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住宅ローンの金利の種類とは?特徴や選び方などを徹底解説!

  • #住宅ローン

掲載日:2019年10月16日
最終更新日:2024年3月25日

住宅購入希望者の多くが住宅ローンを組みます。そのため、マイホーム選びと同様に大切なのが住宅ローン選びと言ってもよいでしょう。住宅ローンの金利はもちろんのこと、ローンの種類や特徴、各金利タイプのメリット・デメリットについて、当記事では各金利タイプに焦点を当て、順に解説します。

この記事は10分で読めます!

1. 住宅ローンの金利タイプの種類1:(全期間)固定金利型

借り入れ当初の金利が住宅ローン完済までずっと適用されるタイプが固定金利型の住宅ローンの特徴です。【フラット35】がその代表格ですが、そのほか金融機関独自の固定金利型商品もあります。
固定金利型のメリット・デメリットは何でしょうか?順にみていきましょう。

固定金利型のメリット

固定金利の住宅ローンでは借り入れ当初から最後まで金利が変わりません。資金を借り入れた時点で毎月の返済額や総返済額が決定することが一番の特徴で、このタイプのメリットには次の点が挙げられます。

  • 遠い将来まで毎月返済額が固定されるので、毎月の家計管理がしやすい
  • 融資金利が上昇する(毎月返済額がアップする)リスクを回避できる

固定金利型のデメリット

後述する変動金利型の商品に比べ、固定金利型には以下のデメリットが考えられます。

  • 融資金利がそのほかの金利タイプの商品より抑えにくい
  • 住宅ローン金利が今より下がったとしてもその恩恵を受けられない(契約時の金利のまま)

2. 住宅ローンの金利タイプの種類2:変動金利型

変動金利型の住宅ローンは、その名のとおり、金利が一定期間ごとに変わる商品です。市場金利の動向に応じて、通常半年ごとに適用金利が見直されます。著しい金利上昇へのセーフティーネットとして「125%ルール」と呼ばれる毎月返済額の上限キャップがあり、5年ごとに毎月返済額が増えたり減ったりします。そのため完済するまでに最終的に自分が総額でいくら返済するかはわかりません。

変動金利型のメリット

変動金利型は短期金利に連動して動くため、固定金利型の商品に比べて金利を抑えられるのが最大の特徴です。低金利をアピールすべく目立つ文字で最優遇金利が表示された金融機関の住宅ローンチラシなどをご覧いただく機会も多いのではないでしょうか。

借り入れ当初の毎月返済額を固定金利型より低く抑えられることから、ここ2年ほど変動金利型を選択する人が7割前後となっています。(出典:「住宅ローン利用者調査(2023年4月調査)」

借り入れ時点で住宅ローンの総返済額は確定しませんが、現在の日本のように金利が低水準のまま長く続くようであれば、支払う利息もだいぶ抑えられるかもしれません。

変動金利型のデメリット

しかし、変動金利型には以下のデメリットもあります。とくに借入金額が高額な人や、手取り収入に占める毎月返済額の割合が高く、家計収支にゆとりがない人などは注意が必要です。

  • 金利が変動するため、将来の返済額が予測しにくい
  • 将来金利が上昇すると毎月の住宅ローン返済額も増加し、家計破綻リスクが高まる

3. 住宅ローンの金利タイプの種類3:固定金利期間選択型

固定金利型と変動金利型以外の第三の選択肢として、借り入れから一定期間だけ金利を固定し、期間終了後にあらためて金利タイプを選択する方法もあります。それが固定金利期間選択型の住宅ローン商品です。

固定金利期間選択型のメリット

固定金利期間選択型は、たとえば借り入れ当初10年間だけは固定金利で返済し、期間終了後にあらためて金利を選ぶ、あるいは変動金利型で返済する、言わばハイブリッドタイプ。このタイプのメリットには次の点が挙げられます。

  • 子育て世帯など「借り入れからしばらくの間は毎月返済額を固定したい」といったライフプランに住宅ローン返済計画を合わせやすい
  • 一部期間を固定金利型にして家計の安定感を図りつつ、将来の金利状況を見計らって金利プランを選択する余地を残せる

固定金利期間選択型のデメリット

固定期間終了後の変動金利部分に金利変動リスクが依然としてあります。子どもの大学進学時期と固定期間の終期が重なり、想定外の毎月返済額に悩まされる可能性もあります。期間の設定にはより慎重さが求められます。

4. 住宅ローンの金利は低ければ低いほどいいの?

住宅ローンを検討する段階では金利という数値で比較しがちですが、金利だけで選ぶと後悔するかもしれません。

融資金利が低いほど返済額が軽減されるため金利の検討は重要ですが、将来の金利変動リスクをどれくらい許容できる家計なのか、住宅ローンを組んだ後も子どもの教育費が貯められそうかなど、ライフプランに合った返済計画になっているか考えることが重要です。

また、どの金融機関で借りるのかによって選べる団体信用生命保険が変わるため、団体信用生命保険の保障内容なども見比べて総合的に選択することをおすすめします。

5. 住宅ローンのその他の金利・ローンについて

住宅ローンは契約者1人が資金を借りて返すことが一般的ですが、共働き世帯の場合は夫婦2人で住宅ローンを申し込み、返済していくことも考えられるでしょう。二世帯住宅を親子で建てる場合に親子ローンを検討する人もいらっしゃるかもしれません。
以下にこうしたローンの形態について解説します。

1:夫婦ペアローン

夫婦ペアローンは夫婦で申し込み、債務もそれぞれが背負う仕組みの住宅ローンです。一方、住宅ローンの申込者(主債務者)の収入に不安がある場合によく行われる、配偶者の収入を合算する「収入合算」では、基本的にひとつの住宅ローン契約を組みます。収入合算には連帯債務型と連帯保証型があり取り扱いは少し変わりますが、夫婦ペアローンと収入合算では契約形態がそもそも異なる点に注意しましょう。

たとえば夫婦ペアローンは夫婦それぞれに住宅ローン控除が適用されます。また夫が固定金利型を選び、妻は変動金利型を選ぶなど夫婦で異なる金利プランの住宅ローンを組むことも可能です。

ペアローンに限らず夫婦が契約に絡む住宅ローン契約では、夫婦関係が途中でこじれ離婚や家の所有権に対して争いごとが生じた場合に難しい対応を迫られることがあります。慎重に考えて契約する/しないを決めることが求められます。契約すると決めたときも借入額や金利プランをそれぞれどうするか、よく話し合って決めることをおすすめします。

2:夫婦連帯保証

夫婦連帯保証の住宅ローン契約では、夫婦の一方が「主たる債務者」として住宅ローン契約をし、もう一方は「連帯保証人」として債務の保証人となります。申込者(主債務者)が夫で、配偶者の妻の収入合算をする場合、債務を負うのは夫(主債務者)で、妻はその連帯保証人になります。住宅ローンの審査に際して夫婦双方の収入が考慮されるため、一般的に借入可能な金額は大きくなります。

住宅ローン借り入れ後は契約者である夫が返済していきますが、万が一夫の返済が滞った場合、妻たる連帯保証人は同様の返済義務を負うことになります。

住宅ローン控除は夫(主債務者)のみに適用されます。また、不動産の所有権も夫(主債務者)となります。このタイプの契約では妻(連帯保証人)の団体信用生命保険加入ができないため、妻に万が一のことがあった場合は残債の返済が免除されないことを踏まえ、経済的な対応をあらかじめ考えておく必要があります。

3:夫婦連帯債務

夫婦連帯債務型は、夫婦が名を連ねて住宅ローン契約を取り交わします。書類上は主たる債務者が夫の場合、妻は連帯債務者として借り入れ全額に対して夫婦で連帯債務を負います。夫婦ペアローンは夫・妻それぞれに契約を取り交わしますが、このタイプの収入合算では契約は夫(主債務者)のみとなります。

夫婦連帯保証型とはさまざまな異なる点があります。たとえば、住宅ローン控除も夫(主債務者)と妻(連帯債務者)双方に適用できます。また不動産の所有権登記も夫婦それぞれに設定することが可能です。

ただ、【フラット35】など一部の金融機関では妻(連帯債務者)も団体信用生命保険に加入することができますが、民間金融機関ローンの場合は団体信用生命保険に加入できないため、住宅ローン契約を結ぶまでに妻(連帯債務者)の死亡保障を忘れずに準備するようにしましょう。

4:親子ローン

親子ローンは、親と子で連携して組む住宅ローンです。「親子ペアローン」や「親子リレーローン」といった名称でさまざまな金融機関で取り扱いがあります。

「親子ペアローン」は親子2本のローンを組んでそれぞれ返済する、夫婦ペアローンに似た仕組みの商品です。また、「親子リレーローン」の契約は1本で、住宅ローン借り入れ当初は親が返済し、途中から子どもがそのローンを引き継いで完済する形態の商品です。その名のとおり、親から子へバトンタッチして返済するわけです。

親子で長期にわたり資金を返済していくため、子の立場からすると「親子で団体信用生命保険に加入できるのか?」「申込時、親が何歳までなら団体信用生命保険に加入できるのか?」「返済中の親に万が一のことが生じた場合、残債はどうなるのか?」など気がかりな点もあると思います。

実際、【フラット35】の「親子リレーローン」では、機構団信特約制度は親子(連帯債務者)どちらか1人しか加入することができません。このように「親子ペアローン」と「親子リレーローン」では親の年齢上限など求められる要件が異なるケースが多いので、内容をしっかり把握して検討を進めるようにしてください。

6. 住宅ローンの金利タイプの選び方とは?

ここまで固定金利型、変動金利型、固定金利期間選択型、その他の住宅ローンを紹介してきましたが、では金利タイプはどのように選べばよいのでしょうか?

ポイントとなるのは、「今後の金利動向」です。
将来的に金利がどのように推移していくのかについて、高名なエコノミストであっても正確に予測することは困難でしょう。実際、超低金利時代がここまで長く続いていることを、10年前、20年前から読み解いていたという人は少ないのではないでしょうか。

結局、自分なりに金利の先行きを推察したうえで、借入期間の長さや繰り上げ返済の可能性などを踏まえて3つのいずれかを選択することになるでしょう。

「たとえ確率的に低かったとしても、金利が上昇する可能性があるなら、それに備えておきたい」と考える人や、「不確定だと不安になってしまう」と思う人なら、固定金利型を選ぶのが無難かと思われます。これに対し、「しばらく金利は目立って上昇しないだろう」と予想していたり、「金利に変化が生じ始めたら借り換えや繰り上げ返済を行う」という手を打てる人なら、変動金利型を選ぶのも一案です。

一方、固定金利選択型については、「固定金利型よりも低い金利で借りたいものの、先々の金利情勢のことは想像もつかないから、変動金利型にするのも不安で……」といったように、迷っている人の選択肢と言えるかもしれません。とりあえず、当面(固定金利期間)は固定金利型よりも抑えた金利で借り、固定金利が終了した時にあらためて考え直すということができます。

7. 東京スター銀行では2種類の
住宅ローンを用意

東京スター銀行では、「スター住宅ローン」と「スターセレクト住宅ローン」の2種類の住宅ローンを取り扱っています。まずは、金利が魅力の「スター住宅ローン」についてご紹介します。

「スター住宅ローン」は好条件の適用金利に加えて、保証料や一部繰上返済・全額繰上返済の手数料が一切かからないのが特長です。

さらに、@団体信用生命保険・就業不能信用費用保険付きプラン、Aガン保障特約付き団体信用生命保険・就業不能信用費用保険付きプラン、Bワイド団信プラン(引受条件緩和型団体信用生命保険)といった保険付きのプランもご用意しています。返済中にもしものことがあった場合にも、これらの保険があるので安心してご利用いただけます。

もう1つの「スターセレクト住宅ローン」は、さまざまな生活様式に応える住宅ローンです。(2024年3月1日現在)

「スターセレクト住宅ローン」は、お客さまのさまざまなライフスタイルに応じて一般の住宅(戸建て/マンション)はもちろん、50u未満のコンパクトマンションや旧耐震構造のリノベーションマンションのご購入にもご利用いただけます。(2024年3月1日現在)

  • 対象地域等の条件は商品説明書をご確認ください。

どちらのローンもご来店不要で仮申し込みを行うことが可能ですので、ぜひ東京スター銀行のホームページをご覧ください。

  • 株式会社リザーブリンクのサイトに遷移します。

8. まとめ

住宅ローンをどのように選ぶか?多くの住宅購入者が悩むポイントだと思います。
今回の記事では、ローンの特徴やメリット・デメリットなど基礎知識のほか、夫婦や親子で組む住宅ローンなどさまざまな種類の商品についても紹介しました。

住宅ローンは借りておしまいではありません。夫婦のライフスタイルやライフプラン、今後の金利動向などを考慮し、安心して返せる資金計画を立てることが重要です。金融機関ホームぺージの借り入れシミュレーションも充実してきています。手を動かしてしっかり検討することをおすすめします。

以上

【ライター情報】
海老原政子

ファイナンシャル・プランナー/住宅ローンアドバイザー
国内の生命保険会社にて生命保険募集人業務に携わるなかでライフプランの重要性に目覚め、生活者視点を生かしたFP業務を開始(「千葉 家計相談」で検索。)
千葉で、家計相談や執筆業務、個人・企業向けマネープランセミナーを行う。生命保険見直しや住宅ローンの借り換え、貯蓄ができない家計の体質改善アドバイスなど、わかりやすい情報提供が好評。

ファイナンシャル・プランナー/住宅ローンアドバイザー
国内の生命保険会社にて生命保険募集人業務に携わるなかでライフプランの重要性に目覚め、生活者視点を生かしたFP業務を開始(「千葉 家計相談」で検索。)
千葉で、家計相談や執筆業務、個人・企業向けマネープランセミナーを行う。生命保険見直しや住宅ローンの借り換え、貯蓄ができない家計の体質改善アドバイスなど、わかりやすい情報提供が好評。

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