借りる・返す

カードローンや銀行のローンを一括返済!やり方やメリット/デメリットを解説

  • #カードローン
  • #借り換え

掲載日:2023年9月25日

カードローンや銀行のローンの返済中、まとまった収入があり「ここで一気に返済しよう!」と考えている方もいるのではないでしょうか。このような、元本と利息を合わせた借入金額を一気に返済することを一括返済といいます。この記事では、お金の専門資格FPを持つ筆者が、カードローンや銀行のローンを一括返済する方法やメリット・デメリットの他、一括返済の注意点についてわかりやすく解説していきます。

この記事は7分で読めます!

1. カードローンや銀行のローンを一括返済するメリット

まずは、各ローンを一括返済することで得られるメリットから紹介していきましょう。

1-1. 最終的な返済総額を少なくできる

カードローンや銀行から借りているローンを一括返済すると、最終的な返済総額を少なくできます。返済期間が長ければ長いほど利息負担も大きくなるため、早く完済することでその後の利息負担が無くなるからです。

仮に50万円を年率18%、返済期間5年で借り入れ、返済しているとします。その際の毎月の返済額は12,696円、5年間の返済総額は76万1,760円となり、26万1,760円の利息を負担することになります。それを借り入れから2年後に一括返済した場合、35万1,207円の金額を返済することになりますが、最終的な返済額は65万5,911円となり、10万5,849円の利息負担を削減できたことになります。

【以下のシミュレーターを使用して算出】

一括返済の時期は早いほど利息負担削減効果が高く、借り入れから1年後に一括返済する場合、一括の返済額は43万2,232円となり、返済総額は58万4,584円まで削減できます。その際の利息負担削減額は17万7,176円です。このように、一括返済を行えば大きな利息削減効果を期待できます。

1-2. カードローンの利用限度額に余裕ができる

カードローンは、その人の返済能力に応じた利用限度額が設定されています。そして、その利用限度額の範囲内でいつでも借り入れや返済を行える点がカードローンの特徴です。一括返済によって借入残高を減らせば、結果的にカードローンの利用限度額に余裕ができることになります。

カードローンについてより詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

2. カードローンや銀行のローンを一括返済するデメリット

カードローンや銀行のローンを一括返済には以下のようなデメリットもあります。

2-1. 返済方法が通常の約定返済と異なる

一括返済の手続きは、毎月返済する約定返済とは異なります。そのため、「事前に金融機関への連絡を求められるケース」「窓口での手続きを求められる」といった可能性があります。一括返済をする際には、自分が借り入れているカードローンや銀行のローンの返済方法をホームページで確認し、別途手続きが必要か否か確認しましょう。金融機関によっては何日前までに連絡が必要など、期間を設定しているところもあるため注意してください。

2-2. 資金が一時的に減少する

一括返済はまとまった金額の支払いになるケースが多く、手元の資金が一時的に減少します。そのため、臨時収入があったからといって、それをすべて一括返済に回すかどうかは慎重に判断しましょう。

おすすめは、急な出費に耐えられる緊急資金がどれだけあるかを把握し、それを除いた金額を一括返済にまわす方法です。緊急資金の目安としては、毎月の生活費の最低3ヵ月分は確保しておきたいところ。その後の家計に影響がないように、余剰資金を一括返済にまわすようにしましょう。

また、「一括返済の負担が大きすぎる」「借入先が複数ある」といった場合は、おまとめローンなどのほかの選択肢を検討するのもおすすめです。おまとめローンとは複数の借入先をひとつにまとめる方法で、現在よりも金利の低いおまとめローンに借り換えることで、利息負担を大幅に軽減できる可能性があります。

  1. ※1おまとめ後の返済状況によっては、おまとめしない場合と比較して利息の総支払い額が減らない可能性があります。特に、ご利用中のローンの平均お借り入れ金利がおまとめ後の適用金利(年率9.8%・12.5%・14.6%)以下の方は慎重にご検討のうえお申し込みください。

3. 一括返済の流れ

一括返済は、基本的に以下の流れで行います。ここで紹介するのはあくまでも一般的な流れのため、詳細については必ず借入先の金融機関に確認するようにしてください。

3-1. 金融機関に一括返済を行いたい旨を連絡する

まず、借入先の金融機関に一括返済を行いたい旨と返済希望日を伝えます。すると、金融機関側から最終的な返済額が通知されます。

3-2. 返済方法を選ぶ

金融機関によって、一括返済の方法が異なります。具体的には、ATMを利用して借入先に振り込む方法やインターネットバンキングを利用して返済する方法、さらには窓口に赴いて返済する方法などがあります。借入先の金融機関のホームページで各返済方法を確認し、どの方法で返済するか決めましょう。金融機関によっては手数料が発生するケースもあるので、できるだけ手数料が発生しない、もしくは発生したとしても手数料が低い方法を選びましょう。

3-3. 返済する

事前に伝えた返済希望日に、借入残高を一括返済します。なお、一括返済の流れは金融機関によって異なります。ここでご紹介したのはあくまで一例ですので、詳しくは利用中の金融機関に確認しましょう。

4. カードローンの一括返済における注意点

カードローンを一括返済する場合には、以下の点に注意しましょう。

4-1. 無理のない金額を返済する

一括返済の返済額は、日常生活に支障が出ない金額にすることが大切です。また、結婚・出産・育児・家の購入などといったライフイベントを予定している場合は、その資金を除いた額を一括返済にあてるのがおすすめです。資金を確認し一括返済が難しいと判断した場合は、一括返済のタイミングをずらすか繰上返済にとどめておきましょう。

4-2. 一括返済を行ったあとのカードローンの契約を検討する

一括返済後、今後もカードローンを利用するつもりならそのまま保有しておいても構いませんが、利用しないなら解約することをおすすめします。なぜなら、新たにほかのローンを申し込む際、カードローンの借入可能枠を保有していると審査に影響をおよぼすことがあるからです。

4-3. 完済証明書を発行してもらう

一括返済を行ったからといって、カードローン会社は「完済証明書」を自動的に発行してくれるわけではありません。できれば完済証明書を発行してもらうよう金融機関に依頼し、保管しておきましょう。完済証明書が必要になるケースは多くはありませんが、住宅ローンを利用する際などに求められることがあります。今後住宅の購入を予定しているなら、発行してもらうことをおすすめします。

5. まとめ

一括返済には「返済総額を減少させられる」「カードの利用限度額に余裕ができる」といったメリットがありますが、一時的に手元資金が大きく減少するなどのデメリットもあります。メリット・デメリットを踏まえて、一括返済の利用を検討してみてください。

また、一括返済をしても、カードローンのサービスが利用できなくなるわけではありません。必要に応じて、再度お金を借りることができます。ただし、使いすぎるとまた返済負担が大きくなってしまいますので、一括返済後はローンに頼りすぎるのは避けて、計画的に利用するように心がけましょう。

「一括返済は難しいが返済負担を減らしたい……」という方は、おまとめローンなどほかの選択肢を検討するのも良いでしょう。複数社から借り入れている方は特に、おまとめローンを利用することで利息負担を軽減できる可能性があります。一括返済だけでなく、他の選択肢も視野に入れて返済負担の軽減を目指しましょう。

  1. ※1おまとめ後の返済状況によっては、おまとめしない場合と比較して利息の総支払い額が減らない可能性があります。特に、ご利用中のローンの平均お借り入れ金利がおまとめ後の適用金利(年率9.8%・12.5%・14.6%)以下の方は慎重にご検討のうえお申し込みください。

以上

CFP®認定者/一級ファイナンシャルプランニング技能士/DCプランナー/住宅ローンアドバイザー/証券外務員等の資格を保有し、コンサルタントとしての個人向け相談のほか、資産運用等上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、年間300件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

CFP®認定者/一級ファイナンシャルプランニング技能士/DCプランナー/住宅ローンアドバイザー/証券外務員等の資格を保有し、コンサルタントとしての個人向け相談のほか、資産運用等上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、年間300件以上の執筆・監修業務を手掛けている。

関連記事

おすすめ情報