リバースモーゲージとは?仕組みやリースバックとの違いを解説
- #リバースモーゲージ
2023年8月7日
豊かなセカンドライフを送るための金融商品としてリバースモーゲージがありますが、聞き慣れない言葉のため、商品の仕組みをイメージしづらいという人も多いでしょう。リバースモーゲージを簡単に説明すると、「自宅を担保にして資金を借りる」というものです。「自宅を担保にする」と聞くとマイナスなイメージを持つ人もいますが、上手に使えばセカンドライフの強い味方となります。
この記事では、リバースモーゲージについてのメリット・デメリット、どのような人に向いているのかといった点を解説します。
1. そもそも、リバースモーゲージとは簡単にいうとどんなもの?
「充実したセカンドライフを送るためのお金が必要だが、自宅(持ち家)以外に有用な資産がない」という場合、どうすればよいでしょうか?ご自宅を売却してお金をまかなうのでは、自分の住む場所がなくなってしまいます。
しかし、リバースモーゲージなら老後資金の準備ができるうえ、住む場所がなくなってしまうこともありません。ご自宅を担保にお金を借りることができ、その後も自宅にもずっと住み続けることが可能です。
リバースモーゲージの「リバース」とは「逆」「後方」を意味します。通常の住宅ローンは、決められた期間、毎月返済することで、借入残高が次第に減少していき、期間の最後には残高がゼロとなるのに対し、リバースモーゲージは終身の利用が可能で、担保の評価額によって決められた枠内で都度借り入れを行うことができ、借入残高が次第に増加していくことから「逆住宅ローン」とも呼ばれています。
また、リバースモーゲージは、ご契約者様がお亡くなりになった後に契約が終了となり、元本の返済は現金または代物返済(自宅の売却代金)で行われます。すぐに手放すつもりはないものの、自宅の資産価値を活かして現金を借りたいというニーズに応えるのがリバースモーゲージです。
また、すぐに自宅を手放すつもりはないものの、自宅の資産価値を活かして現金を借りたいというニーズに応えるのがリバースモーゲージです。
融資される資金は一括払いだけでなく、必要に応じて少額でお借り入れいただくことも可能です。ただし、取り扱い金融機関や契約の形態によって異なってくるので、あらかじめきちんと確認しておいた方がよいでしょう。
2. リバースモーゲージには、どんなメリットがあるの?
リバースモーゲージは簡単にいうと、「充実したセカンドライフを送るためのお金が必要」というニーズと、「自宅をすぐには売りたくない」というニーズをともに満たしてくれる金融商品で、それが最大のメリットとなっています。
リバースモーゲージのメリットに着目し、公的年金だけでは心細いという方が老後の暮らしを支えるために利用するケースがよく見受けられます。また、リバースモーゲージによる融資は少額の生活資金だけでなく、まとまった資金にも充てられるようになっており、その点もメリットだといえるでしょう。
リバースモーゲージは、まとまったお金が必要となるケースが多い老人ホームの入居一時金をまかなうためや、住宅ローンの返済資金に充てることもできます。
3. リバースモーゲージにはデメリットがある?
リバースモーゲージは住居を失わずに借り入れできる利点がありますが、デメリットもあります。
融資額が想定より少ない可能性がある
リバースモーゲージの融資額は担保評価を下回る金額で設定されます。これは、担保物件の価格が下落してしまい、売却しても融資を返済できなくなるケースを防ぐためであり、想定よりも借り入れできる融資額が少ない可能性があります。
金利上昇のリスクがある
金利上昇によって毎月の返済額が増えるリスクもあります。将来的に金利が上昇した場合は、返済額が増える可能性があります。
担保評価が下がる可能性がある
不動産価格が下がってしまうと担保評価も下がってしまう点にも注意が必要です。もし、担保評価が借入残高よりも下がってしまう担保割れが起きると、担保評価を上回った分の返済を求められます。
長生きすると融資限度額を超える可能性がある
長生きした場合もリスクとなる可能性があります。限度額に達してしまうと借り入れができなくなります。
なお、リバースモーゲージは金融機関がさまざまな条件を設定しています。例えば、年齢制限や担保物件の場所、不動産評価額などです。どんな物件でも無条件でリバースモーゲージを申し込めるわけではないことは理解しておきましょう。
4. リバースモーゲージは、どういう人にピッタリ?
リバースモーゲージはもっぱらシニアの方向けに提供されている金融商品です。先に触れたように老後の生活費や介護施設への入居資金の確保等を目的に利用するのに適しているといえます。
しかし、ご自身の先々のことについて悩んでいるシニアの方だけでなく、その子ども世代からも注目されています。たとえば、遠方に別居していて頻繁には顔を出せない一方で、実家を相続するつもりはないという方が先々で親が要支援・要介護状態となった場合のことを念頭に置き、リバースモーゲージの利用を持ちかけるケースも見られます。
要支援・要介護状態には至らなかったとしても、子どもが相続するつもりのない実家はいずれ空き家となってしまう可能性があります。言い換えれば、リバースモーゲージの活用が広がれば、すでに日本で社会問題化している空き家問題の解消に結びつく可能性もあるでしょう。
5. リバースモーゲージとリースバックには違いがある?
リバースモーゲージと比較されやすいリースバックですが、どのような違いがあるのでしょうか。
リースバックとは、自宅などの不動産をいったん売却し、売却後に賃貸契約を結んで、家賃を支払いながらその物件に住み続ける仕組みで、まとまった売却資金を得ることができます。ただし、売却するため不動産の所有権はなくなり、将来的に家賃が上がる可能性もあります。
一方のリバースモーゲージは、不動産を売却するのではなく、担保にして借り入れを行います。リースバックとは違って売却はしないため、不動産の所有権はご自身のまま住み続けることができます。
リースバックは不動産を売却して資金を得る、リバースモーゲージは不動産を売却せずに担保とした借り入れで資金を得るという大きな違いがあります。
6. リバースモーゲージで、注意すべきポイントとは?
ここまではリバースモーゲージのメリットとデメリットを中心に解説しました。加えて、実際に申し込みを検討する前に注意すべきポイントを2つ説明します。
1つめは、自宅の処分についてです。ご契約者さまが亡くなったあと、相続人の方からご返済いただく必要があるので、ご自宅の処分をどうするのか等を含めて事前に話し合っておくことが大切です。
2つ目は、同居者の方の住む場所についてです。配偶者や子どもなどと暮らしていた場合、ご契約者様がお亡くなりになって自宅を売却されると、住む場所を新たに確保する必要が生じるケースがございます。ですが、その場合は相続人(配偶者など)が契約を引き継ぐ仕組みもあります。
上記が、リバースモーゲージ利用前に確認しておきたい注意点となります。
7. リバースモーゲージを上手く活用して充実した人生を!
おさらいすると、持ち家に住み続けながら、それを担保に必要な資金を調達できるのがリバースモーゲージの何よりの魅力です。シニアのお客さまが今後のマネープランを練るうえで、十分検討に入れてもよい金融商品ではないでしょうか。
ただし、いくつかの注意点があることも確かです。
お客さま自身の人生設計をベースにしながら、メリットとデメリットの両面を踏まえてぜひご検討してみてはいかがでしょうか。
8. 東京スター銀行へお気軽にご相談ください
東京スター銀行のリバースモーゲージ「充実人生」は2005年から取り扱われ、利用されている商品です。東京スター銀行では、個々のライフプランやマネープランに応じた適切な活用についてアドバイスを受けることができます。老後を含めた人生の見通しを念頭に置いた総合的なライフプランやマネープランについて気軽に相談可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。
以上
蛯沢 路彦
早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務などを経て独立後、月刊誌「FX攻略.com」の編集長、その版元の株式会社Wa plus代表取締役を務める。退任後、マネー誌やウェブメディアにおいて、金融・経済の分野を中心に執筆活動を続ける。2020年11月、株式会社イノベクションを創業。
早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務などを経て独立後、月刊誌「FX攻略.com」の編集長、その版元の株式会社Wa plus代表取締役を務める。退任後、マネー誌やウェブメディアにおいて、金融・経済の分野を中心に執筆活動を続ける。2020年11月、株式会社イノベクションを創業。