるでしょう。
2.3 期日指定定期預金
期日指定定期預金は、預け入れしてから一定期間を経過した後に満期日を決められる定期預金です。指定した満期日が訪れたら自由に引き出せるため、直近で使う予定はないものの、都合に合わせて引き出したいというお金の預入先として向いています。
一般的に、期日指定定期預金には1年間の据置期間があります。最長預入期間は3年以内が一般的で、満期日は自由に設定できますが、利息は1年ごとの複利計算方式となるため長く預けるほど有利です。
3. 定期預金の金利タイプ
定期預金によって、固定金利と変動金利のどちらが適用されるか異なります。
また、利息の計算方法に関しても単利と複利に分かれるため、それぞれの違いについて解説します。
3.1 「固定金利」と「変動金利」の違い
固定金利とは、預け入れた時点での金利が満期日まで適用されるタイプの定期預金です。金融機関によっては「スーパー定期」と呼ばれることもあります。
固定金利では、預け入れたあとに市場金利が変動しても、預け入れたときの金利が満期まで適用されます。金利上昇局面においては、将来的に受け取れる利息が少なくなってしまう可能性がある点に注意が必要です。
変動金利とは、適用金利が一定期間ごとに変更されるタイプです。適用金利が見直されるスパンは金融機関ごとに異なるため、事前に条件を確認しておきましょう。
金利上昇局面において変動金利で預け入れると、将来的に受け取れる利息が増える可能性があります。一方で、金利が下降すると受け取れる利息が少なくなる可能性がある点に注意が必要です。
3.2 「単利」と「複利」の違い
定期預金を利用する際には、単利と複利の違いも抑えておきましょう。効率よく資産を増やしたい場合は、複利での運用をおすすめします。
単利とは元本に付いた利息を受け取り、元本のみ運用する方法です。一方で、複利は元本についた利息も運用に回し、元本と利息を運用します。
複利のほうが運用する金額が増えるため、預け入れる期間が長期になるほど効率よく資産を増やせます。元利自動継続の定期預金なら複利効果を得られるため、資産増加の効率性を重視する場合は元利自動継続を選択しましょう。
4. 円定期預金のメリット
円定期預金は元本割れのリスクがないため、安全に資産を運用できるメリットがあります。
ほかにも円定期預金のメリットがあるので、以下で詳しく解説します。
4.1 利回りが安定している
円定期預金は預け入れた元本に対して、事前に決められた金利で利息がつく点が特徴です。普通預金に預けるより金利が高い傾向にあるため、普通預金以上の利息を安定的に受け取れます。
株式や債券などのリスク資産に投資すると利回りが変動しますが、事前に金利が決まっているため、安定して運用できる点は円定期預金のメリットです。
4.2 手数料がかからない
円定期預金は、口座開設するときだけでなく、預け入れや中途解約などをする際にも手数料はかかりません。コストを負担せず、気軽に利用できる点は円定期預金のメリットといえます。
ただし、中途解約すると預入時とは異なる金利が適用されるのが一般的です。受け取れる利息が少なくなる可能性がありますが、元本割れはしないため、何らかの事情で解約を迫られたとしても安心です。
4.3 リスクなく資産運用ができる
円定期預金は、元本割れのリスクがありません。株式市場や為替変動による影響を受けることなく、安全に運用できるメリットがあります。
リスクがないうえに円普通預金以上の利息を受け取れるため、資産運用の初心者の方でも始めやすいでしょう。「元本割れは絶対に避けたい」と考えている方にとって、円定期預金は向いています。
ただし、変動金利型の場合は金利変動によって受け取れる利息が変動する点に留意しましょう。
4.4 期間を細かく設定して運用できる
円定期預金は1週間や1ヵ月などの短期的な預け入れや、5年や10年にわたる長期的な運用に対応しています。
期間を細かく設定して運用できるため、ライフイベントを見越して計画的に貯金できる点は円定期預金のメリットです。
積立定期預金を利用すれば計画的に積立貯金ができるため、貯金が苦手な方でも目的に合わせて資産形成を進められるでしょう。
4.5 預金保険制度の対象となる
円定期預金は預金保険制度の対象です。預金保険制度とは、金融機関が破綻したときに預金者1人あたり元本1,000万円とその利息等の合計額が保護される制度です。
金融機関が破綻するリスクはゼロではありません。万が一の事態が起きても資産は保護されるため、定期預金は安心して利用できるでしょう。
5. 円定期預金のデメリット
円定期預金には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。
メリットだけでなくデメリットも押さえたうえで、活用すべきか検討してみてください。
5.1 満期日前に解約すると金利が下がる
円定期預金を満期日前に解約すると、一般的に適用金利が下がります。途中解約のペナルティとして「中途解約利率」や「期日前解約利率」が適用されるためです。
つまり、満期日前に解約すると、預入時点で想定していた利息を受け取れない恐れがあります。円定期預金を利用する際には、中途解約をしない前提で預け入れることにしましょう。
なお、金融機関によっては預入金額の一部を解約できる商品を取り扱っています。預入を検討している金融機関がどのような商品を取り扱っているか、事前に確認しましょう。
5.2 運用効率が低い
円定期預金は、投資性商品と比べて比較的金利が低い傾向にあります。
資産運用の世界では、リスクとリターンは比例するのが原則です。円定期預金のように元本が保証されているローリスクの商品は、運用効率が低くならざるを得ません。
円定期預金は安全にお金を運用する手段として適していますが、大きな運用益を狙うには適していない点に留意しましょう。
6. 定期預金の始め方
実際に定期預金を始める際の具体的なステップを紹介します。
Step1. 預金先を選ぶ
まずは預金先を選びます。金融機関によって預入期間や適用金利などの条件が異なるため、事前に確認しましょう。
預け先となる金融機関を選ぶ際には、預入期間の種類や適用金利、キャンペーン・特典の有無などを確認しましょう。また、預金保険制度の対象かも確認しておくと安心です。
Step2. 定期預金の条件を決める
多くの金融機関は1万円以上1円単位で定期預金を始められるため、預け入れる金額を決めます。普通預金にも十分な預金を残しておき、当面は手元になくても問題ない金額を預け入れることにしましょう。
預入期間は、自分や家族のライフイベントに合わせて、決めることをおすすめします。預入期間が長くなるほど金利は高くなりますが、必要なときにお金を手元に用意できるようにシミュレーションしましょう。
さらに、満期後の取り扱いについても確認が必要です。自動継続されるか解約されるかによってお金の動きが異なるため、満期後の資金用途を踏まえたうえで最適な取扱方法を選択しましょう。
Step3. 口座を開設する
預金先と預け入れる条件を決めたら、実際に金融機関で口座を開設します。
メガバンクや地方銀行、ネット銀行などさまざまな金融機関が定期預金を取り扱っています。口座開設方法は窓口での手続きのほか、郵送やインターネットなど金融機関ごとに異なるため、ホームページで確認してみてください。
7. 定期預金とは安全に運用できる金融商品!自分や家族のライフイベントに合わせて有効活用しよう
定期預金とは、元本保証で普通預金よりも高い金利で預け入れができる金融商品です。預入期間をお客さまが選択でき、ライフイベントに合わせて計画的に資産運用を行えます。
一般定期預金や大口定期預金など、さまざまな種類があるため事前に確認しておきましょう。資産運用の初心者の方や、リスクを負わずに資産運用を行いたい方に定期預金は向いています。
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