用語集
為替ヘッジ(かわせへっじ)
為替ヘッジとは、為替レートの変動による損失リスクを回避または軽減するための手法のことです。特に、外国通貨を用いる取引や資産運用において、為替レートの変動が利益や資産価値に影響を与えないようにするために用いられます。「ヘッジ(hedge)」を直訳すると、「垣根」や「生け垣」という意味で、「リスクを避ける」「防御する」といったニュアンスで使われています。
海外の株や債券などの資産に投資する場合、投資の通貨(例:米ドル、ユーロ)が自国通貨(例:日本円)に対して変動することで、資産価値や投資収益に影響を及ぼす為替リスクが存在しています。為替ヘッジの目的は、為替レートの変動リスク(為替リスク)から投資成果を保護することです。投資対象の資産価格が上昇しても、為替が円高に動けば円換算での収益が減少しますが、為替ヘッジを行うことで、この影響を軽減できます。ただし、ヘッジコストと手数料がかかり、市場状況や予期せぬ要因により完全に影響を回避できる保証はありません。円安時の利益を享受できない点にも注意が必要です。
実際に為替ヘッジを行う手法として、先物取引・信用取引はよく使われています。例えば、米国株に投資するファンドが1ドル=100円で為替予約を行うとします。3ヶ月後に為替レートが1ドル=110円になった場合でも、ファンドは1ドル=100円で取引を行うため、為替変動による損失を回避できます。
海外資産で運用する投資信託の目論見書には、為替ヘッジの有無が必ず記載されています。両方の設定がある投資信託商品では、投資家は「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」のどちらかを選択できます。