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アクティブファンドとは?インデックスファンドとの違いや勝てないと言われる理由を解説!

  • #資産運用
  • #投資信託

掲載日:2024年9月9日

アクティブファンドは、ファンドの保有期間中にかかるコストが高いため、パフォーマンス面でインデックスファンドに勝てないと言われることがあります。その理由を知るために、この記事ではアクティブファンドの仕組みや選び方のポイント、インデックスファンドとの違いについて解説します。

この記事は5分で読めます!

1. アクティブファンドとは

アクティブファンドとは、ファンドマネージャーと呼ばれる運用のプロが、市場や企業のデータを分析のうえ運用を行い、ベンチマーク(指数・基準)を上回る運用成果を目指すファンドのことです。またアクティブファンドではテーマ型の商品もあるためより幅広い投資ができるといえます。

2. アクティブファンドとインデックスファンドの違い

ファンドの種類は、大きく分けるとアクティブファンドとインデックスファンドの2種類に分類されます。インデックスファンドとは、ベンチマークに連動した成果を目指すファンドのことです。両者には次のような違いがあります。

【アクティブファンドとインデックスファンドの違い】
アクティブファンドとインデックスファンドの違い
アクティブファンド インデックスファンド
ファンドの目的 ベンチマークを上回る ベンチマークと連動する
組入銘柄 ポートフォリオマネージャーが独自に調査・分析をして組み入れる ベンチマークに連動するように組み入れる(ベンチマークに近い)
手数料 高め 低め

アクティブファンドでは、投資のプロである「ポートフォリオマネージャー」がベンチマークを上回る成果を出せるように、企業を調査・分析したうえで組入銘柄を決めています。一方インデックスファンドでは、ベンチマークに近い構成銘柄で運用するため、調査・分析の手間がかからないことから、手数料が安く設定されています。

以上の特徴を踏まえて、ここでは「アクティブファンドに向いている人」と「インデックスファンドに向いている人」を解説します。

2.1 アクティブファンドが向いている人

アクティブファンドは、ポートフォリオマネージャーが組入銘柄を選定し、積極的な運用をします。基本的にインデックスファンドよりもリスク・リターンが大きくなる傾向があるため、リスクを許容して大きなリターンを狙いたい人に向いています。

2.2 インデックスファンドが向いている人

インデックスファンドは、日経平均株価やTOPIXといった指数の動きに連動するように運用します。これらの指標は、テレビや新聞でも目にすることが多いでしょう。ベンチマークの値動きを把握できれば、インデックスファンドの値動きも把握できることになります。つまり、値動きが把握しやすいインデックスファンドは、投資初心者でも始めやすいファンドと言えます。

また、ファンドの運用期間中は信託報酬という手数料が発生するため、運用期間が長いほど信託報酬の影響が大きくなります。そのため、中長期で運用をする人は、手数料が低めに設定される傾向があるインデックスファンドのほうが効率よく運用できる可能性があります。

3. アクティブファンドのメリット・デメリット

ここではアクティブファンドのメリットとデメリットについて解説します。

3.1 アクティブファンドのメリット

アクティブファンドはファンドマネージャーの運用次第で、ベンチマークを上回る運用益が期待できます。また、ファンドマネージャーが常に市場をチェックして、必要に応じて組入銘柄の調整を行ってくれるので、急な市場変化による損失も回避できます。
さらに、AIやロボットなど特定の業種に特化したさまざまな商品があることから、多くの選択肢から自身のニーズや考え方にあったファンドが選択可能です。

3.2 アクティブファンドのデメリット

アクティブファンドはインデックスファンドに比べてリスク・リターンが大きくなる傾向がありますが、必ずしもインデックスファンドよりリターンが大きくなるとは限りません。また、アクティブファンドは手数料が高めに設定されている傾向があるため、コストが運用益を上回ることもあります。

さらに、アクティブファンドはベンチマークを上回る成果を目指すため、その分下回る可能性がある点についても考慮しておかなければなりません。

4. アクティブファンドはインデックスファンドに勝てないって本当?

アクティブファンドはコストが高いため、コストを加味したパフォーマンスでインデックスファンドに勝てないと言われることがあります。

しかしアクティブファンドの中には、運用コストを上回るパフォーマンスを出しているものも多くあります。

また、アクティブファンドは投資のプロによる調査・分析を強みとしているので、インデックスファンドに勝てないと早々に判断するのは難しいと言えるでしょう。

5. アクティブファンドを選ぶ際のポイント

アクティブファンドを選ぶ際のポイントを4つ紹介します。いずれも、販売会社が交付する「交付目論見書」で確認できます。

  • 運用実績
    ファンドが一定期間内にどれくらい値上がり・値下がりしているのかを表す「騰落率(とうらくりつ)」や、基準価格の推移・変動要因などを確認しましょう。特にアクティブファンドの場合、ベンチマークを上回る実績を残せているかが重要なポイントです。

    ただし、交付目論見書に掲載されている運用実績はあくまでも過去の実績であり、将来の損益を約束するものではない点に注意しましょう。
  • 信託報酬
    信託報酬は、低いほうが有利に運用できます。なお、記載されている信託報酬はあくまでも年率です。1日あたりの信託報酬はこれを365日で割って計算をします。
  • 信託期間
    信託期間とは、ファンドの運用が始まる設定日から、運用が終了する償還日までの期間のことです。ファンドの中には、償還日をむかえると投資していたお金が手元に戻ってくる商品もあります。長期運用をする人は、アクティブファンドを購入する前に信託期間を必ず確認しておきましょう。

    またファンドの規模が一定水準を下回り、効率的な運用が難しいと判断すると、運用会社は設定した償還日を待たずに繰上償還する場合があります。繰上償還の要件は交付目論見書に記載されているため、事前に確認しておきましょう。
  • 運用方針
    運用方針とは、ファンドを運用していくうえでの基本的な考え方を示したものです。具体的には、どのような運用対象(株、債券など)に、どのような割合で、どう運用するかなどの情報を指します。

各ファンドの運用方針が確認できたら、そのファンドが自身のリスク許容度に合っているかも確認しましょう。リスク許容度とは、資産運用でどれくらいまでなら価格変動を許容できるか、特にマイナスに振れた場合にどのくらいまで受け入れられるかという度合いのことです。リスク許容度をはかる尺度はさまざまですが、年齢や収入、保有資産額、投資経験や投資に対する考え方などを基準に判断します。

リスク許容度が高ければ、ある程度リスクを取って積極的な運用が可能です。リスク許容度が低ければ、リスクを抑えた運用が必要となります。
リスク許容度を考える際は下記などの観点を確認すると良いでしょう。

【リスク許容度の考え方】
リスク許容度の考え方
リスク許容度が低い リスク許容度が高い
収入 少ない 多い
資産 少ない 多い
投資経験 少ない 多い
投資に対する考え方 消極的 積極的

6. まとめ

ファンドにはアクティブファンドとインデックスファンドの2種類があり、前者のほうが、リスク・リターンが大きい傾向があります。また、アクティブファンドは信託報酬が高いため、インデックスファンドに勝てないと言われることがありますが、ポートフォリオマネージャーが市場動向などに合わせて適切な商品を選んでいるため、安易に断定できるものではありません。ファンドで積極的な運用をしたい人は、アクティブファンドも検討してみましょう。

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